【日光湯元温泉】標高1,500mの奥日光に湧く乳白色の硫黄泉|観光完全ガイド

時計アイコン2026.03.11

【日光湯元温泉】標高1,500mの奥日光に湧く乳白色の硫黄泉|観光完全ガイド

栃木県日光市、奥日光の最奥に位置する「日光湯元温泉(にっこうゆもとおんせん)」。1200年以上の歴史を持つこの古湯は、954年(昭和29年)には、酸ヶ湯温泉・四万温泉とともに国民保養温泉地の第1号指定を受けました。

標高約1,500mの高原に湧く乳白色の硫黄泉は、硫黄の香りとなめらかな肌触りが特徴。湯ノ湖のほとりに佇む静かな温泉街には約23軒の宿泊施設が並び、世界遺産・日光東照宮、華厳の滝、中禅寺湖、戦場ヶ原と、日本を代表する自然・文化遺産が集まる日光エリアの奥座敷として、四季折々の絶景とともに極上の湯を楽しめます。

日光湯元温泉の泉質

乳白色の露天風呂

乳白色の露天風呂(Photo by PIXTA)

乳白色の硫黄泉

日光湯元温泉の泉質は、硫化水素型の単純硫黄泉。源泉温度は49.3〜78.9度、pH6.33〜6.6の弱酸性です。源泉は無色透明ですが、 地上で空気に触れることにより乳白色に変化し、時にエメラルドグリーンに色づくこともあります。

わずかにとろみをおびた乳白色の湯は、硫黄泉特有の香りとともにじんわりと体に染み込むような心地よさ。湯の花が浮かぶ白濁の湯はメタケイ酸を多く含み、健やかな肌へと整えます。

泉質の特徴

神経痛、筋肉痛、関節痛、慢性皮膚病、慢性婦人病、糖尿病、高血圧症、動脈硬化症、切り傷、病後回復期等に良いとされています。

1878年(明治11年)に湯元温泉を訪れたイギリス人女性旅行家イザベラ・バードも、当時この温泉がリウマチや頑固な皮膚病に評判のある温泉として有名であったことを記録に残しています。

日光湯元温泉の歴史

湯滝

奥日光の湯滝(Photo by PIXTA)

勝道上人による発見

日光湯元温泉の開湯は788年(延暦7年)。日光山を開いた僧・勝道上人が、この地で温泉を発見し「薬師湯」と名付けたのが始まりと伝えられています。勝道上人は病苦を救う薬師瑠璃光如来を祀り、温泉寺を建立しました。

その後、次々と新しい源泉が発見され、かつては「二荒山温泉」と呼ばれました。江戸時代には輪王寺宮の直轄のもと、中禅寺別所の管轄下で湯守が管理する混浴の共同浴場として利用されていました。

イザベラ・バードが記した温泉

1878年(明治11年)6月、イギリス人女性旅行家イザベラ・バードが日光滞在中に湯元温泉を訪れ、宿泊しています。バードの記録によると、当時の湯元温泉は大勢の湯治客でごった返しており、宿屋は内外ともに清潔で、宿泊客はお茶やお茶請けの菓子、凍った雪でもてなされていたといいます。

また、湯元には密集した村落があり、住人は毎年10月10日に冬支度として住宅をむしろで包み、翌年5月10日まで週交代の当番を残して低地で暮らしていたことなども書き残しています。冬の厳しさを物語るエピソードです。

国民保養温泉地第1号

昭和の初期までは主に夏だけの湯治場でしたが、戦後はスキー場の開設もあり通年の観光拠点として発展。1954年(昭和29年)には、酸ヶ湯温泉(青森県)・四万温泉(群馬県)とともに、国民保養温泉地の第1号に指定されました。

温泉寺と湯元源泉地

湯元温泉の源泉

湯元温泉の源泉(Photo by PIXTA)

温泉寺

世界遺産「日光山輪王寺」の別院である「温泉寺(おんせんじ)」は、日光湯元温泉の歴史を象徴する存在です。788年に勝道上人がこの温泉を発見し、薬師瑠璃光如来を祀ったのが始まり。かつては中禅寺上人と日光奉行の許可がなければ温泉に入ることすらできなかったと伝えられています。

昭和41年(1966年)の台風で薬師堂は崩壊しましたが、御本尊の薬師如来像は奇跡的に無事。この奇瑞に感激した地元の人々と輪王寺の発願により、1973年(昭和48年)に現在の御堂が再建されました。現在ではどなたでも参篭して入浴でき、全国でも大変めずらしい「温泉に入れるお寺」として参詣者が絶えません。

湯元源泉地

温泉街のはずれ、湯ノ平湿原に日光湯元温泉の源泉地があります。各源泉は屋根によって保護されており、大地からぶくぶくと湧き上がる白濁した湯と、もうもうと立ち上る湯煙を間近で見学できます。温泉が「つくられる現場」を目の当たりにできるのは、全国的にもめずらしい体験です。

ここから湧き出す源泉は、湯元の各旅館だけでなく、光徳温泉や中禅寺温泉にまで配湯されています。冬には一面の雪景色の中に湯煙が立ち上る幻想的な光景が広がります。

あんよの湯

温泉街の中央にある足湯施設「あんよの湯」は、約40人が同時に利用できる広々とした造り。屋根付きで雨の日も利用可能です。湯の花が舞う乳白色の硫黄泉を無料で気軽に楽しめるため、ハイキングや観光帰りの休憩スポットとして人気を集めています。冬季(12月中旬〜4月中旬頃)は閉鎖となります。

周辺の観光スポット

奥日光湯ノ湖

奥日光湯ノ湖(Photo by PIXTA)

湯ノ湖

湯元温泉のすぐ目の前に広がる周囲約3kmの湖。三岳溶岩流によって湯川がせき止められてできた湖で、標高は約1,478m。湖畔には遊歩道が整備されており、一周約1時間のハイキングが楽しめます。特に秋の紅葉シーズンは、湖面に映る色鮮やかな木々が絶景です。釣りやキャンプを楽しむ人も多く訪れます。

湯滝

湯ノ湖の南端より流れ落ちる高さ70m、長さ110m、最大幅25mの大きな滝。華厳の滝、竜頭の滝と並ぶ奥日光三名瀑のひとつです。三岳溶岩流の岩壁を湖水が滑り落ちるその姿は、迫力がありながらも優美。滝壺のすぐ目の前に観瀑台が設置されており、水しぶきを浴びるほどの距離から迫力ある姿を眺められます。戦場ヶ原より北上するハイキングコースの途中にあり、バス停「湯滝入口」からも近いため、アクセスしやすいスポットです。

戦場ヶ原

湯元温泉より車で約15分。標高約1,400mに広がる広大な湿原で、日光国立公園を代表する景勝地です。ラムサール条約にも登録された湿地の一部で、木道が整備されたハイキングコースでは、季節の高山植物や野鳥を観察しながら雄大な自然を満喫できます。

中禅寺湖・華厳の滝

湯元温泉より車で約30分。標高1,269mに位置する中禅寺湖は、日本を代表する高山湖のひとつです。南岸には落差97mの華厳の滝があり、エレベーターで観瀑台に降りると、轟音とともに落下する圧巻の姿を目の当たりにできます。

日光東照宮

湯元温泉より車で約40分。世界遺産「日光の社寺」の中核をなす神社で、陽明門や眠り猫、三猿など見どころに事欠きません。湯元温泉を拠点に、奥日光の自然と日光の歴史・文化を一度の旅で楽しめるのが大きな魅力です。

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中禅寺湖の絶景を望むレイクビューのホテル

2022年4月にリブランドオープンした、中禅寺湖を一望できるロケーションが魅力のホテル。客室や露天風呂、レストラン、「レイクビューラウンジ」など、館内のさまざまな場所から湖と周囲の山々が織りなす景色を楽しめます。大浴場では、日光湯元温泉の源泉100%掛け流しの湯を満喫できます。

館内ではアクティビティや夕食時のドリンクなどを無料で利用できるサービスもあり、滞在をより豊かにしてくれます。周辺の観光スポットへのアクセスも良く、思い思いの過ごし方ができるホテルです。

日光湯元温泉へのアクセス

奥日光湯元温泉街

奥日光湯元温泉街(Photo by PIXTA)

電車・バスでのアクセス

東武日光駅またはJR日光駅より:
東武バス「湯元温泉行き」で約80〜85分、終点下車。

新宿より:
東武鉄道の特急「スペーシアX」で浅草駅〜東武日光駅まで約2時間、その後バスで約80分。または東北新幹線で宇都宮駅経由、JR日光線で日光駅へ向かうルートもあります。
バスはいろは坂を経由するため、紅葉シーズン(10月中旬〜11月上旬)は大幅な渋滞が発生することがあります。時間に余裕を持った計画をおすすめします。

車でのアクセス

東北自動車道 宇都宮ICより:
日光宇都宮道路を経由し、清滝ICより国道120号(いろは坂)を経て約40分。

関越自動車道 沼田ICより:
国道120号(金精峠経由)で約60分。冬季は金精峠が通行止めとなるため注意が必要です。紅葉シーズンのいろは坂は激しい渋滞が発生します。早朝出発や金精峠ルート(10月下旬頃まで通行可能)の利用も検討してください。

冬季アクセスの注意

湯元温泉は標高1,500mに位置するため、冬季(12月〜3月頃)は路面凍結や積雪があります。スタッドレスタイヤまたはチェーンの装着が必須です。金精峠(国道120号線)は例年12月下旬〜4月下旬頃まで冬季通行止めとなります。

日光湯元温泉ならではの魅力

標高1,500mの「天空の硫黄泉」

日光湯元温泉の最大の魅力は、標高1,500mの高原に湧く本格的な硫黄泉であること。首都圏より約3時間のアクセスで、乳白色の濁り湯に浸かれる硫黄泉は貴重な存在です。夏は涼しく避暑地として、冬は雪見風呂と、標高の高さが四季折々の温泉体験をより特別なものにしてくれます。

世界遺産と秘湯を一度に楽しめる

日光東照宮をはじめとする世界遺産「日光の社寺」と、奥日光の秘湯を一度の旅で楽しめるのは大きな魅力です。湯ノ湖、湯滝、戦場ヶ原、中禅寺湖、華厳の滝と、日本屈指の自然景勝地が徒歩圏内〜車で約30分以内に集まっており、温泉を拠点にハイキングや自然観察を楽しみ、疲れた体を硫黄泉で癒やす。自然と温泉が見事に調和した、奥日光ならではの過ごし方ができます。

まとめ

日光湯元温泉は、788年の開湯より1,200年以上の歴史を持ち、国民保養温泉地第1号にも選ばれた奥日光の名湯です。乳白色の硫黄泉、温泉に入れるお寺「温泉寺」、湯煙が立ち上る源泉地の散策と、ここでしかできない温泉体験が待っています。奥日光の雄大な自然と世界遺産の歴史・文化とあわせて、ぜひ一度足を運んでみてください。

旅色編集部 しばた

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記事企画・監修:旅色編集部 しばた

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