浅田政志の宿旅

旅の目的は、あの宿に泊まること―。メルヘンな宿泊体験を切り取る写真連載。第44回は、北海道の爽やかな緑のなかで森の妖精のように気ままに過ごせる宿。個性的な体験が、最高の夏休みにしてくれます。
浅田政志の宿旅
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童話の世界にチェックイン

Vol.44「グランピングリゾート フェーリエンドルフ」北海道中札内村

10万坪にも及ぶ敷地内に、50棟以上のコテージと10張のグランピングテント、温泉・サウナ、カフェなど充実の設備があります。フロントや売店がある「センターハウス」の暖炉は一際大きいですが、コテージにはすべて暖炉が備え付けられ、まるで童話の世界のよう。
グランピングリゾート フェーリエンドルフ
グランピングリゾート フェーリエンドルフ
ヘンゼル、帰れる?
森の中に立ち並ぶコテージは、ドイツの古民家を参考に、ハーフティンバー様式という梁などが露出したヨーロッパの伝統的な技法が用いられています。このような西洋建築が立ち並ぶ様子は日本では珍しく、ますます現実感が薄らぎます。コテージを繋ぐ小道を歩けば、魔女の家に遭遇するかもしれません。
自然をつまみ食い
敷地内には、無農薬の野菜を育てている畑も。宿泊者は収穫体験が可能で、時期によって種類は変わりますが、2~3種類の野菜やフルーツが穫れるとか。
グランピングリゾート フェーリエンドルフ
ポニーへの餌やり体験などアクティビティが充実。敷地内にはモモンガやエゾリス、エゾフクロウも暮らしているので配慮をお忘れなく。ファットバイク(1時間1,100円)で、周辺に広がるのびやかな一本道や牧歌的な風景の中へとサイクリングに出るのもおすすめです。
ゆかいな仲間たち
最初の晩餐
カフェや設備の整った炊事場もありますが、各棟のウッドデッキにBBQグリルが付いているのも特徴。注文すれば、地元の食材をふんだんに使ったBBQのほか、カレーやアヒージョなどを届けてもらえます。
グランピングリゾート フェーリエンドルフ
グランピングリゾート フェーリエンドルフ
貴族の朝
コテージタイプは、親しげなカントリースタイル、格調高いヨーロッパスタイル、ハイクラスなスーペリアなどさまざま。しかも寝室が3部屋ずつあるので使い方も自分次第。優雅な朝を約束してくれます。
グランピングリゾート フェーリエンドルフ
秘技「なんでもおいしくする」
お土産には、冷たい煙で時間をかけて燻製することで、食材の旨みや香り、食感を生かす手法「冷燻(れいくん)」されたオリジナル商品を。「十勝魔法のマヨネーゼ」は、地元産の卵を使った自家製マヨネーズを冷燻したもので、こっくりとしたコクと爽やかな酸味、ふわっとまろやかな舌触りで、野菜などにディップするだけでなく、唐揚げに付けたり、炒めものに使うのもおすすめ。味はプレーン、柚子、カレーの3種で100g800円、200g1,500円。
グランピングリゾート フェーリエンドルフ
たぶん、ここが楽園
森の中にコテージがあり、アクティビティやスパが充実し、食事もでき、まるで別荘のよう。どこを切り取っても絵になる情景、穏やかな時間の流れに、ここが楽園だと誰もが思うはずです。

グランピングリゾート フェーリエンドルフ

「とかち帯広空港」から車で約15分、爽やかな緑のなかにあるリゾート。元々はドイツをモチーフにしたテーマパークと併せて建設された保養地をリニューアルしたもので、どこか日本離れした雰囲気です。グランピングコテージのほか、ハイクラスのコテージやドーム型テントなど宿泊スタイルも多彩。2022年夏にオープンしたスパは、モール温泉と本格的なフィンランドサウナが完備され、夜は満天の星の下で外気浴ができます。

住所/北海道河西郡中札内村南常盤東4線
電話/0155-68-3301(11:00〜18:00)
料金/8,700円~(貸切グランピングコテージ、予約は2名より)※時期により金額は異なります

浅田政志
Masashi Asada浅田政志
1979年三重県生まれ。2007年に写真家として独立。2008年、写真集『浅田家』(赤々舎刊)で第34回木村伊兵衛写真賞を受賞。2020年、『浅田家!』として映画化された。著書に『NEW LIFE』(赤々舎刊)、『家族新聞』(幻冬舎刊)、『浅田撮影局 まんねん』(青幻舎)など。また、国内外で個展、グループ展を精力的に開催している。8月7日(月)まで、キャノンギャラリーs(東京都品川区)にて、写真展「Canon Colors」を開催中。
https://www.asadamasashi.com/