【愛知】猫の日は瀬戸で“福猫”GO! せとものの歴史と文化に触れる街歩き
2月22日の猫の日は、招き猫の一大生産地のひとつ・愛知県瀬戸市を訪れてみませんか?「福猫」と呼ばれる陶製の招き猫があちこちに。福猫探しを楽しみつつ、「せともの」の歴史と文化に触れる街歩きがおすすめです。新エリア「魔女の谷」が3月にオープン予定のジブリパークからも車で15分ほどなので寄り道にもぴったり。歴史やものづくりに触れる旅が大好きな、旅色LIKESライター・長月あきが紹介します。
目次
瀬戸市はこんなところです
名古屋市の北東に位置し、古くから陶磁器「せともの」の産地として有名な愛知県瀬戸市。同じ愛知県内の常滑市に次ぐ「招き猫」の生産地でもあります。近年は、将棋の藤井聡太八冠の地元としても知られていますね。今回ご紹介するエリアは、車でも電車でも訪れやすい場所で、名鉄瀬戸線の尾張瀬戸駅を起点に街歩きを楽しむことができます。車なら中心市街地に複数ある市営駐車場が安価で利用できて便利です(例:パルティせと駐車場の場合60分まで無料。以降60分までごとに100円)。
瀬戸市中心市街地に隠れる福猫とは?
瀬戸市の中心市街地や観光スポットには、数年前に市のイベントで登場したキュートな招き猫、「福猫」が隠れています。福猫たちをデザインしたのは、ピカチュウをはじめとする人気ポケモンのデザインを担当した、にしだあつこさん。元々は全部で29体の福猫がいましたが、2024年2月現在、破損等により2体がいなくなってしまっているそう。かわいい福猫探しをしながら、せとものの歴史を辿る街歩きを楽しんでみましょう。
瀬戸ならではの光景・窯垣の小径(かまがきのこみち)
不要になった窯道具を積み上げて作られた塀や石垣を「窯垣」と呼びます。瀬戸ならではの窯垣が見られる路地が「窯垣の小径」です。風情ある路地が400メートルほど続いています。路地の途中には、明治時代の窯元の住宅を改修した「窯垣の小径資料館」があり、館内には窯道具などが展示されています。日本のタイルの原型といわれる「本業タイル」という陶板が張り詰められている浴室やトイレもありました。
窯垣の小径に隣接する無料駐車場や、小径資料館の前に福猫がいました。
◆窯垣の小径(かまがきのこみち)
住所:愛知県瀬戸市仲洞町39
電話番号:(資料館)0561-85-2730
営業時間:(資料館)11:00~15:00
定休日:(資料館)月曜日、火曜日、水曜日、年末年始
料金:(資料館)無料
駐車場:無料
窯垣の小径の入り口には、寶泉寺(宝泉寺/ほうせんじ)というお寺があります。本堂の天井絵は、陶器の絵付け職人によって描かれたものだそう。お寺の入り口にも福猫がいます。
◆寶泉寺(宝泉寺)
住所:瀬戸市寺本町30
電話番号:0561-82-2316
駐車場:あり
瀬戸焼1000年の歴史を学ぶ「瀬戸蔵ミュージアム」
瀬戸市の中心市街地にある複合観光施設「瀬戸蔵」へ。1階には瀬戸焼が購入できるショップや観光協会などが入っています。
2階と3階のフロアには、せとものの博物館「瀬戸蔵ミュージアム」があります。2階は、せとものの生産で活気のあった昭和30~40年代の瀬戸の町をイメージした、映画のセットのような展示です。やきもの工場や石炭窯、煙突などが再現され、瀬戸焼の歴史と文化をわかりやすく学ぶことができます。3階は、瀬戸焼の1000年以上の歴史を解説した展示室になっています。
◆瀬戸蔵ミュージアム
住所:瀬戸市蔵所町1番地の1
電話番号:0561-97-1190
開館時間:9:00~17:00(ただし、入館は16:30まで)
休館日:1月1日~1月4日、12月28日~12月31日/月1回程度臨時休館あり(要事前確認)
入館料:一般/520円 高校・大学生・65歳以上/310円
駐車場:あり(有料)
本格的な磁器の絵付け体験ができる。やきもの体験スタジオ「STUDIO 894」
2023年9月にオープンした、磁器の絵付け体験と、陶器の塗り絵体験ができるSTUDIO 894。磁器の絵付けは、磁器の素地に専用の絵の具で下絵付けをし、その後釉薬をかけ、焼成してくれる本格的なものです。コーヒースタンドにもなっていて、散策途中にコーヒーとお菓子を楽しむことができます。
駐車場には、巨大な猫のオブジェ「涅槃(ねはん)大招き猫」と、「福猫バス」というレトロなバスが展示されています。
当日でも空きがあれば受付けてくれますが、私が訪れた時は観光バスで訪れた団体客で満席。予約サイトからの事前予約をおすすめします。なお、STUDIO 894のすぐ横には、数千点の招き猫コレクションを展示する「招き猫ミュージアム」があります。絵付け体験をするミュージアムの入場料が無料になるそうですよ。
◆STUDIO 894
住所:瀬戸市薬師町1番地
電話番号:0561-84-0894
営業時間:10:00~17:00
定休日:火曜日(祝日の場合は営業)/年末年始(12/29〜1/4)
陶祖・加藤景正を祀る深川神社・陶彦(すえひこ)社
瀬戸の中心街にあり、産土神(うぶすながみ)として信仰されている深川神社。参道入り口の一の鳥居に貼り付けられたタイルが瀬戸らしくて、目を引きます。
深川神社に隣接して、瀬戸のやきものの祖、加藤四郎左衛門景正(通称:藤四郎)が祀られている陶彦(すえひこ)社があります。藤四郎は約800年前、中国でやきものの技法を学んで帰国し、瀬戸焼の開祖とされる人物で、陶器の始祖、「陶祖」と呼ばれています。陶器焼成に成功した藤四郎が奉献した狛犬にちなんだという「お願い狛犬」という授与品が目に入りました。願い事を書いて狛犬に入れ、1対の狛犬の1つを陶彦社に奉納し、もう1つを手元に置いておくと、願い事をかなえてくれるのだとか。
鳥居の近くと境内の看板に福猫がいました。
◆深川神社
住所:瀬戸市深川町11
電話番号:0561-82-2764
営業時間:宝物殿9:00~16:00
料金:宝物殿参拝料200円
駐車場:あり(有料)
深川神社のすぐ近くにある法雲寺には、陶製の梵鐘があります。第二次世界大戦中に強制された金属供出により、梵鐘がなくなったため、その代用品として作られたものだそう。鳴らしたらどんな音がするんでしょうね。
◆法雲寺
住所:瀬戸市深川町30
磁祖・加藤民吉を祀る窯神神社(かまがみじんじゃ)
やきものの産地は日本各地にありますが、瀬戸は陶器と磁器の両方を生産し続けている珍しい産地です。陶祖が祀られている深川神社(陶彦社)に対し、窯神神社は磁祖と呼ばれる加藤民吉が祀られる神社です。加藤民吉は、約200年前に九州へ修行に行き、磁器の製法を瀬戸に伝えた人物です。
◆窯神神社
住所:瀬戸市窯神町112
旅の終わりにおしゃれなメイドイン瀬戸のおみやげはいかが?
昔ながらの商店街「せと末広町商店街」に、昨年オープンしたおみやげ屋「ヒトツチ」。おしゃれなせとものをはじめ、間伐材を使った木工品、瀬戸の企業が作る陶器に入った盆栽の栽培キットなど、瀬戸のおみやげにぴったりの商品がずらり。見ているだけでもわくわくします。
◆ヒトツチ
住所:瀬戸市末広町2-22
営業時間:10:00〜17:00(平日は16:00CLOSE)
定休日:火〜木曜
せと末広街商店街の中にも、福猫が隠れていますよ。
福猫はまだまだ隠れています!
ご紹介した場所のほかにも、深川神社近くの銀座通り商店街や中央通り商店街など、他にもあちこちに福猫が隠れています。陶磁器のお店も多く、商店街散策も楽しい! 瀬戸市でせとものの歴史と文化に触れつつ、かわいい福猫も見つけてみてくださいね。