
2026.10.07
【温泉ソムリエ監修】島根・温泉津温泉完全ガイド|世界遺産の港町に湧く古湯
島根県大田市、日本海に面した港町に湧く「温泉津温泉(ゆのつおんせん)」。石見銀山で産出された銀の積出港として栄え、「石見銀山遺跡とその文化的景観」の構成資産として世界遺産に登録されています。また、温泉町として全国で唯一、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されているのも特徴です。 この記事では、温泉津温泉の泉質や湯の特徴、約1300年と伝わる歴史をはじめ、石見銀山との関わりや石見神楽・焼き物などの文化、温泉街へのアクセスまで紹介します。歴史ある湯と港町の風情が息づく温泉津の魅力を見ていきましょう。
本記事の監修者
温泉ソムリエとは
温泉ソムリエとは、温泉の基礎知識、温泉分析書の読み方といった「温泉の正しい知識」と、入浴法の基礎知識などの「正しい入浴法」を身につけていると温泉ソムリエ協会が認定した民間資格所持者。温泉の専門家。
湯治場の面影を残す名湯

温泉津の町並み(Photo by PIXTA)
木造建築が並ぶレトロな湯治場
温泉津温泉は、古くから湯治場として愛されてきました。源泉は高温で、力強い湯ざわりが特徴。体の芯から温まり、湯上がりの余韻も格別です。明治期の震災を機に新たな源泉が湧いたという逸話もあり、今も豊かな湯が守られています。
温泉街には昔ながらの湯治風景が残り、古い木造建築やレトロな建物が並びます。手ぬぐいを手に街を歩くスタイルも、温泉津らしい魅力のひとつ。熱めの湯に少しずつ体を慣らし、朝晩で表情を変える湯を楽しむのがおすすめです。
港町の伝統芸能と手仕事

銀の積出港が育んだ文化
かつて銀の積み出し港として栄えた温泉津は、国内外の往来でにぎわいました。その繁栄の中で、独自の文化や手仕事が育まれています。
島根県西部に伝わる伝統芸能「石見神楽」もそのひとつ。豪華な衣装と迫力ある舞、軽快なリズムのお囃子は、旅の夜を華やかに彩ります。また、焼き物の産地としても名高く、今も伝統の窯元が息づいています。湯に浸かりながら、かつての賑わいに思いを馳せるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
温泉ソムリエマスター泉よしか
「石見神楽」は基本的に毎週土曜日(要予約)の公演なので、観賞希望の方はスケジュールを確認して旅の計画を立ててくださいね。
温泉津温泉の泉質
ナトリウム-塩化物泉
温泉津温泉では、塩化物泉を中心とした温泉が湧いています。源泉によって泉質は異なり、共同浴場の「元湯 泉薬湯」はナトリウム-塩化物温泉、「薬師湯」はナトリウム・カルシウム-塩化物泉。いずれも源泉かけ流しで、温泉津を代表する湯として親しまれています。
湯の特徴
塩化物泉を中心とする温泉津温泉は、体が温まりやすい湯として古くから親しまれてきました。なかでも「温泉津温泉 薬師湯」は、源泉のすぐそばで湧きたての湯を掛け流しで楽しめる共同浴場。温泉成分が析出して浴槽に付着した独特の景観も、薬師湯ならではの特徴です。
島根観光モデルコース1泊2日 世界遺産の石見銀山や温泉津へ!
温泉津温泉の歴史

温泉津やきものの里 登り窯(Photo by PIXTA)
約1300年の古湯
温泉津温泉には、およそ1300年前に開湯したと伝わる長い歴史があります。傷を負った狸が湯につかって傷を癒やしていたことから温泉が発見されたという伝説が残り、現在まで長く受け継がれてきました。
石見銀山の外港として繁栄
戦国時代から江戸時代にかけて、温泉津の港「沖泊」は石見銀山の銀を世界へ積み出す要衝として栄えました。毛利氏はこの地を重視し城を築き、その後は江戸幕府の直轄支配下に置かれました。江戸中期から明治にかけては北前船の寄港地としてにぎわい、廻船問屋や商家が立ち並ぶ港町としての景観が形成されていきました。現在の町割は1692年の絵図とほぼ変わらず、当時の骨格をそのまま留めています。
温泉ソムリエマスター泉よしか
石見銀山とセットの観光が定番ですが、「福光石 石切り場」(要予約)の見学もおすすめです!
アクセス

温泉津温泉(Photo by PIXTA)
電車・バス
JR山陰本線「温泉津駅」から温泉街までは徒歩約15分です。大田市生活バス「温泉津線」を利用すると約8分でアクセスできます。バスの本数は限られるため、最新の時刻は大田市の公式サイトでご確認ください。また、遠方からは特急を利用してJR大田市駅まで来てから乗り換えるルートが一般的です。
車
山陰自動車道「温泉津IC」から国道9号を経由してアクセスできます。「温泉津IC」からは数分程度の距離です。石見銀山・大森地区と合わせて回る場合は、車での移動が便利です。
温泉津温泉に関するよくある質問
Q. 温泉津温泉は日帰りでも入浴できますか?
A. はい。温泉街には「泉薬湯 温泉津温泉 元湯」と「薬師湯」の共同浴場があり、宿泊せずに入浴できます。ただし、営業時間や利用条件は曜日などによって異なる場合があるため、訪れる前に各施設の公式サイトで最新情報を確認しましょう。
Q. 温泉津温泉に駐車場はありますか?
A. はい。温泉津観光案内所「ゆう・ゆう館」には7台分の無料駐車場があり、このほか各施設にも駐車場があります。温泉街を車で訪れる際は、利用する施設の駐車場を事前に確認しておくと安心です。
Q. 温泉津温泉の外湯にシャンプーや石けんはありますか?
A. 施設によって設備が異なります。「泉薬湯 温泉津温泉 元湯」にはシャンプーや石けんなどの備え付けはなく、必要な場合は持参するか館内で購入します。また、シャワーなどの給湯設備もありません。外湯を利用する際は、各施設の設備をあらかじめ確認しておきましょう。
温泉津温泉ならではの魅力を堪能しよう
長い歴史を持つ温泉と、世界遺産の港町が織り成す景観が、温泉津ならではの魅力です。江戸時代から昭和初期にかけての建物が残る温泉街には、どこか懐かしく落ち着いた雰囲気が漂います。外湯を巡り、石見神楽に触れ、温泉津焼の器を手に取る。歴史と文化が息づく港町で、ゆったりとした時間を過ごしてみてください。
温泉ソムリエマスター泉よしか
温泉街には「泉薬湯 温泉津温泉 元湯」と「薬師湯」という温泉津温泉を代表する2つの日帰り温泉があります。
参考になりましたか? 旅行・おでかけの際に活用してみてください。
記事企画・監修:旅色編集部 しばた
ライター:ライター:旅色編集部 しばた
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※掲載情報は取材時のものであり、変更が生じている場合がございます。詳細は各施設にご確認下さい。

温泉ソムリエマスター泉よしか
「温泉津(ゆのつ)」は難読なので、1998年に第1回全国難読町村サミットの会場ともなりました。