【金沢】本嫌いの私も毎日通いたくなった、全世代を惹きつける石川県立図書館
LIKESライターでありながら、実は本を読むのが嫌いなのですが、本がある空間は好きで出張先や旅行先でちょっと作業したい時、カフェより先に自習スペースがある図書館を探すことが多いんです。今回は金沢市内にある石川県立図書館がお仕事しやすいかチェックしてきました。
目次
本を開いたような美しい外観! 2022年オープンの石川県立図書館
金沢駅から路線バスを使って30分ほどの場所に2022年7月16日にオープンした石川県立図書館があります。本を開いたようなデザインの建物は、建築家の仙田満氏と環境デザイン研究所の協同設計です。地上4階・地下1階建てで、正面から見ると奥行きがわかりませんがサイドへまわると奥行きがあり、かなり大きな図書館なことがわかります。
円形劇場のような閲覧空間
どの図書館でもついつい天井を見上げてしまいます。開放感のある造りが特徴で、4階まで吹き抜けの大空間の中、円形劇場の舞台にひとり立たされたような気分になれます。目線を下げるとこちらに向かって夥しい数の本が並んでいて、全方位から本に見られているような感覚になります。また、どこからどこまでが2階なのか、どのルートで上に上ろうか悩んでしまうほど複雑な構造です。
本は一般の図書館と異なる並べ方で、気になるキーワードのある場所に行くと自分に合った本に出会えます。「仕事を考える」や「生き方に学ぶ」など、独自のテーマによって本を陳列しており表紙のデザインが見えるように置いてあります。ジャケ買い的に気になったものを手に取れるのは本が苦手な私にとっては嬉しいです。
気に入った本が見つかったらすぐに近くの椅子に座ってみましょう。ゆったりした椅子に腰掛けてこの空間でくつろぐだけでもここに来る価値があると思います。ですが、読んでいる本越しにまた気になるキーワードの本棚を見つけて本を探しに行ってしまい、ひとところに落ち着いついていられないかも。
勉強も仕事も捗る様々なワークスペース
館内にはぱっと見では分かりにくい所にもたくさんのお部屋と本棚が並んでいます。
他の図書館でもよく見るガラス扉で囲われたスペースは、集中して仕事や勉強をしたい人向け。簡単に座席の予約ができるのと、満席でも席の空く時間がわかるのがいいですね。私が図書館に行ったのは土曜日の15:30。このサイレントルームの26席のうち10席に空きがあり、土曜日にしては空いている気がします。それもそのはず、図書館のあらゆる場所にワークスペースがあるのです。
ほかにも、こんなお部屋もありました。
大人数の講義ができそうなセミナールームがいくつかあり、使われていない時は自習室として開放されているようです。ほかに誰もいなければ、少しくらいお話ししても迷惑がかからないので打ち合わせも可能かと思います。
ラーニングスペースという場所もスペースが広いです。ピクトを見る限り、飲み物・写真・パソコン・会話・電話がOKみたい。机にはWi-FiのIDとパスワードも置いてあるので、ここはもうコワーキングスペースと言っても過言ではありません。こんな図書館が近くにあれば毎日仕事しに来ると思います。
新しい本との出会いを生む場所
日本の多くの図書館が「日本十進分類法(NDC)」をもとにして本をテーマ別に分類して並べていて、その分類を頼りに図書館で本を探せるようになっています。そうすると自分の興味のある分野の本にしか出会えません。石川県立図書館の1階部分には「本との出会いの窓」というコーナーがあり、色んなジャンルの本がイメージ展示とともに紹介されているので本をあまり読まない人でも思わず手に取りたくなってしまうはず。
本以外を楽しめるスペース
食文化体験スペースにはオープンキッチンがあります。ぜひここで加賀野菜を使った料理教室など開催してほしいです……。
大学の講義室のような「だんだん広場」では講演会が行われるのかな? と思ったら、コンサートなどが行われているそう。
図書館内のあちこちにあるショーケースには金沢の工芸品が展示されているのでちょっとした美術館としても楽しめます。
2階のイベントスペースの展示は定期的に入れ替わるので来るたびに新鮮な気持ちになれそうです。この時は音楽がテーマで楽器の展示もありました。
一番驚いたのは、ものづくりができるスペース。なんと3Dプリンターやレーザーカッターがあります。ワークショップも開催されていて、小さい頃から自分のデザインしたものを形にできる楽しさを知れるなんて羨ましい……。
親子で楽しめる、こどもエリア
図書館で一番人が集まっていたのが、こどもエリア。何もかも小さいし色使いも可愛い! 屋内にアスレチックがあり、この日は雨だったのですが屋内で体を動かすことができる安全なスペースとしてお子さんがたくさんいました。晴れた日には庭に出て本を読むことができるようです。天気に関わらず家族みんなが思い思いに過ごすことができる図書館って魅力的ですね。
ランチや夕食にも使えるカフェ
土曜日で観光客も多い中、ホテル近くで夕食をとるのは難しいと思い、図書館内のカフェでご飯を食べることに。ハムアンドゴーという金沢に4店舗あるカフェです。店内には仕事をする人やスイーツを食べながら歓談する人でいっぱいだったので、少し肌寒いですがテラスに出ました。プリンやケーキも気になりましたが、カレードリアを。柔らかい鶏肉がたっぷり入ったスパイスやハーブの効いた本格的なドリアでした。食べ終わってから食器を片付けに店内に戻ると、閉館時間が近づき人もまばらに。靴を脱いで寝転べる畳スペースは小さなお子さんも座りやすくていいな……。図書館もカフェもあらゆる世代が快適に楽しめる市民の憩いの場として色々工夫されています。
おわりに
今回、金沢駅からバスで30分以内の場所に仕事のできる図書館を見つけることが出来ました。図書館なら専門的な本で調べ物をしたり、休憩がてら雑誌でトレンドや旅行先、グルメなどを調べることもできます。特に、石川県立図書館ではコンサートやものづくりのイベントもたくさん行っているようなので、事前に調べて参加するのも楽しそう。またワーケーションできる場所のストックが増えました!