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    お茶の香りとさわやかな気候、湖畔の絶景に癒されるべく、やってきたのは静岡県・浜松の宿「界 遠州」。エントランスを抜け一歩宿に足を踏み入れると、ふわっとお茶の香りに包み込まれる。香りの正体は「茶香炉」と呼ばれるお茶を使ったお香。訪れた瞬間からお茶の世界に浸ってほしいという工夫なんだとか。チェックイン後にロビーでひと息ついていると、「地元浜松の名産茶、天竜茶です」と案内してくれたのはスタッフの井上さん。香り高い煎茶のウェルカムティを口に含むと、ほんのり甘みがあって、飲みやすい。「いつものお茶と全然違う。お茶ってこんなにおいしかったんだ!」と思わず口にしたくなる、お茶泊のはじまりにふさわしい一杯。ひとりで旅館はちょっぴり尻込みしていたけれど、落ち着いた雰囲気とスタッフさんのもてなしで、すっかり肩の力が抜けていく。

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    ロビーは調光を抑え大人な雰囲気。ウェルカム
    ティとともに季節に合わせたお茶請けも。

    「茶香炉」と呼ばれるお茶の香。未使用
    の飲料用茶葉を焚きしめた濃厚な香り。

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    お茶の葉が開くちょうどいい温度と瞬間。それを待つ時間も贅沢。

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    シンプルな茶器だからこそ、お
    茶の色と香りの違いに気づかさ
    れる。

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    手続きを済ませると「このあとお茶の淹れ方を体験できる美茶楽(びちゃらく)の催しがあるので参加しませんか」と嬉しいお誘いが。その土地ならではの文化を取り入れたおもてなしなのだそう。お茶くらい淹れられる……と侮るなかれ、お茶っ葉の量から、淹れる温度、一番茶と二番茶の違いなど、始めて知ることばかり。講師を務めるスタッフさんは煎茶の本格的な味わいを楽しめるようにと、地元のお茶屋さんのレクチャーを受けていて、お茶の作法から歴史まで語れてしまう伝道師なのだ。春は花の香りがする煎茶体験、夏には氷出し、秋には熟成茶や五穀茶など、季節ごとに異なる味や香りを楽しむことで、四季の移ろいまで感じられる。「ここでの体験を通して、お茶に目覚める方も多いんです。改めて、お茶の楽しさにはまっていただきたいですね」(井上さん)

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    ◆美茶楽

    時間/毎日15:20〜30分毎 (毎日数回開催)

    料金/無料

    受付/当日フロントにて予約  ※季節により内容は異なります

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    美茶楽の会場で見つけた、何やらかわいらしい小部屋。中に足を踏み入れると、温かな灯りの室内をぐるっと取り囲む茶瓶! 「お好みのお茶をセレクトできるティーセラーです。よかったらお部屋に持っていってくださいね」と井上さん。地元の伝統的な織物「遠州綿紬」を取り入れたコンパクトな空間は、まるでお茶の秘密基地。茶瓶の蓋を開け、一つひとつ香りながら好みの茶葉を選びます。王道の煎茶にほうじ茶、ちょっと珍しい和紅茶、ノンカフェインまで全12種。5月には新茶も登場するというから、ますますいろんなお茶を楽しめそう。寛ぎの時間のお供に、粋なもてなしです。さっき教えてもらった淹れ方をさっそく復習してみようっと。

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    静岡各所から集めたお茶がぐるりと囲むように並んでいて、お茶の秘密基地のよう。

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    お気に入りを見つけたら、ミニ茶筒に入れて持ち帰り。
    隣接するラウンジで飲んでもOK。

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    お部屋に入ってまず目に飛び込んできたのは、浜名湖のレイクビュー! 全室この絶景を楽しめるのだそう。障子や琉球畳の安心感と、木の温かみを感じるフローリング、遠州綿紬をいたるところに使用した和モダンな造り。ゆったりと自分だけの時間を楽しめる、そんな空間にもやっぱりお茶を楽しむための茶器が完備されている。お湯は直接注がず、陶器に2回移しかえ、70度ぐらいに冷ますとちょうどいい……教えてもらった方法をおさらいしながら、さっそくお茶を煎れてみる。「やっぱりいつもと違う……」とまたまた感動。お茶を飲み比べたり、一煎目、二煎目と味わいの違いを感じるのも奥深い。気が付いたらすっかり陽が陰り、湖畔の表情も静かに。

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    トラベルライブラリーで見つけた本とお茶で休憩タイム。

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館内には1室のみの特別室「遠州つむぎの間 茶処リビング付き和室」も。室内にはお茶を淹れられるカウンターが付いていて、朝、昼、晩の時間に合わせたおすすめのお茶、お茶請け、そして鉄瓶がセットされている。

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    湯舟に浮かぶお茶玉の中には無農薬
    の静岡茶葉がぎっしり。茶葉に含ま
    れるテアニンやビタミンの効能を全
    身で体感。

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    陽が陰ってきたことだし、そろそろお風呂に入ろうかな。大浴場に向かう途中見つけたのは、スタンディングでお茶が飲めるスペース。聞けば入浴前専用の「かけ湯茶」とのこと。温泉に入る前にお茶を飲むと、普通に飲むよりカテキンの吸収率が7倍にも増えるのだとか!  これは飲むしかない。さらには浴室内にもサーバーがあり、お風呂に入りながらの「湯治茶」、入浴後には湯上り処で「仕上げ茶」もいただける。極めつけは、大浴場。「『華の湯』の露天には籠に茶葉を詰めたお茶玉が浮かべてあり、美肌効果も期待できるんですよ」(倉橋さん)なんと、飲むだけじゃなくお茶風呂にも入浴できてしまうのです。自分の体の水分のほとんどがお茶なのでは……?と思うほど。そんな貴重な体験もここならでは。とことんお茶に浸りましょう。

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    入浴後は湯上がり処のテラスで休憩。
    浜名湖のそよ風を感じながら、湯冷
    ましに「仕上げ茶」を一杯。

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    お風呂も夕食も満喫して、気分はホクホク。就寝前に湯上がり処で夜ならではの催しがあると聞いて立ち寄ることに。「さあ、夜の“お米ちゃけ”のふるまいですよ」「おこめちゃけって何だろう?」手渡された器に鼻を近づけると、焼酎のほのかな香りが。お酒とお茶を合わせたものを“おちゃけ”と称して、季節ごとにお茶で割ったお酒をふるまっているのだとか。今回は地元静岡の米焼酎「才助」に熟成茶を漬け込んだものをお湯割りでひと口。新茶の葉を熟成させ雑味を取ったまろやかさと焼酎のコクが合い飲みやすい。旅先での楽しみのひとつであるお酒が、お茶とのマリアージュで楽しめるとは、なんと贅沢。 1日の終わりをほろ酔い気分で締めくくりましょう。

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    ◆夜のおちゃけ

    時間/毎日20:45〜21:30

    料金/無料 ※季節により内容は異なります

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    「穀物とお茶の香りは愛称がいいんです」。香ばしくもやさしい香りに癒される。

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    お湯割りで就寝前の体がポカポカに。これでぐっす
    り眠れそう。

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    お米ちゃけの効果もあってかぐっすり眠れていい気分。天気がいいので散策がてら敷地内にあるつむぎ茶畑に立ち寄ると、これから「浜名湖ストレッチ」なるものがあるというので飛び入り参加。よくあるストレッチかと思いきや、広い茶畑をぐるりと見渡すように眺める動作や、大きな籠を抱えて茶摘みをするかのような独特の動きも。茶摘みの動作からヒントを得たそうで、最初は照れつつ、徐々にお休みモードだった体が温まってくるのが楽しい。まるで新芽のお茶っ葉のように背筋もピーンと伸びてくる。「朝ストレッチをして代謝を上げておくと、そのあとの入浴で疲れの取れ方が変わってきます」(井上さん)。目の前に広がる茶畑の空気を胸いっぱいに吸い込んで、1日のスタートです。

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    ◆浜名湖ストレッチ

    時間/毎日8:15〜8:45

    料金/無料

  • 今度は茶摘みスタイルで。膝をまげ、腰を落として……案外きついかも。

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    茶の木とツツジが交互に配されたつむぎ
    茶畑。朝日に照らされた茶葉が美しい。

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    地元浜名湖名物のあさりやあおさなど、ご当地の味をぎゅっとつめこんだ「浜名湖汁」
    と一緒に。

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    ストレッチで目覚めた後は、お風呂ですっきりしてから朝食へ。界ではその地域の食材や、郷土の調理法を取り入れた「ご当地朝食」をいただけます。目の前に運ばれてきたのは、茶葉の保管用に使用される茶箱を使った「茶箱朝食」。茶箱の中にはおかずが乗った器と、その下にはお茶っ葉が敷き詰められています。開けた瞬間、お茶の香りがふわっと漂う! 日本一の茶処の朝食は、味はもちろん、粋な演出で改めてお茶文化の贅沢さを感じさせてくれます。

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    身支度を整え、ホテル内のショップへ。ここには、界 遠州がセレクトした、お茶や茶器、お菓子、地元のアーティストによる作品がたくさん。スタッフの倉橋さんのおすすめはウェルカムドリンクでもいただいた地元浜松のお茶、天竜茶の詰め放題。「標高500メートルの山間地で育った“山のお茶”とも呼ばれる静岡の代表的なお茶です。茶箱から好きなだけ詰められるので、ぜひ、入るだけ詰めてみてください」(倉橋さん)。滞在初日にいただいてはっとした味わいを思い出す。浜名湖と茶畑をふきぬける風、お茶の葉が開くのを待つ贅沢な時間、そんな特別な旅の思い出を詰め込んで、お土産に。静岡の土地が育んだ豊かな恵みが、さわやかな香りとともに明日からの日常に楽しみを加えてくれそうだ。

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    レトロかわいい木製の茶箱から自分で詰めるのもワクワクです。

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    壮麗な浜名湖の眺望を望む客室で、和とモダンが調和した雰囲気を楽しめる温泉旅館。茶処静岡ならではのお茶をテーマとしたさまざまな催し「美茶楽」が行われ、お茶のおいしさを再発見できる体験が充実。舘山寺温泉の湯を楽しめる2種の大浴場や浜名湖名物のうなぎを使用した食事も外せません。周辺には、浜名湖を周遊する遊覧船や大草山の頂上へ渡るロープーウェイなど魅力的な観光スポットも充実しています。

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    住所/静岡県浜松市西区舘山寺町399-1

    アクセス/JR浜松駅から無料送迎バスで約45分(要予約)

    電話番号/0570-073-011(界 予約センター)

    公式HP/https://kai-ryokan.jp/enshu/

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    界とは?

  • about
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    全国展開の「温泉旅館」ブランド、
    今様の心地よさを追求した
    和のもてなし

    “王道なのに、あたらしい。”をコンセプトにした日本初の温泉旅館ブランド。地域に伝わる伝統文化をもてなしに織り込んだ「ご当地楽」など体験が充実。和の趣を大事にしながらも、現代に合う寛ぎを追求した快適な空間で、その時季、その場所ならではの魅力を体感できます。2020年3月には「界 長門」が山口県・長門湯本温泉に新規オープン予定。 “御茶屋屋敷”をテーマに、武家文化など歴史と文化に触れる旅が待っています。

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  • PROFILE

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    国内31都道府県を制覇するほどの旅好きで、茶道や書道などの日本文化にも興味あり。旅色アンバサダーの「映え旅」を担当する彼女が、今回の滞在をレポートしてくれています。お茶を飲んで、眺めて、香って、浸かって……お茶づくしの宿泊の様子をぜひこちらの記事でもお楽しみください。

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編集長
播磨雄介
編集
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アートディレクター
古尾谷奈央
デザイン・制作
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株式会社ブランジスタ
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