【奈良田温泉】南アルプスの秘湯|アクセス・泉質・日帰り温泉ガイド

時計アイコン2026.04.21

【奈良田温泉】南アルプスの秘湯|アクセス・泉質・日帰り温泉ガイド

山梨県南巨摩郡早川町の最奥部、南アルプスの懐深くに佇む奈良田(ならだ)温泉。人口約800人と日本一人口の少ない町に位置するこの温泉地は、まさに「秘境」と呼ぶにふさわしい場所です。

温泉総選挙2016「うる肌部門」で全国第3位に輝いた極上の湯。そして、奈良時代から続く伝説と独特の文化が息づく集落です。

奈良田温泉とは

奈良田温泉は、山梨県南巨摩郡早川町に位置する温泉地です。町の面積の96%を山林が占めるという地形の、最も奥深い場所に奈良田の集落はあります。「民俗学の宝庫」とも称され、古き良き日本の原風景を今に残しています。

アクセスは決して便利とは言えません。最寄りのICから車でも約50分、バスならば最寄り駅から1時間以上かかります。しかし、この不便さこそが、奈良田の豊かな自然と文化を守ってきた最大の要因といえるでしょう。

奈良田温泉の歴史

紅葉の早川渓谷奈良田温泉

紅葉の早川渓谷奈良田温泉(Photo by PIXTA)

孝謙天皇の伝説

奈良田温泉の歴史は奈良時代まで遡ります。伝説によれば、天平年間(729年〜749年)、病を患っていた孝謙天皇が「甲斐の国の山奥に霊泉がある」という夢のお告げを聞き、はるばる都からこの地を訪れたとされています。

天皇はこの地の七段の棚田を見て「奈良の都は七条、この地は七段。ここも真に奈良なり」と仰せられたことから、「奈良田」の地名が生まれたと伝えられています。天皇はここで8年間療養し、村人は天皇を「奈良王様」と呼び敬いました。現在もその居所跡とされる場所には「奈良王神社」が建っています。

ダムに沈んだ温泉と、奇跡の復活

奈良田温泉には、もう一つ忘れてはならない物語があります。 1957年(昭和32年)、西山ダムの建設に伴い、かつての奈良田集落と当時の源泉は湖底に沈みました。

しかし住民たちは温泉への情熱を捨てませんでした。「もう一度、この地に温泉を」という思いで調査を続け、集落移転から約20年後の1978年(昭和53年)、ついに深度212m地点で新たな温泉を掘り当てました。これが現在、町営施設「奈良田の里温泉(女帝の湯)」で使われている源泉です。

さらに1997年(平成9年)には新たな源泉も湧出。こちらは時間とともに色が変化する神秘的な湯で、「七不思議の湯」として白根館で親しまれています。

アクセス情報と重要な注意点

奈良田バス停

奈良田バス停(Photo by PIXTA)

秘境であるがゆえに、アクセスには事前の確認が必要です。

自動車でのアクセス

中部横断自動車道 下部温泉早川ICより約50分。
国道52号を南下し、身延町の「上沢」交差点より県道37号南アルプス公園線を北上してください。

※駐車場は必ず所定の場所(外良寺:ういろうじ)を利用してください。これより先には駐車場がなく、道も狭くなりUターンが困難です。 案内に従って手前で停めるようにしてください。

公共交通機関でのアクセス

JR身延線利用:
「身延駅」(バス約90分)または「下部温泉駅」(バス約70分)から早川町乗合バス「奈良田温泉行き」に乗車。

高速バス利用:
新宿から身延行き高速バスに乗り、「飯富ふれあいセンター」下車。道向かいの停留所から早川町乗合バスに乗り換え。
※バスの本数が少ないため、必ず時刻表を確認してください。

奈良田温泉ならではの過ごし方

奈良田湖

奈良田湖(Photo by PIXTA)

何もしない時間を味わう

奈良田温泉の魅力は、情報や予定から少し距離を置いて、静かな時間を過ごせることにあります。早川町は面積の約96%を山林が占める自然豊かな町で、奈良田温泉は町の最奥部に位置します。湯に浸かり、湯上がりに腰を下ろして、渓谷を流れる川の音に耳を澄ます。そんなゆったりとした時間の過ごし方が、この地ならではの楽しみです。

早川渓谷の四季を感じる

奈良田温泉へ向かう道中では、早川沿いの渓谷美を楽しめます。早川渓谷の紅葉の見頃は11月上旬〜11月下旬ごろと案内されており、主な樹木はカエデ、ケヤキ、ナラなどです。新緑や紅葉など、季節ごとに表情を変える景観も、奈良田温泉へ向かう旅の魅力のひとつです。運転時は山間部の道路状況に注意しながら訪れるのがおすすめです。

まとめ

奈良田温泉は、便利さとは無縁の場所にあるからこそ残された「本物の癒やし」があります。極上の泉質、長い歴史、そして静かな山里の空気。時間をかけて訪れる価値のある、日本有数の名湯です。ぜひ次の休日は、南アルプスの秘境で心身を解きほぐしてみませんか。

旅色編集部 しばた

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記事企画・監修:旅色編集部 しばた

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