五浦温泉完全ガイド|アクセス・おすすめスポット・魅力・歴史まで徹底解説

時計アイコン2026.02.12

五浦温泉完全ガイド|アクセス・おすすめスポット・魅力・歴史まで徹底解説

茨城県北茨城市の海岸線に佇む五浦温泉(いづらおんせん)。断崖絶壁に打ち寄せる荒波と、水平線まで広がる太平洋の絶景を眺めながら湯に浸かれる、関東屈指の絶景温泉地です。明治の思想家・岡倉天心が愛した芸術の里としての顔も持ち、温泉と文化、そして海の幸を一度に楽しめる贅沢な旅の目的地として、多くの旅行者を魅了し続けています。

五浦温泉とは?

五浦海岸の六角堂

五浦海岸の六角堂(Photo by PIXTA)

五浦温泉は、茨城県の最北端に位置する北茨城市の五浦海岸沿いに湧く温泉地です。「五浦」という地名は、大小五つの入り江(浦)があることに由来するとも言われ、複雑に入り組んだリアス式海岸が生み出す景観は圧巻のひとこと。

昭和に入ってから本格的な開発が進んだため、歴史の浅さを感じさせない快適で近代的な設備を備えた宿が多いのが特徴です。何よりの魅力は、客室や露天風呂から望む太平洋の大パノラマ。朝日が水平線から昇る光景は、宿泊者だけが味わえる特別な体験です。

五浦温泉の泉質

五浦温泉の泉質は、主にナトリウム・カルシウム-塩化物泉です。海に近い立地を反映した、ミネラル分を含む湯が特徴で、しっとりとした浴感が楽しめます。

塩化物泉は一般的に、湯上がり後も温かさが持続しやすいと言われており、寒い季節の温泉旅行にぴったり。潮風を感じながら浸かる湯は、日常を忘れてリラックスするのに最適です。

※具体的な適応症については、各宿泊施設の温泉分析書をご確認ください。

五浦温泉の歴史

五浦海岸

五浦海岸(Photo by PIXTA)

岡倉天心と五浦

五浦温泉を語るうえで欠かせないのが、明治時代の思想家・美術評論家である岡倉天心(1863-1913)の存在です。「茶の本」の著者としても知られる天心は、東京美術学校(現・東京藝術大学)の創設に関わった日本近代美術の父とも呼ばれる人物。

天心は1903年(明治36年)、この五浦の地に魅せられ、広大な敷地に住居を構えました。荒々しい波が打ち寄せる断崖の上に建てた六角堂(観瀾亭)で、天心は太平洋を眺めながら思索にふけりました。

日本美術院の移転

1906年には、天心が主宰する日本美術院の拠点を東京から五浦へ移転。横山大観、下村観山、菱田春草、木村武山といった近代日本画の巨匠たちがこの地に集い、制作活動に励みました。五浦の雄大な自然は、彼らの芸術に大きなインスピレーションを与えたに違いありません。

現在、天心の旧邸宅や六角堂は茨城大学五浦美術文化研究所として整備され、一般公開されています。2011年の東日本大震災で六角堂は津波により流失しましたが、翌2012年に再建。今も変わらず太平洋を見守り続けています。

五浦温泉の観光スポット

大津岬灯台

大津岬灯台(Photo by PIXTA)

六角堂(観瀾亭)

岡倉天心が設計したとされる赤い六角形の堂。断崖の岩場に突き出すように建てられており、堂内から眺める太平洋は格別です。天心はここで読書や瞑想をしながら、「アジアは一つ」という思想を深めていきました。

茨城県天心記念五浦美術館

1997年に開館した美術館で、岡倉天心や五浦の作家たちに関する資料、近代日本画の名品を収蔵・展示しています。太平洋を望む高台に建てられた建築も見どころのひとつ。企画展も定期的に開催されており、温泉旅行と芸術鑑賞を組み合わせた旅が楽しめます。

五浦海岸

「日本の渚百選」にも選ばれた景勝地。大小の入り江と奇岩が織り成す海岸線は、四季を通じて美しい表情を見せてくれます。特に冬の荒波が岩に砕け散るさまは迫力満点。遊歩道も整備されているので、温泉の前後に散策を楽しむのもおすすめです。

五浦岬公園

五浦海岸を一望できる展望スポット。園内には映画「天心」のロケセットを活用した展望台もあり、六角堂や太平洋を見渡すことができます。夕暮れどきには、茜色に染まる空と海のコントラストが息をのむ美しさです。

五浦温泉のグルメ

あんこう鍋

あんこう鍋(Photo by PIXTA)

あんこう鍋

茨城県北部の冬を代表する味覚といえば、なんといってもあんこう鍋。「西のふぐ、東のあんこう」と称されるほどの高級魚で、北茨城市の近海は良質なあんこうの漁場として知られています。

あんこうは「捨てるところがない」と言われるほど、身、皮、肝、胃袋、卵巣、えら、ひれの「七つ道具」すべてが食材として使われます。特に濃厚な旨味を持つあん肝は「海のフォアグラ」とも呼ばれる珍味。コラーゲンたっぷりの身と一緒に味噌仕立ての鍋でいただけば、冷えた体に染みわたるおいしさです。

五浦温泉の宿では、11月から3月ごろにかけてあんこう鍋を提供するプランが人気。温泉で温まったあとに、湯気の立つ熱々の鍋を囲む幸せは格別です。

どぶ汁

あんこう鍋の原型ともいわれるどぶ汁は、水を一切使わずにあんこうの水分と野菜の水分だけで仕上げる漁師料理。濃厚な味わいは、あんこう好きなら一度は試したい逸品です。

新鮮な海の幸

あんこう以外にも、北茨城の海は豊富な海産物の宝庫。地元の大津漁港で水揚げされるヒラメ、カレイ、タコ、イカなど、四季折々の新鮮な魚介を味わうことができます。

五浦温泉へのアクセス

五浦海岸の六角堂

五浦海岸の六角堂(Photo by PIXTA)

電車でのアクセス

JR常磐線 大津港駅が最寄り駅です。

東京駅より:特急「ひたち」で約2時間10分
上野駅より:特急「ひたち」で約1時間50分
いわき駅より:普通列車で約20分

大津港駅から五浦温泉エリアまでは、タクシーで約5分。宿によっては送迎サービスを行っているところもあるので、事前に確認しておくと便利です。

車でのアクセス

常磐自動車道 北茨城ICより約15分、またはいわき勿来ICより約15分。
駐車場は各宿泊施設に完備されているほか、五浦海岸周辺には無料の公共駐車場もあります。海岸線をドライブしながらの旅も気持ちいいものです。

五浦温泉ならではの魅力

五浦海岸

五浦海岸(Photo by PIXTA)

「波音」を聴きながらの湯浴み

五浦温泉の最大の魅力は、なんといっても太平洋の波音を聴きながら温泉に浸かれること。多くの宿が海に面した露天風呂を備えており、打ち寄せる波の音をBGMにしたリラックスタイムは、山間の温泉地では味わえない特別な体験です。

芸術と温泉の融合

岡倉天心や横山大観ら近代日本画の巨匠たちが愛した地で、芸術に触れてから温泉に浸かる。そんな知的好奇心を満たす旅ができるのも五浦ならでは。美術館で作品を鑑賞したあと、同じ海を眺めながら湯に浸かれば、芸術家たちのインスピレーションの源に触れられるような気がします。

まとめ

五浦温泉は、太平洋の絶景、岡倉天心ゆかりの芸術文化、新鮮な海の幸、そして心身を癒やす温泉と、旅の楽しみがすべて詰まった温泉地です。

都会の喧騒を離れ、波音に耳を傾けながらゆったりとした時間を過ごしたい方。芸術と自然の調和を感じる知的な旅がしたい方。冬の味覚・あんこうを堪能したい方。そんなすべての旅行者におすすめしたい、関東の隠れた名湯です。

次の週末は、五浦温泉で心と体を解きほぐす旅に出かけてみませんか。

旅色編集部 しばた

参考になりましたか? 旅行・おでかけの際に活用してみてください。

記事企画・監修:旅色編集部 しばた

掲載情報の一部の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright MAPPLE, Inc.
Copyright indepth, Inc.
※掲載情報は取材時のものであり、変更が生じている場合がございます。詳細は各施設にご確認下さい。