【松川温泉】観光ガイド|岩手・八幡平に湧く秘湯と大自然を堪能!

時計アイコン2026.05.14

【松川温泉】観光ガイド|岩手・八幡平に湧く秘湯と大自然を堪能!

岩手県八幡平市、十和田八幡平国立公園の南東に位置する小さな温泉地が松川温泉です。約280年前に開湯したといわれ、ブナ・ミズナラ・ダケカンバ・ナナカマドなどの落葉広葉樹の原生林の中に温泉地が広がっています。松川沿いに数軒の宿が静かに湯けむりを上げ、訪れる人を迎えています。

松川温泉の泉質と特徴

混浴露天風呂

混浴露天風呂(Photo by 岩手県公式観光サイト)

松川温泉の泉質は単純硫黄泉(硫化水素型)。源泉は湧出時こそ無色透明ですが、空気に触れた瞬間より緑青を溶かし込んだような乳白色に変化します。硫黄成分は強いものの、弱酸性(pH5.7)のため肌がピリピリするようなことはありません。

泉温は約70度、湧出量は約240リットル/分。全施設で源泉掛け流しを守っており、豊富な湯量が常に湯船よりあふれています。古くより湯治場としても親しまれており、疲労や皮膚トラブルなどに悩む人々に利用されてきました。

硫黄成分が強いことから、浴場内にはシャワーやカランの設備がなく、体を洗うには木桶のお湯を使うのが一般的です。また大気中の硫黄成分が金属を腐食させるため、客室に冷蔵庫や温水洗浄便座が備わっていない宿もあります。秘湯らしい不便さも、ここでは風情のひとつといえるでしょう。

松川温泉のもうひとつの顔が、1966年10月に運転を開始した日本最初の商用地熱発電所・松川地熱発電所の存在です。世界でも4番目の地熱発電所で、高さ46mの巨大な冷却塔から立ち上る蒸気には圧倒されます。日本機械学会より「機械遺産」にも認定されています。宿の館内暖房もこの発電所から引いた地熱蒸気で暖められており、冬でも館内がぽかぽかと暖かいのはそのためです。

松川温泉の宿

八幡平・松川渓谷の紅葉(森の大橋付近)

八幡平・松川渓谷の紅葉(森の大橋付近)(Photo by PIXTA)

原生林に囲まれた渓流沿いには2軒の湯宿が点在しており、いずれも源泉掛け流しの湯を守っています。2軒ともに自然と一体になれる混浴露天風呂があるほか、女性専用の露天風呂も設けられています。湯は白濁した硫黄泉で、浴室内にシャワーやカランがないのがこのエリアの共通仕様です。食事はイワナ・山菜・キノコなど八幡平の山の恵みをふんだんに使った郷土料理が中心で、なかにはホロホロチョウなどの希少食材を名物にしている宿もあります。全軒で日帰り入浴を受け付けているため、宿泊せずに立ち寄ることも可能です。

また、宿の敷地内では温泉卵づくり体験が楽しめます。竹籠に生卵を入れて源泉に浸けておくだけで、約20分で出来上がります。硫黄の香りをまとった出来たての温泉卵は、湯上がりにそのままいただくのが定番の楽しみ方で、日帰り入浴の際も体験できます。

松川温泉周辺の見どころ

八幡平のドラゴンアイ

八幡平のドラゴンアイ(Photo by PIXTA)

春先の雪解け景色

温泉街からさらに標高の高いエリアへ向かうと、春から初夏にかけて独特の自然現象が見えます。雪解け水と残雪が湿地帯に不思議な模様を作り出し、この時期にしか見られない不思議な景色として訪れる人を楽しませています。

温泉を拠点にしたトレッキング

周辺には複数の登山道が整備されています。ブナの原生林を歩く軽めの散策から、本格的な尾根歩きまでルートはさまざまです。登山口と温泉が隣接しているため、下山後にそのまま掛け流しの湯で汗を流せる利便性の高さが魅力です。

渓谷の四季と紅葉

手つかずの広葉樹林に囲まれた一帯は、季節ごとの変化が鮮やかです。春には山菜、秋にはキノコといった山の恵みが豊かで、秋の紅葉シーズンには渓流沿いの木々が一斉に色づきます。橋の上など視界の開けた場所から見下ろす渓谷の景色は特に見ごたえがあります。

アクセス

松川温泉行ボンネットバス

松川温泉行ボンネットバス(Photo by PIXTA)

車の場合:

東北自動車道 西根ICまたは松尾八幡平ICより約30分

公共交通機関の場合:

盛岡駅前より岩手県北バス「松川温泉」行に乗車、約1時間30分。冬季は途中で四輪駆動のボンネットバスに乗り換えます。バスの終点が各宿の目の前のため、車がなくても安心して訪れることが可能です。

まとめ

乳白色の硫黄泉、地熱蒸気で暖まる館内、春のドラゴンアイから冬の雪見風呂まで——松川温泉は、訪れる季節ごとに異なる顔を見せる秘湯です。宿の数は多くないぶん、訪れる人も限られており、喧騒とは無縁の静かな時間をゆっくりと過ごせます。盛岡よりバス1本でたどり着けるアクセスの良さも、意外な魅力のひとつ。八幡平の大自然と本物の秘湯を求めるなら、松川温泉はその期待に確かに応えてくれます。

旅色編集部 しばた

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記事企画・監修:旅色編集部 しばた

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