JR岡山駅に到着すると、桃太郎像がお出迎え。道中のあちこちで目に飛び込んでくる桃のモチーフに、桃が一番好きな食べ物だと言う中村 蒼さんは、「見ているだけでうれしくなる」と笑顔。歴史と自然が調和したスポットとグルメを楽しむ1泊2日の旅に、期待が高まります。
写真/山仲竜也(stanford) スタイリング/秋山貴紀
ヘアメイク/阿部孝介(traffic) 文/山西裕美(ヒストリアル)
JR岡山駅に到着すると、桃太郎像がお出迎え。道中のあちこちで目に飛び込んでくる桃のモチーフに、桃が一番好きな食べ物だと言う中村 蒼さんは、「見ているだけでうれしくなる」と笑顔。歴史と自然が調和したスポットとグルメを楽しむ1泊2日の旅に、期待が高まります。
写真/山仲竜也(stanford) スタイリング/秋山貴紀
ヘアメイク/阿部孝介(traffic) 文/山西裕美(ヒストリアル)
戦国時代に岡山の地を制した宇喜多直家の子・宇喜多秀家によって慶長2(1597)年頃に天守が完成した「岡山城」。江戸時代の文献によると、築城の指導は豊臣秀吉によるものとされています。黒塗りの外観から「烏城(うじょう)」、そこに金箔瓦がついていることから「金烏城(きんうじょう)」とも呼ばれています。天守は戦災で消失しましたが、昭和41(1966)年に再建されました。2022年11月に岡山市出身の歴史学者・磯田道史氏が展示監修を行い、全面リニューアル。黒色の外壁は新たに塗り直され、館内の展示も楽しく・分かりやすく歴史を学べる内容に一新されました。
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住所/岡山市北区丸の内2丁目3-1
電話/086-225-2096(岡山城管理事務所)
時間/9:00〜17:30(最終入場17:00)
定休日/12月29日〜31日
岡山城がある烏城公園内の「岡山城備前焼工房」では、土そのものの素朴な風合いと、独特な模様が魅力の伝統工芸「備前焼」づくりの体験もできます。道具は全て貸出可能なので、手ぶらで訪ねてOK。スタッフがわかりやすく丁寧に教えてくれるので、初心者でも問題なし。所要時間は約60分、完成した作品は焼成して、1~2ヶ月後に配送してくれます。 ※別途送料が必要です
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住所/岡山市北区丸の内2-3-1 (烏城公園内)
電話/086-224-3396
体験時間/①10:00~ ②11:00~ ③13:00~ ④14:00~ ⑤15:00~
定休日/12月29日~31日
体験料金/1,250円(粘土500g)
岡山藩主・池田綱政が家臣の津田永忠に命じて、元禄13(1700)年に一応の完成をみた岡山後楽園のそばに建つ「Café & Restaurant & Boating 碧水園」。後楽園と岡山城を往来した渡瀬船の船着き場で、建物の材料は解体された船の材料が使用されており、現在も貴重な資料となっています。開放的なテラス席では、岡山城を眺めながら休憩できます。食事後に貸しボートに乗ってのんびり水上散策するのもおすすめ。
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住所/岡山市北区後楽園1-6
電話/086-272-1605
時間/11:00〜17:00
定休日/不定休
岡山市の中心部を流れる旭川から、岡山城、岡山後楽園を眺められる「おかやま旭川遊覧クルーズ」。ナレーションと船頭によるガイド付きで、約30分の水上ツアーを楽しめます。岡山城はもちろん、春は桜、初夏は新緑など、四季折々の風景を川面から堪能できるのも魅力。気温が高かった撮影日、「風が涼しくて気持ちいいし、心が癒される感じ」と、ゆったりとした時間を過ごすことができて、中村さんも気に入ったよう。
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住所/岡山市北区石関町7
電話/086-201-1601
時間/10:00〜17:00(3月〜10月)1時間おき全8本(17時便は予約のみ)
10:00〜16:00(11月〜2月)1時間おき全7本
定休日/不定休 ※天候や潮位により運航不可の場合あり
料金/大人1,500円、小学生750円
100年以上の歴史を持つ宮下酒造は、酒米のルーツである「雄町米」発祥の地にある唯一の酒蔵。その宮下酒造が運営する「酒工房 独歩館」は酒と料理が存分に楽しめるレストランとショップを併設した施設です。その名は、ドイツに代表される伝統的なヨーロッパタイプのビールを目指しながら、独立独歩、信念のビールを醸造しようとつけたもの。10種類ほどのクラフトビールは、できたてを飲み比べすることも、お土産にボトルを購入することもできます。ビールとあわせて、雄町米を使用した幻の名酒も楽しみましょう。
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住所/岡山市中区西川原185-1
電話/086-270-8111
時間/11:30〜21:00(レストラン)、10:00〜19:00(ショップ)
定休日/水曜日(祝日の場合は翌日)第1・3・5火曜日、年末年始
岡山県では誰もが知る備前名物「大手まんぢゅう」。その名の由来は、天保8(1837)年創業の大手饅頭伊部屋(おおてまんじゅういんべや)が、岡山城大手門の付近にあったことから、当時の藩主に名付けられたのだとか。自家製の甘酒を使った薄い生地で、北海道産あずきのこし餡をたっぷり包んで蒸しあげています。なめらかで程よい甘さのこし餡と、甘酒が香る薄い皮が相性抜群です。岡山駅や空港の土産ショップでも購入できるので、お土産にぴったり。
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住所/岡山市北区京橋町8-2
電話/086-225-3836
時間/9:00〜18:00
定休日/火曜日
約400年前から岡山県南部(備前)あたりで食べられていたと言い伝えられている「ばらずし」を、昭和31(1956)年創業の「福寿司」2代目当主・窪田清一氏が聞き込みと文献を元に忠実に再現したもの。薄味の五目ずしに、鰆、ヒラ、小鯛など、ひとつひとつ丁寧に味付けされた季節の具材を乗せています。また、全国で獲れるものの、岡山県でしか食べる文化がないという「ヒラ」は小骨が多く調理に高い技術が必要な白身魚で、現在岡山市内で味わえるのはこの店だけだとか。旨みたっぷりのコリコリとした白身は絶品です。
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住所/岡山市北区奉還町2-16-17
電話/086-252-2402
時間/11:30〜14:00(LO13:30)、17:00〜21:00(LO20:30、入店は20:00)、日曜日は昼のみ営業
定休日/月曜日、第1・3・5火曜日
全長約350m、全国第4位の規模を持つ5世紀前半の前方後円墳。墳丘上まで上がることができる前方後円墳としては、日本一の大きさです。誰の墓かは判明していませんが、近年の発掘調査によると古代吉備の王が眠っている可能性があるそう……! 周辺には6基の小墓である陪塚(ばいづか)があり、朝鮮半島と関係が深い遺物が出土した「榊山古墳」、石障に直弧文(ちょっこもん)と呼ばれる古代紋様が刻まれた「千足古墳」が有名です。
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住所/岡山県岡山市北区新庄下789(造山古墳ビジターセンター)
電話/086-803-1332(岡山市観光振興課)
時間/10:00〜15:00(造山古墳ビジターセンター)
定休日/月曜日※祝日の場合は翌平日、年末年始(造山古墳ビジターセンター)
造山古墳に付属する6基の陪塚のうちのひとつ、「千足古墳」。造山古墳に比べるとコンパクトなサイズ感で、通常の前方後円墳に比べ前方部が短いため「帆立貝形古墳」とも呼ばれています。後円部には横穴式石室が2つあり、そのうちの第1石室では石障に直弧文(ちょっこもん)と呼ばれる神秘的な古代の紋様が彫刻されています。石室には香川県や九州産の石が使われており、当時一体どんな交流がされていたのか、どんな人が眠っているのか……そんなロマンにひたれる場所です。
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住所/岡山市北区新庄下
電話/086-803-1611(岡山市教育委員会文化財課)
天正10(1582)年5月、羽柴秀吉(のちの豊臣秀吉)率いる3万の軍勢が約3kmの堤防を築き、足守川の水を引き入れて備中高松城を湖の孤城にしたという「水攻め」の跡地。水攻め関係の資料や文化財を展示収蔵する資料館と、高松城主・清水宗治が切腹した場所「自刃の地」、「首塚」などの遺跡が公園内に残っています。夏には花菖蒲や宗治蓮と呼ばれる蓮などの美しい花を見ることもできます。
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住所/岡山市北区高松558-2
電話/086-287-5554(備中高松城址資料館 10:00〜15:00)
定休日/無休 備中高松城址資料館は月曜日と年末年始
「備中高松城址」の首塚からすぐ近くに位置する「清鏡庵」は、昭和レトロな雰囲気の老舗和菓子店。名物の「水攻め饅頭」は、売り切れる日も多いのだそう。餡が透けて見えるほど薄い皮はすぐ固くなってしまうので、おいしく食べられるおすすめは製造日から2日まで。ほかにも、高松城主・清水宗治公にちなんで名づけられたお菓子が並びます。「備中高松城址」で水攻めの歴史を学んだ中村さんは、さっそく「水攻め饅頭」を購入。歴史に心を馳せながら、おいしくいただいたとか。
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住所/岡山市北区高松511-1
電話/086-287-2143
時間/8:00〜19:00
定休日/木曜日
桃太郎伝説の原型といわれる、大吉備津彦命(おおきびつひこのみこと)と温羅(うら)にまつわる伝説が残る、備中国の一宮である神社。本殿・拝殿は鳥が翼を広げたように見えるので「比翼入母屋造」、全国唯一の様式であることから「吉備津造」ともいわれ、国宝に指定されています。また、本殿から伸びる全長360mもの廻廊も見どころのひとつ。自然の地形に沿って建てられているため、なだらかな起伏があり、フォトスポットとしても人気です。境内には大吉備津彦命が温羅との戦いの際に矢を置いたとされる矢置岩、釜の下に鬼の首が埋められたという御竈殿など伝説ゆかりの場所も。
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住所/岡山市北区吉備津931
電話/086-287-4111(9:00〜14:30)
受付/9:00〜16:00(祈祷受付9:00〜14:30)
時間/5:00(開門)〜18:00(閉門)
古来、信仰されてきた磐座(いわくら)を有する御神体山・吉備の中山の東麓に鎮座する古社。桃太郎のモデルといわれる大吉備津彦命(おおきびつひこのみこと)を祀る備前国一宮です。歴代岡山藩主池田家の信仰も篤く、境内には池田信輝公(御神名:輝武命)と池田輝政公(御神名:火星輝命)が祀られています。伝統的な神社建築といわれる三間社流造の本殿も見どころです。備前刀のふるさとの神社らしく刀剣を描いた桃太郎桃剣御守や、「桃太郎」にちなんで桃の形をした可愛らしいお守り、絵馬、おみくじなどを授かることができます。
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住所/岡山市北区一宮1043
電話/086-284-0031(9:00〜17:00)
時間/6:00(開門)〜18:00(閉門)、1月1日〜3日の閉門は21:00
こちらは、2023年11月1日~2024年2月29日まで開催のAR謎解きイベント「レキシふたたび謎物語」。岡山が舞台の物語の主人公となって、歴史スポットを巡りながら謎を解き、物語を進めていきます。人気声優・井上和彦さんのボイス付きなのも魅力!