【温泉ソムリエ監修】明礬温泉・完全ガイド|別府の高台に広がる湯けむり景観と湯の花

時計アイコン2026.08.19

【温泉ソムリエ監修】明礬温泉・完全ガイド|別府の高台に広がる湯けむり景観と湯の花

大分県別府市西部の高台に位置する明礬温泉(みょうばんおんせん)は、別府八湯のひとつとして知られる温泉地です。藁葺き屋根の湯の花小屋から白い噴気が立ちのぼる独特の風景で広く知られ、江戸時代から受け継がれてきた湯の花づくりの文化が今も息づいています。明礬地区を含む「別府の湯けむり・温泉地景観」は、2012年に国の重要文化的景観に選定されています。

本記事の監修者

  • 泉よしか

    泉よしか温泉ソムリエマスター

    温泉ソムリエマスター・温泉観光実践士として、キレイ系の温泉から秘湯まで幅広く紹介。泉質や楽しみ方、旅としての魅力に至るまで、豊富な知識と実体験に基づく情報を提供している。

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温泉ソムリエとは

温泉ソムリエとは、温泉の基礎知識、温泉分析書の読み方といった「温泉の正しい知識」と、入浴法の基礎知識などの「正しい入浴法」を身につけていると温泉ソムリエ協会が認定した民間資格所持者。温泉の専門家。

明礬温泉の歴史

明礬温泉の名は、この地域で発展した明礬(みょうばん)の製造に由来します。1664年、渡辺五郎右衛門が明礬製造を志し、別府市内で試行錯誤を重ねた末、照湯で製造に成功したことが始まりとされています。その後、1730年には唐明礬の輸入が禁止され、1734年には明礬会所の設置が認められ、別府の明礬は国内の主要産地として発展しました。

明治時代以降は、輸入化学品の普及などによって明礬そのものの生産は次第に縮小し、代わって温泉の噴気を利用した「湯の花」の製造が、この地を代表する産業として受け継がれていきました。明礬の湯の花製造技術は、2006年に国の重要無形民俗文化財に指定されています。

温泉ソムリエマスター 泉よしか

温泉ソムリエマスター泉よしか

明礬とは硫酸アルミニウムカリウムのことで、繊維に染料を固着させる媒染剤として使われてきました。殺菌作用もあります。

明礬温泉の泉質と特徴

明礬地獄 明礬温泉

明礬地獄 明礬温泉(Photo by PIXTA)

明礬温泉の特徴のひとつは、温泉の噴気が地表近くで見られることです。施設案内では、地表から約30cmの浅い場所に噴気が通っているとされ、温泉地のあちこちで白い湯けむりを見ることができます。泉質は地域内で一様ではなく、施設ごとに硫黄泉、酸性泉、単純温泉などさまざまです。

乳白色の湯で知られる施設がある一方、無色透明に近い湯を楽しめる施設もあり、同じ明礬温泉でも湯の個性は異なります。硫黄の香りを感じる湯も多く、施設によっては刺激を感じやすい場合もあるため、体調に合わせて無理のない入浴を心がけると安心です。

明礬温泉名物「湯の花」とは

湯の里 湯の花小屋

湯の里 湯の花小屋(Photo by PIXTA)

明礬温泉を語るうえで欠かせないのが、天然の入浴剤として知られる「湯の花」です。温泉街に点在する藁葺き屋根の小屋は湯の花小屋と呼ばれ、温泉噴気を利用した伝統的な製法で湯の花がつくられています。湯の花は、青粘土を敷いた床に噴気を通し、約40日~60日かけて白い結晶として育てて採取する天然由来の産物です。

この小屋方式による製法は、現在では世界でここだけに残る方法として知られています。見学可能な施設では、湯の花小屋の外観だけでなく、内部の製造の様子を見学できる場合があります。持ち帰り用の湯の花も販売されており、自宅の浴槽で明礬温泉らしい入浴気分を楽しめる土産として親しまれています。

明礬温泉の景色と楽しみ方

別府明礬橋

別府明礬橋(Photo by PIXTA)

地獄プリン

地獄プリン(Photo by PIXTA)

別府明礬橋
地獄プリン

明礬温泉の大きな魅力は、高台ならではの開放的な眺望と、湯けむりが織りなす独特の温泉地景観です。場所によっては別府市街地の先に広がる別府湾や高崎山を望むことができ、周辺にはアーチ形が印象的な別府明礬橋も見られます。標高約330mの斜面地に広がる明礬温泉ならではの、山と海を見渡す景色を楽しめます。

また、茅や藁で葺かれた湯の花小屋は、明礬温泉を象徴する景観のひとつです。周囲の緑や温泉の噴気と一体となり、静かな山あいの温泉地ならではの風景をつくり出しています。

春の新緑や秋の紅葉など、季節によって周囲の山々の表情が変わるのも魅力です。温泉を楽しむだけでなく、高台からの眺望や湯の花小屋が並ぶ風景を眺めながら、明礬温泉ならではの景観を味わうことができます。

温泉ソムリエマスター 泉よしか

温泉ソムリエマスター泉よしか

明礬温泉の名物と言えば、温泉プリンブームの火付け役ともなった岡本屋の「地獄蒸し®プリン。」です。

明礬温泉は日帰り入浴できる?

明礬温泉

明礬温泉(Photo by PIXTA)

明礬温泉エリアには、日帰り入浴に対応した施設があります。露天風呂や内湯、貸切利用に対応する施設など形態はさまざまで、目的に合わせて選べます。営業時間や受付時間は施設ごとに異なるため、訪問前に最新情報を確認しておくと安心です。

明礬温泉へのアクセス

明礬地獄

明礬地獄(Photo by PIXTA)

電車・バスでのアクセス

JR別府駅からは、亀の井バスを利用して明礬方面へ向かうことができます。別府駅西口から明礬方面へ向かう路線バスを利用し、所要時間は25分~30分前後です。下車するバス停は「明礬」や「地蔵湯前」が便利です。

車でのアクセス

東九州自動車道・別府ICからは、車で約5分です。別府市街地からもアクセスしやすく、レンタカーや自家用車でも立ち寄りやすい温泉地です。

飛行機でのアクセス

最寄り空港は大分空港です。大分空港から別府駅前までは空港連絡バスを利用し、そこから路線バスやタクシーに乗り継いで明礬温泉へ向かうのが一般的です。全体では約1時間〜1時間強を見込んでおくと安心です。

高速バスでのアクセス

福岡方面からは高速バスで別府方面へ向かうことができます。博多バスターミナルから鉄輪口まで約2時間25分の便があり、そこから路線バスなどで明礬方面へ移動できます。利用便や乗り継ぎによって所要時間は変わるため、事前に最新ダイヤを確認するのがおすすめです。

FAQ

Q. 明礬温泉は別府八湯の中でどんな特徴がありますか?

A. 明礬温泉は、別府八湯のひとつで、湯けむりの景観と湯の花づくりの文化が色濃く残る温泉地です。別府市西部の高台に位置し、藁葺き屋根の湯の花小屋や白い噴気が立ちのぼる風景を楽しめます。温泉に入るだけでなく、別府に受け継がれてきた温泉文化を感じられる点が明礬温泉の大きな魅力です。

Q. 明礬温泉の湯けむり景観はなぜ有名ですか?

A. 明礬温泉の湯けむり景観は、温泉噴気、湯の花小屋、石垣、斜面地の集落が一体となって形づくられているのが特徴です。明礬地区を含む「別府の湯けむり・温泉地景観」は、2012年に国の重要文化的景観に選定されています。高台からは別府市街地や別府湾を望める場所もあり、湯けむりに包まれた別府らしい風景を楽しめます。

Q. 明礬温泉では入浴以外に何を楽しめますか?

A. 明礬温泉では、入浴だけでなく、湯の花小屋の見学や温泉地ならではの景観散策、名物グルメを楽しめます。藁葺き屋根の湯の花小屋や温泉の噴気を眺めながら坂道を歩けば、この地で受け継がれてきた温泉文化や産業に触れることができます。場所によっては別府湾や高崎山などを望めるのも、高台に位置する明礬温泉ならではの魅力です。

また、明礬温泉を訪れたら、岡本屋の「地獄蒸しプリン」も味わいたい名物のひとつです。温泉の蒸気を利用して作られるプリンは、ほろ苦いカラメルと濃厚な味わいが特徴。温泉巡りや散策の合間に立ち寄り、明礬温泉ならではの味覚を楽しむのもおすすめです。

まとめ

明礬温泉は、江戸時代から続く明礬製造と湯の花づくりの歴史、そして国の重要文化的景観に選ばれた湯けむりの風景が一体となった、別府を代表する個性豊かな温泉地です。施設ごとに異なる泉質を楽しみながら、藁葺きの湯の花小屋や立ちのぼる白い噴気を眺めて歩く時間は、明礬温泉ならではの魅力です。別府を訪れるなら、温泉そのものだけでなく、この土地に受け継がれてきた産業と景観にも目を向けながら散策してみてはいかがでしょうか。

旅色編集部 しばた

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記事企画・監修:旅色編集部 しばた

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