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この町で好きなことを仕事に 紀美野町ではじまる 新しい暮らし

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移住をきっかけに、それまで培ってきた技術や大切にしてきた思いを、自分らしい仕事につなげた二組の店主。なぜ紀美野町を選び、ここでどんな日々を築いてきたのか。仕事や地域との関わり、移住して気づいた魅力など、それぞれの経験から紀美野町での暮らしをひもときます。

撮影/田村和成 文/西 倫世

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紀美野町ではじまる 新しい暮らし

新しい暮らし ベーカリーカフェ「ドーシェル」 店主 戸田晶さん 和歌山県海南市出身。会社員を経験後、パン職人に転身。兵庫県宝塚市でパン店「ドーシェル」を営み、40歳で家族とともに和歌山へUターン。1998年ベーカリーカフェとして同店を開業した。

東京や大阪などで働いた後、兵庫県宝塚市でパン店「ドーシェル」を開業した戸田晶さん。商売向きの立地でないと気付き、さらに母親の体調の変化や子どもの小学校入学なども重なり、「動くなら今だ」と移住を決意したそう。「商圏をイメージできる、故郷の海南市に近い場所で探し、見つけたのが紀美野町でした」。

決め手は、山と海の両方を感じられるロケーション。当時みかん畑だった土地を借り、前店を手がけた設計士と共に、見晴らしのいいログハウス風の建物を建てました。自ら畑で農作物を育てるほか、農家から直接野菜を仕入れたり、知人が無農薬で育てた小麦を譲ってもらったり。「生産者との距離の近さも、地方でパン作りをする魅力」だと言います。

自然豊かな場所だから叶う 生産者とつながるパン作り/ベーカリーカフェ「ドーシェル」店主 戸田晶さん
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紀美野町ではじまる 新しい暮らし

培った技術を携えて 自分らしく働ける場所へ

「移住前より仕事は2倍楽しいし、パンも2割ぐらいおいしくなった気がする」と笑う戸田さん。「以前は、小さな厨房の中だけが自分の世界。でもここなら自分の畑もあるし、仕事をしながら朝日が見える。野菜やフルーツを育て、ジャムを手作りするなど仕事は増えるけど、それも自然と暮らす醍醐味です」。

地方への移住を考える人に伝えたいのは、自分の技術を持つ大切さ。「漠然と移住するのではなく、自分で生計を立てられる技術を身につけていた方が、田舎暮らしで花が開く。近隣には手すき和紙職人の工房や画家のアトリエがありますし、僕自身も都会で腕を磨いたからこそ、目新しいパンがある店として注目してもらえました」。この地で歩んだ約28年。素材や人との出会いを重ねながら、戸田さんのパン作りも少しずつ形を変え、今へとつながっています。

詳細 DATA

[DATA]
住所/和歌山県海草郡紀美野町釜滝417-3
電話/073-489-5324
営業時間/11:00~16:00(LO15:30)、土日祝10:00~17:00(LO15:30)
定休日/月曜日~水曜日、不定休

山の中の視界が開けた場所にあり、遠くには淡路島や沼島まで望める眺めの良さ/ログハウス風の建物に似合う木製家具は、近隣に住むイギリス人家具職人にオーダー/ココナッツ風味のクリームチーズフォンデュ160円/塩パン180円、黒糖パン350円、ライ麦パン・メランジェ880円
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紀美野町ではじまる 新しい暮らし

新しい暮らし 焙煎体験カフェきたの 尾上泰江さん 東京で会社員などを経験。紀美野町の宿泊施設「うえみなみ」に泊まったことをきっかけに町に惹かれ、夫婦で移住。古民家を改修し2025年4月「焙煎体験カフェきたの」を開業した。

尾上泰江さんが紀美野町と出合ったのは、約5年前。山の中にある古民家の宿泊施設「うえみなみ」に一泊したことがきっかけでした。当時、夫婦で移住先を探しながら各地を旅するなか、山々に囲まれた場所でのリトリートから「ここで暮らしたい」という思いが芽生えたと言います。

移住を後押ししたのが、町の「きみの地域づくり学校」。東京から毎月通い、地域でのなりわいや暮らしを学びながら、地域住民と交流。「移住前から知り合いがたくさんいる状態をつくってもらえたので、安心して来ることができました」と振り返ります。地元の人気店の店主から「駅前だとターゲット層は周辺の人だけ。山の中だからこそ広いエリアからお客さんを呼べる」という考え方を聞けたことも、未経験だったカフェ開業へ踏み出す勇気につながりました。

地域とのつながりが移住と新たな挑戦の力に/焙煎体験カフェきたの 尾上泰江さん
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紀美野町ではじまる 新しい暮らし

山の上の古民家を再生 暮らしと商いの拠点へ

物件を探すこと約1年。憧れていた“山の上の暮らし”を叶える古民家と巡り合います。築約100年、長年空き家で一部は屋根も落ちていた建物をフルリノベーション。残せる梁や柱を生かし、住まいとカフェへよみがえらせました。実際に暮らしてみても「移住前のイメージとの大きなギャップはなかった」と言い、事前に地域とのつながりを築いていたことで、自然体での新生活が始められました。

移住を考える人には、「自分のやりたいことを大事にできる場所を見つけてほしい」と尾上さん。紀美野町には魅力ある空き家や継承を希望される農地など、店を始めたい人や農業に挑戦したい人にも可能性のある場所だといいます。「まず地域を訪れ、人とつながることが、自分らしく心地よく暮らす第一歩かな」と語ります。

詳細 DATA

[DATA]
住所/和歌山県海草郡紀美野町北野71-1
電話/080-8941-6524
営業時間/10:00~16:00
定休日/火曜日・木曜日・日曜日

テーブルや棚、椅子の一部は店主ご主人の手作り/近隣にあるパン店「ドーシェル」のパンにクリームチーズとレモンジャムをのせたクリチー・プチパン600円/約30種類の生豆を揃え、好みの豆をリクエストすれば、その場で焙煎してもらえる。また、4杯分のコーヒー豆を焙煎できる焙煎体験も人気2,000円
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紀美野町の移住定住が気になったら!

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