名鉄電車の「まる乗り1DAYフリーきっぷ」で楽しむ桜はしご旅
三重県在住。愛読書は時刻表。暇さえあればリュックひとつで旅に出かけるLIKESライター・なおは、こよなく愛する鉄道を使い、温泉や絶景巡りをしています。桜をこよなく愛する私は花見の時期はとても忙しい。できるだけ多くの場所で桜を見たいと地元の名古屋鉄道に乗って花見をはしごしてきました。
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こんにちは、なおです。今年は桜の開花が早かったですね。記録的な早さで開花して、桜前線が一気に北上していきました。毎年桜を追いかけて旅行をしているのですが、予定を少し早めて行動することになり、スケジュール調整に追われました。
わたしが住む東海地方ではおそらく花見を楽しめる最後の週末になるであろう4月2日。愛知、岐阜両県を走る名古屋鉄道(通称:名鉄)を使って沿線の桜の名所をはしごして楽しむことにしました。名鉄と、東海地方の桜の名所の魅力が伝わればうれしいです。
名鉄を1日乗るなら欠かせない「まる乗り1DAYフリーきっぷ」
今回の旅では、何度も名鉄を乗り降りします。私鉄は基本的に途中下車できないのでその都度切符を買うことになりますが、高くつきます。
乗り降り旅には「まる乗り1DAYフリーきっぷ(3,200円)」が最適です。名鉄電車は1日乗り放題だけでなく、オフピークの10時~16時は特別車にも乗り放題です。本来は「ミューチケット(360円)」が必要なのに、最強チケットです。もっとたっぷり名鉄に乗って旅をしたい、という方には2日間乗り放題の「名鉄電車全線2DAYフリーきっぷ(4,000円)」もあります。
名鉄名古屋駅から特急に乗って最初の目的地に向かいます。
家康生誕の地、岡崎は県指折りの桜の名所
豊橋行の特急に乗って30分で東岡崎駅に到着します。地元の人には「ひがおか」と呼ばれ親しまれている岡崎市の中心駅です。私は10年間岡崎市に勤めていましたのでとても親しみのある場所です。
駅から2分ほど歩けば乙川(おとがわ)に沿って岡崎城まで続く、素晴らしい桜並木に到着します。
もう散ってしまっていないか心配していましたが、まだしっかり花が残っていて安心しました。桜の季節はよく寄り道をしてから職場に行ったものです。
お花見期間のみの運航している遊覧船も川を行き交っていました。川から眺める桜はまだ体験したことがないので、一度楽しんでみたいです。
東岡崎駅からゆっくり20分ほど歩くと、岡崎城のある岡崎公園に到着します。城の天守から眺める街の景色は格別!なのですが今年は行列ができています。岡崎城はいわずと知れた徳川家康生誕の地。大河ドラマで家康が取り上げられていることもあって、観光客でとても賑わっています。桜の季節となれば混雑もまさに最高潮です。
わたしは「鉄道旅ライター」ですので鉄道の写真を。城からさらに東に行くと鉄橋がかかっていて、名鉄電車が渡っていく姿が見られます。桜の時期でなくても有名な撮影スポットですが、桜とのコラボは格別ですね。
桜を楽しみながら歩けば隣の岡崎公園前駅もすぐ。岡崎城が目的ならこちらが駅を利用してください。
■プラスワン情報①
東岡崎駅から3駅の宇頭(うとう)駅の駅前にはローカルスーパー「ダイワ」があります。高級フルーツをぜいたくに使った上に断面が美しいことから全国的に有名なフルーツサンドがあります。ぜひ花見のお供にどうぞ!
◆ダイワスーパー
住所:愛知県岡崎市宇頭町山ノ神
営業時間:10:00~19:30
定休日:月曜日
アクセス:名古屋鉄道本線宇頭駅前
鯉のぼりと桜の町、岩倉
岡崎公園前駅から再び電車に乗車し、新安城駅で特急新鵜沼(しんうぬま)行に乗り換え名鉄名古屋駅を通過してさらに北へ。小一時間で岩倉市の中心駅、岩倉駅に到着します。なお、岩倉駅は犬山線の駅なので名鉄岐阜行ではなく新鵜沼行の特急に乗る必要があります。名鉄は支線に入る列車が多いのでどこに行く列車なのかしっかり確認しないと、とんでもない場所に行くことになりますから注意が必要です。
駅から商店街を抜け、5分ほどで桜並木のある五条川に到着。菜の花とのコラボがとても美しいです。
桜はまだまだ満開ですが、川に落ちた花弁が下流に流れていく「花筏(はないかだ)」も見られました。桜が散ってしまうのは寂しいですが、川面がピンクに染まる景色も美しい。
岩倉市は鯉のぼりの町としても有名です。2月から4月にかけて、鯉のぼりの“のり”を落とすために五条川に泳がせて洗う「のんぼり洗い」が見られます。岩倉の春の風物詩です。
国宝の城が桜に映える犬山城から犬山祭りへ
岩倉駅から再び特急に乗って約15分、犬山遊園駅で下車しました。犬山市は愛知県きっての観光都市で、かつてはモンキーパークに向かうモノレールが出ていたのですが2005年に廃止されてしまいました。そのため今ではかなり寂しい駅になってしまいましたが、犬山城に向かうには便利です。
犬山遊園駅のすぐ北には木曽川を渡る鉄橋があって、電車が渡っていく様子を間近に見ることができます。2000年まではこの鉄橋を車と並走していました。今は車の方は別の橋を通っています。
と、鉄道の話をし始めればどれだけでもできるのですが、話を桜に戻します。
駅から犬山城に向かう道は桜並木の向こうにお城を眺めることができる絶景スポットです。
当初の予定であれば、犬山城から木曽川や犬山の街並みの景色を眺めようと思っていたのですが、犬山祭りの日に訪れてしまい犬山城は遠回りするうえ大変な混雑ということ。せっかくの祭りなので絢爛豪華な山車を見て楽しむことにしました。
少しお腹が空いたので腹ごしらえします。城下町の通りにある木曽川商店。木曽川も長良川と同様、鵜飼※1が有名です。捕れた鮎の塩焼き(700円)が絶品で、外はカリッと焼かれ、中は身がふわっとしています。脂がのっていておいしいですよ!
※1 飼いならした鵜を使って鮎などを獲る伝統的な漁法
◆木曽川商店
住所:犬山市犬山北古券71
営業時間:10:00~17:00
定休日:不定休
アクセス:名古屋鉄道犬山線犬山遊園駅から徒歩約13分
■プラスワン情報②
岩倉駅から犬山方面に向かう途中にある「布袋の大仏(ほていのだいぶつ)」。桜に囲まれてきれいなのですが、踏切の警報機がちょうど目のところに重なりサングラスをかけているように見えることから「サングラス大仏」として知られています。駅周辺も布袋様が並んでいて歩いていて楽しいですよ。
◆布袋の大仏
住所:江南市木賀町大門
アクセス:名古屋鉄道犬山線布袋駅徒歩約11分
各務原(かかみがはら)市民憩いの場所で花見の締めを
犬山駅まで歩き、名鉄岐阜駅に向かう各務原線に乗車して最後の目的地に向かいました。
下車したのは市民公園前駅。駅名の通り各務原市の市民公園がすぐ目の前にあり、桜まつりで大賑わいでした。
ご覧のような賑わいっぷり、でも肝心の桜がないような? 公園周りの桜は開花が早くもう散ってしまったようです。
公園の傍を流れる新境川(しんさかいがわ)はまだ桜が残っていました。今年最後になるであろう桜を名残惜しそうに眺めながら川沿いを歩く人で賑わっていました。
桜の向こうに川を渡る各務原線の列車を見ることもできました。名鉄電車に乗って岡崎から北上、1日で4ヶ所の桜を楽しみました。1ヶ所行けば十分、とも思いますが電車を使えばそれぞれに個性ある桜の風景をはしごで楽しむことができます。東海地方の桜はもう終わってしまいましたが、ぜひ来年、気に入った場所がありましたら名鉄電車で出かけてみてください。