崖と馬と風と美ら海。“超”離島、与那国島をハイレベルなグルメとともに巡る

沖縄県

2021.06.07

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崖と馬と風と美ら海。“超”離島、与那国島をハイレベルなグルメとともに巡る

目次

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与那国島ってこんなところ。石垣島と台湾、どっちが近い?

西果ての小さな島への行き方。プロペラ機がおもしろくておすすめ!

力強くて、めっちゃ青い! 吸い込まれてしまいそうな海との出会い

不思議なまでのど迫力、立神岩を取り巻く“超美ら海”へようこそ

ドライブにもぴったりの与那国島、風をきって走ろう

与那国のハイレベルグルメ①「てんだ花」のあざみそば

与那国ハイレベルグルメ②「モイストロールカフェ」のランチセット

陸から感じる夕焼けも思いっきりダイナミック

雲があっても大丈夫! 東崎で日の出を捉える

与那国島をご存知ですか? 日本の西の果てにあって、空の調子がいいと台湾の山並みが見えちゃうほどの果てっぷりです。上陸して驚いたのは、ここ、めちゃくちゃ独特な空気感でした。崖っぷちだらけの海岸線、吹き荒れる風、激しく波立つ“超”美(ちゅ)ら海。そこに馬や牛が自由にのんきに動き回ってるのほほん感。アスファルトの道だって、馬さん牛さんファーストですよ(笑)。そして、なーんか道が気分いい。走ってるだけで幸せいっぱい。海底遺跡やハンマーヘッドシャークの群れが見れることからダイビングも有名ですが、ノーダイビングでも行く価値しかありません! ぜひ時がきたら、いい風感じに行ってらっしゃい。

与那国島ってこんなところ。石垣島と台湾、どっちが近い?

与那国島は石垣島を中心とした八重山列島のひとつで、日本の最西端に位置します。ちなみに最東端は北海道の納沙布(のさっぷ)岬。そちらと比べると、日の出時間は夏至の頃で2時間25分も遅いんですよ。そして台湾にめちゃくちゃ近い。石垣島からは約127km西で、台湾からは約111km東って、台湾の方が近いのか〜。

与那国島

広さは28.95平方kmで石垣島の8分の1くらい、人口はおよそ1700人で28 分の1ほど。小さいなぁ。そしてご覧の通り崖っぷちに囲まれていて、猛々しくかっこいい! どこまでも遠浅の穏やか〜なサンゴの海に囲まれた八重山の他の島々とは雰囲気がひと味違います。

ヨナグニウマ

それからおもしろいのが、馬や牛が自由にそこらへんを歩きまわっていること。野っぱらのほか、崖や海辺も道だって。駐車場に馬が風に吹かれてじっと停まっていたのには笑っちゃいました。そんな楽園が日本にあるとは〜!

ちなみにこの馬はヨナグニウマという在来種で、現在いるのは130頭ほど。離島なので外の馬との交流がなく、純度がかなり高いんですって。小さめで穏やか、いつまでも見ていられちゃうかわいさですよ。とはいえ、過度に近寄ったり刺激したりするとキックされて病院行き……なんてこともなきにしもあらずなので、お気をつけください。


旅のあれこれをお伝えする前に、まずは島の東端、東崎(あがりざき)で撮影した崖と馬と風と美ら海をたっぷり堪能できる動画をどうぞ。記事の最後には、一般的なカメラでも撮影できる絶景ポイントをお教えしますよ。

西果ての小さな島への行き方。プロペラ機がおもしろくておすすめ!

プロペラ機
プロペラ機

与那国島に行くには飛行機か船でどうぞ。飛行機なら、那覇空港か新石垣空港から飛んでいます。石垣からなら30分ほどの短いフライトで、プロペラ機が使われることも多いです。プロペラ機はぶるんぶるん両手をぶん回してがんばってくれいてるようで、個人的には愛おしく感じられて大好きです。

2枚目はプロペラ越しの与那国島です。離島のフライトって、こうして島を近距離に見下ろせるのが楽しすぎちゃって。移動の飛行機すら、待ちに待ったアトラクション気分ですよ。

船なら石垣島からどうぞ。フェリーが週2回往復しています。4時間半の超美的な海での船旅は最高だろうなぁ! ただ、海が荒れて出港できないこともよくあるようだし、船酔い必至と言われる航路なので、まぁ、時間と体調と合わせて決めてくださいね。

力強くて、めっちゃ青い! 吸い込まれてしまいそうな海との出会い

さて、与那国島の最高に気持ちいいシーンをご紹介いたします。

与那国島の海

まずは海。どうです、美しいでしょう〜。ここは島の東端、アリシとよばれるエリアで、グラデーションにクラクラきちゃう。そしてこのザッパン力強い白波よ。八重山ではなかなかお目にかからない激しさだなあ。ちなみに波立っているのは海岸線から100m ほどで、サーファーが気持ちよく乗っていましたよ。

与那国島のアリシ

アリシにビーチはなく、ゴツゴツした岩の隙間から海に入りますが、こんなちょっとしたスペースに打ち寄せてくる波もめっちゃ強い! 足を持っていかれないようにしっかり立って、波に送信機がかぶらないように腕を高く掲げてドローンを飛ばしました。

不思議なまでのど迫力、立神岩を取り巻く“超美ら海”へようこそ

続いては、かっこいい立神岩(たちがみいわ)をどうぞ。

立神岩
立神岩

あの、海にニュンっと生えている岩が立神岩。高さは20、25、30m……と諸説ありますが、とにかく細長くそそり立つかっこいい岩です。激しい台風が訪れるこの島で、よくあの背高のっぽのバランス感でポキッと折れずに立っていられるなぁと感心しきりですよ。やっぱり神さまなのかな?

2枚目は真上から見た姿。細長くてちょっと不思議な感じがするでしょ。そして青くて青くて、透き通っていて! 息を呑む美ら海です。こんな誰も近寄れない断崖絶壁の下は、人の手の及ばない裸の海ということになりましょうか。

ドライブにもぴったりの与那国島、風をきって走ろう

与那国島は車やバイクで走るのも、とっても気分がいいんです。

与那国島ドライブ

珊瑚が隆起してできている島だからか、全体的に標高は高めの設定です。そんな島をぐるっと取り囲む道を走ると、あー気持ちいい、海が見える、山が見える、いかにも南国風な木々の森があって、広い広い野っぱらがある〜! 走ってるだけでハッピーです。この写真一帯の感じ、なんだか小さなハワイ島っぽくないですか? まあ、わたしは行ったことがなく、想像ですが(笑)。

与那国島灯台

こちらも最高でしょう、一面の空と緑に挟まれてひた走る田舎道、物語のワンシーンみたいでしょ。しかものんびりのんきにトコトコ歩く、馬や牛のファミリーと時々すれ違ったりもするんだから、メルヘンが極まってます。これがまた、小さな島の出来事だからさらにいいんです。島一周もすぐにできちゃうので、すっかりお気楽モード、がんばり知らずですよ。あーあ、心のゆるむ島だこと。

与那国のハイレベルグルメ①「てんだ花」のあざみそば

果ての島にも、めっちゃおいしい推しごはんがありますよ。

あざみそば

こちらは「あざみそば」。与那国島に自生するイリオモテアザミの葉や茎、根っこの粉末が練り込まれた麺って、いかにもヘルシーそうでしょう。麺が緑色だったり、パクチーがもりもり添えられていたり、全体的にキャッチーでひかれます。

いただくと、うーんおいしい! しっかりした噛みごたえ、奥から現れるもちもち感、なんとなくハーブな雰囲気のある味がクセになります。スープは豚骨ベースで深みがあって、ゴクゴク飲み干したくなります。こんなに納得感のあるそばは、毎日食べても飽きないかも。

てんだ花

お店の雰囲気もいいんですよ。「宇宙放送社」という不思議な看板が外にあるのが盛大に気になりますが、5年前までここでやっていた電気屋さんの名残だそうです。右の窓の形、丸みがあって変わっているでしょう。テレビの形なんですって。店内も明るいレトロなパーラー風で、ゆるっと寛げます。

■てんだ花
住所:沖縄県八重山郡与那国町字与那国76
電話:0980-87-9770
営業時間:11:00~15:00
定休日:水、土曜日

与那国ハイレベルグルメ②「モイストロールカフェ」のランチセット

ここ、すばらしいカフェなんです。雰囲気も味もハイレベル! 果ての離島にこんなおしゃれな空間があるというだけですでに最強。正直、食事が多少アレでもぜんぜん許せちゃうんじゃないかと思うほどなのに、食事も最強レベルにおいしいから脱帽です。

モイストロールカフェ

店内はいくつかの世界観の部屋に分かれていて、入店するだけで楽しい気分になっちゃいます。ザ・沖縄っぽさを携えた洗練空間、とがったアンティークの香りがぷんぷんする本だらけのソファ空間、おとぎ話の1ページのようなタイルと植物と光に満ちたキュートな空間。全部違うってすごい、作った方の才能を思うとため息出ちゃいます。

モイストロールカフェ

そんなカフェでいただけるのは、ロールケーキセットとランチセットです。この日のランチセットは日替わりのパスタとロールケーキとドリンクで1600円。この日はカジキのカルパッチョがどっさりのったパスタで、複雑で深い味わいのソースとの絡みがすごい! ひと口ひと口に感激しすぎてなかなか食事が終わりません(笑)。

モイストロールカフェ

そうして辿り着いたデザートにもひと口ひと口丁寧に驚かされます。一見すると普通のロールケーキだけど、ちょっとフォークをいれるとわかる、口に入れるとめっちゃわかる、スポンジがすごく独特なんです。しゅわっふわっしっと〜り。水分率が高いんでしょうねぇ、馴染みのなさに目が丸くなりますが、食感がすっごく気持ちいいんです。はぁ、最高。ドリンクは黒糖チャイを選びましたが、こちらも凝っているお味です。すみずみからこだわりが放出していて、お店の方の思いと腕に感心しきるのでした。


■モイストロールカフェ
住所:沖縄県八重山郡与那国町4022-119
電話:0980-87-3130
営業時間:10:00~17:00
営業時間:不定休

陸から感じる夕焼けも思いっきりダイナミック

夕陽は東崎(あがりざき)の風車のあたりで拝みましたよ。

与那国島風車

太陽が地平線ならぬ島の淵に沈んでいきます。まるで、異次元に吸い込まれていくようなシーンになりました。これはドローンを地面に置いて撮っているので、普通のカメラやスマホでも同じようにできますよ。

与那国島夕日

雲を染め、世界をオレンジに染めつつぐんぐん海に近づく太陽。こんな壮大な風景にたたずむと、その都度心の器がほんのすこーし、0.001mmでも広がるような気がしているんです。

雲があっても大丈夫! 東崎で日の出を捉える

日の出に会いたくて、朝は東崎の灯台へ。灯台のすぐ麓までは、草っばらの中を進むことになりますが、馬のファミリーを避けつつ、数センチごとに転がるウンチをいかに踏まないかのゲームを楽しみながらになりますよ。まぁ。ウンチが乾いてればそんなに気にしないことにはしていますが(笑)。

与那国島朝日

この日は太陽の位置に大きめの雲があって、ちょっと諦め気味だったのですが、日の出時刻から1時間、雲の上から昇ってきてくれました。待っててよかった〜。

与那国島朝日

こちらもドローンを地面に置いて撮影しているので、飛ばないカメラでも同じ構図は作れます。岩に登ってえいやっと片足立ちでがんばりますよ(笑)。

草と自分と雲が同じサイズ感。みんなそれぞれ主役なんだな、世界って寛大だな、優しいな、そんな風に思えてくるから好きな絵です。そんな世界観に没頭していると、不思議と許せてくるんです。日常の小さなことも、自分のことも。心にしなやかさがマシマシになる瞬間です。



いかがでしたでしょうか。与那国島はダイビングのイメージが強いかもしれませんが、それ抜きでもロマンチックで壮大な島でしょう。いいタイミングでぜひとも訪れていただきたいです。

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#旅 #とまこ #ドローン #絶景 #与那国島 #沖縄

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ドローン旅作家 とまこ

ドローン旅作家

とまこ

元秘境ツアー添乗員で現在は“おしゃれパッカー”、“美肌ダイエットマスター”として本の執筆や講演、TV出演など多方面で活躍する旅作家。「離婚して、インド」(幻冬舎文庫)など既刊12冊。2017年から旅先でのドローン撮影を始め、今では「飛ばさないと落ち着かない!」というほどのドローン好き。旅先での美景、絶景の撮影はもちろん動画の編集も手掛ける。

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