温暖な気候とおだやかな海の恩恵を受けて、たくさんの特産品のある湯浅町。金山寺みそや醤油といった、脈々と受け継がれた伝統製法の調味料も残りつつ、生産者の熱い想いのもと生まれた新グルメも。湯浅生まれの“うまいもん”を新旧まとめて紹介します。
文/西 倫世
温暖な気候とおだやかな海の恩恵を受けて、たくさんの特産品のある湯浅町。金山寺みそや醤油といった、脈々と受け継がれた伝統製法の調味料も残りつつ、生産者の熱い想いのもと生まれた新グルメも。湯浅生まれの“うまいもん”を新旧まとめて紹介します。
文/西 倫世
醤油醸造発祥の町として有名な湯浅町。その醤油の起源は、金山寺みその製造工程から生まれたと言われています。「あみ清数見商店」は元禄時代から金山寺みそを作り続けている老舗として有名ですが、実は醤油づくりも手がけています。「もろみを搾った、酵母が生きた生揚げ醤油を釜焚きにて火入れをし、風味豊かで味よく仕上げています」と店主の数見寿郎さん。「濃い口醤油に甘みを足し、刺身に合うように調整した、さしみかけ醤油は冷奴、卵かけご飯、おひたしにもおすすめです」。
[DATA]
あみ清数見商店
住所/有田郡湯浅町湯浅519
電話/0737-62-2318
営業時間/9:00~18:00
定休日/不定休
和歌山のブランド牛として有名な熊野牛のほか、2019年から希少な紀州和華牛を取り扱っているのが「ミートファクトリー」。紀州和華牛は、水が清く、緑豊かな和歌山県内で育てられた、和歌山育ちの黒毛和牛です。こだわりの育成方法をたずねると「県特産品であるみかんジュースや湯浅醤油の搾りかすから生まれた飼料で、育てています」とのこと。「黒毛和牛らしい深い味わいに加え、ビタミンEが豊富で赤み鮮やかな牛肉は、見て美しく、食べておいしい、そして身体に嬉しい逸品です」。
[DATA]
ミートファクトリー
住所/和歌山市和佐関戸25-2(本社)
電話/0120-69-1129
営業時間/9:00~17:00
定休日/水曜日・日曜日・祝日
和歌山県はみかんなど柑橘類の産地として有名ですが、湯浅町内の有田地区で生産している「山田みかん」は濃厚な甘味が自慢です。品質管理を徹底するため、生産から選別・出荷まですべて手作業で行われているそうです。「山田みかんは、極限まで余分な水分を与えないことで、果実の味がより濃厚になりおいしいみかんになります。より安全でおいしいみかんを召し上がっていただけるよう土作りにこだわり、丁寧に採集。ひとつずつ手選別で荷造りし、組合員が徹底した品質管理を行っております」。
[DATA]
山田出荷組合
住所/有田郡湯浅町山田1289
電話/0737-63-3883
湯浅町は和歌山でも有数のしらすの産地。ここ「まるとも海産」では、熱伝導がいい厚釜で湯を沸かし、そこにしらすと赤穂の塩を入れて茹でる、厚釜踊り炊き製法が特徴です。代表の樫原信吾さんは「湯浅のしらすは、紀伊山脈から流れ出す川からの植物性のプランクトンと湯浅湾の綺麗な海で育った海洋のプランクトンを食べているため、栄養が豊富でおいしいんです」と教えてくれました。「明治32年創業以来、しらす一筋。これからも新しいものを取り入れつつ、昔ながらの技術を守っていきたいです」。
[DATA]
まるとも海産
住所/有田郡湯浅町田325
電話/0737-63-4555
営業時間/9:00~17:00
定休日/日曜日、水曜不定休
山間の自然豊かな場所で6000羽の紀州鴨を飼育している「太田養鶏場」。一年を通して浜風が吹き抜ける風通しがいい畜舎で、1坪10羽以下というストレスのない環境で鴨を飼育しています。「山から流れてくる谷水を飲み、独自配合のペレット飼料を食べ、紀州材100%のおが粉の敷料の上で育てています」とこだわりを話す代表の太田有紀さん。大切に育てられた紀州鴨は真っ白い脂と鮮やかな赤みの肉のコントラストが美しく、濃厚な脂のコクがあり、最高級の紀州鴨と言われています。
[DATA]
太田養鶏場
住所/有田郡湯浅町田1360
電話/0737-62-2895
営業時間/9:00~17:00
定休日/不定休