【強羅温泉】46の源泉が湧く箱根の高原温泉地|観光完全ガイド

時計アイコン2026.04.02

【強羅温泉】46の源泉が湧く箱根の高原温泉地|観光完全ガイド

箱根の中心に位置する強羅は、標高約600mの温泉地です。大正8年(1919年)に箱根登山鉄道が強羅まで開通すると、付近一帯が温泉付きで分譲され、政財界人や文人たちが競って大きな別荘を建て、現在の強羅の町並みが生まれました。当時の洋館や佇まいが今も坂道に点在し、湯と芸術と歴史が混ざり合う、箱根でも個性が際立つ温泉地となっています。

強羅温泉の泉質

大涌谷

大涌谷(Photo by PIXTA)

同じ地に異なる湯が共存する、箱根随一の多泉質

昭和27年(1952年)に初めて温泉掘削に成功し、現在の源泉数は46カ所にのぼります。大涌谷から引き湯した乳白色の酸性硫酸塩泉と早雲山から引き湯した単純硫黄泉を中心に、単純温泉、塩化物泉、炭酸水素塩泉など、多種多様な泉質を同一地域内で楽しめます。

泉質は大きく分けると3種類ですが、5つの細かいタイプがあり、色合いの違いから5色のパステルカラー温泉とも呼ばれています。宿によって引く湯が異なるため、どこに泊まるかによってまったく異なる湯を体験できるのが、強羅ならではの楽しみです。大涌谷を源泉とする白濁のにごり湯は硫黄の香りが立ち、古くから肌に優しく多くの人に親しまれてきました。一方、早雲山系の透明な単純泉は刺激が少なく、やわらかな肌触りが特徴です。

強羅温泉の歴史

強羅公園のローズガーデン

強羅公園のローズガーデン(Photo by PIXTA)

高級別荘地から受け継がれた、大正ロマンの町並み

強羅は、明治27年(1894年)に早雲山からの引き湯で温泉開発が始まるまで、家ひとつない大草原でした。明治45年(1912年)以降に本格的な開発が始まり、大正3年(1914年)には日本初のフランス式整型庭園である強羅公園が開園しました。

登山鉄道の開通後は温泉付き別荘地として分譲が進み、近代日本を担った財界人や文人たちがこの地に集いました。現在でも当時の雰囲気を残す遺構が数多く保存されており、モダンで豊かな趣が感じられる町並みが楽しめます。

地名「強羅(ごうら)」の由来については諸説あります。早雲山の山裾に広がる強羅は岩石の堆積でできた傾斜地であり、石がごろごろしているからという説や、梵語(サンスクリット)で「石の地獄」という意味から取ったともいわれています。

強羅温泉の楽しみ方

箱根山の大文字

箱根山の大文字(Photo by PIXTA)

強羅公園

箱根登山鉄道の強羅駅からゆっくり歩いて10分ほどのところにある箱根強羅公園は、噴水池を中心に左右対称の地割り構成が特徴的な、日本初のフランス式整型庭園です。園内には、強羅開発のときに三井物産の創業者・益田孝が創設した由緒ある「白雲洞茶苑」(国登録有形文化財)をはじめ、ローズガーデン、ブーゲンビレア館、陶芸や吹きガラスなどが体験できる「クラフトハウス」など、魅力あるスポットが揃っています。桜や紅葉の名所としても知られ、季節ごとに異なる表情を見せてくれます。

箱根美術館

箱根強羅公園に隣接して、苔とモミジで彩られた「苔庭」や巨岩の岩組みが見どころの「石楽園」などの庭園美と、縄文時代から江戸時代までの焼き物が鑑賞できる箱根美術館があります。国の名勝にも指定された日本庭園は、秋の紅葉シーズンには苔の緑と色づいたモミジのコントラストが美しく、温泉地の滞在に深みを加えてくれる存在です。

彫刻の森美術館

1969年に開館した国内初の屋外美術館で、約7万平米の広大な敷地に近・現代の彫刻家の作品を約120点展示しています。広い館内にはレストランやカフェ、天然温泉の足湯まであり、ご家族で1日中楽しめます。強羅駅から箱根登山鉄道で1駅、または歩いて10分ほどでアクセスできます。

大文字焼

毎年8月16日に開催される強羅大文字焼は、大正10年から続く伝統行事です。外輪山の明星ヶ岳斜面に「大」の字が火で描かれ、旧盆の送り火と避暑客へのもてなしを兼ねて、地元有志の手によって今も受け継がれています。温泉宿の露天風呂から湯に浸かりながらこの光景を眺めるのは、強羅ならではの夏の一夜です。

強羅温泉のおすすめ宿12選

強羅温泉には、引く湯によって泉質や色が異なる個性豊かな宿が坂道に連なります。ここでは、旅色が厳選した、それぞれ異なる魅力を持つ12軒をご紹介します。

箱根・強羅 佳ら久

相模湾と連山を望む、ミシュランの湯宿

箱根連山と相模湾を見晴らす高台に佇む、全室温泉露天風呂付きの宿です。2024年にミシュランキーひとつを獲得しました。展望露天風呂「蒼海」「明星」、3つの貸切風呂も完備しています。ダイニング「六つ喜」の現代的日本料理と、グリルレストラン「十邑」の鉄板焼きコースも名高いです。

玄 箱根強羅

苔と岩に包まれた、掛け流しの“おこもり”空間

全18室すべてに源泉掛け流しの露天風呂が付いた“おこもりステイ”の宿です。苔岩壁が幻想的な大浴場にはサウナ・水風呂も備わっています。夕食・朝食ともに部屋食で提供される自然派創作懐石料理は"温故知新"をテーマに献立が組まれています。

箱根強羅 白檀

到着の瞬間から香りに包まれる、16室の別世界

全16室すべてに源泉掛け流しの露天風呂を備えた宿です。館内に漂う白檀の香りが到着の瞬間から非日常を演出し、各客室にも電子香炉が置かれています。夕食は地元食材を用いた懐石料理、朝食は土鍋炊きご飯が自慢です。インルームスパ「SPA香檀」でのトリートメントも受けられます。

MONSGORA

約350平米、贅を尽くした1棟貸しの特別な時間

2023年6月に開業した2棟構成の1棟貸し施設です。テラス付き約350平米のラグジュアリーな空間に、源泉掛け流しの檜の半露天風呂、バーカウンター、真空管アンプのスピーカーなどこだわりの設備が揃っています。SOLIS棟ではガラス張りのフィンランド式サウナも体験できます。

箱根強羅温泉 瑞の香り

大涌谷の白濁湯と温泉泥、7室だけの個性派湯宿

大涌谷から引く白濁のにごり湯が自慢の全7室の湯宿です。温泉の有効成分を含む温泉泥を用いた「ファンゴセラピー」を体験できる、強羅でも個性的な宿です。旬の食材を使った和会席料理と、源泉掛け流しの内湯・露天風呂でゆったりと過ごしてみてはいかがでしょうか。

gran terrace Le Lien 箱根

高台の小さなオーベルジュで、白濁の湯を独り占め

早雲山の高台に位置する全8室の小さなオーベルジュです。大涌谷から引く源泉掛け流しの貸切風呂を24時間利用でき、白濁のにごり湯をプライベートに楽しめます。料理はシェフお任せコースのみで、食材の量を柔軟に調整するホスピタリティが評判です。

四季を愉しむ貸切温泉 ゆとりろ庵

2種の源泉と4つの貸切露天、奥強羅の湯めぐり宿

奥強羅の高台に佇む温泉宿です。2種の源泉掛け流しを比べられる大浴場と、趣の異なる4つの貸切露天風呂を完備しています。夕食は日本料理の伝統と新調理法を融合させた創作会席で、箱根野菜のバーニャカウダも名物です。

強羅月の泉

9つの露天風呂付き客室で、自分だけのペースで湯浴みを

全9室すべてに露天風呂を備えた大人向けの宿です。ゆったりとした湯船で、好きな時間に自由に湯浴みができます。夕食・朝食ともに個室の食事処で提供される創作懐石料理は、近海の魚介や旬の食材を活かした内容です。

強羅 風の音

にごり湯とイタリアンが交差する、ガラス張りの食卓

ダークブラウンを基調としたシックな和モダンの宿です。大涌谷から引く源泉掛け流しのにごり湯と本格イタリアン料理の組み合わせが特徴です。壁一面のガラス張りのダイニングで四季の景色を眺めながら味わうフルコースが好評です。

メルヴェール箱根強羅

強羅公園のとなりで、オールインクルーシブの温泉リゾート

箱根強羅公園に隣接する温泉リゾートホテルです。大涌谷・早雲山の混合泉を源泉掛け流しで楽しめる大浴場にはジャグジー・サウナも完備しています。ドリンクや各種サービス込みのオールインクルーシブプランが好評です。

箱根強羅グアムドッグ 本店

愛犬と一緒に大涌谷の湯へ、犬連れ旅の究極の選択肢

「ペット宿グランプリ2020」で2年連続グランプリに輝いた愛犬家向けの温泉宿です。延べ300坪のドッグランやフォトスタジオ、ワンちゃん専用の大涌谷源泉掛け流し露天風呂まで揃う、犬連れ旅の選択肢として、唯一無二の存在です。

紬-TSUMUGI-

リニューアルの和のオーベルジュで、100%白濁湯を堪能

2024年4月にリニューアルオープンした、京都出身オーナーが営む全8室の和のオーベルジュです。大涌谷源泉を直接引いた100%掛け流しの白濁にごり湯が自慢です。箱根山麓豚と地元産ネギを使った「葱豚しゃぶしゃぶ」は宿の看板料理です。

強羅温泉へのアクセス

強羅駅

強羅駅(Photo by PIXTA)

電車でのアクセス

箱根登山電車「強羅駅」が最寄り駅です。新宿からは小田急ロマンスカーが箱根湯本駅まで直通で運行しており、そこから箱根登山電車に乗り換えて強羅駅まで約40分、新宿からの所要時間はおよそ1時間45分です。小田原駅からは箱根登山電車のみで約55分でアクセスできます。強羅駅はケーブルカー(箱根登山ケーブルカー)の始発駅でもあり、早雲山駅方面の各宿へはケーブルカーを利用すると便利です。

車でのアクセス

東名高速道路「厚木IC」または「大井松田IC」から小田原厚木道路・箱根新道を経由し、強羅まで約60〜70分です。温泉街は急峻な坂道が多いため、宿や観光施設の駐車場は事前に確認しておくと安心です。

湯に浸かり、庭を歩き、美術に触れる

強羅温泉を他の温泉地から際立たせているのは、温泉と芸術と庭園が歩いて回れる範囲に凝縮している点です。箱根美術館の苔庭、強羅公園のフランス式整型庭園、彫刻の森美術館の屋外展示——どれも温泉街から気軽に足を伸ばせる距離にあります。大正時代に別荘地として栄えたこの地は今も、上質な時間の過ごし方を静かに示し続けています。

旅色編集部 しばた

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記事企画・監修:旅色編集部 しばた

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