大阪の都心部からほど近いまちでありながら豊かな自然や古代の文化が息づき、「トカイナカ」とも呼ばれる大阪府和泉市。農業や伝統工芸、由緒ある寺社や貴重な史跡、さらに世界的な美術作品まで。旅先としても、多彩な魅力にあふれています。「ものづくりと食が大好き。アートにも興味があります」という秋元真夏さんが、知的好奇心を満たす一泊二日の和泉旅へ。見て、つくって、味わって、五感で楽しみ尽くします。
撮影/山田大輔 スタイリング/大内美里 ヘアメイク/中逸あゆみ
文/中野祐子(キーノート)

「間違えてもいい」「計画通りでなくてもいい」という考えから生まれた「さをり織り」。1969年、和泉市出身の城みさを氏が織機の製作からはじめ、独自の手織り方法を編み出しました。創始者自らが「世界一カンタンな手織り」と話したように、織機にあらかじめ張った縦糸に、コットンやウール、シルク、リネンなど好きな素材や色の横糸を通していくだけ。織りムラや不揃いな部分も直すのではなく、模様として生かすので、不器用さんも気軽にトライできます。約2時間でランチョンマット、約4時間でストールを仕上げられ、和泉旅の思い出の一枚になります。
住所/大阪府和泉市室堂町613-1 さをりの森
電話/0725-57-7022
営業時間/10:00〜17:00
定休日/木曜日、毎月0のつく日(10日、20日、30日)、年末年始、お盆
体験料/2時間でランチョンマット(40cm×50cm)2,200円、4時間でストール(タテ糸コットン黒・40cm×180cm)5,500円 ※オンラインで予約

「その土地のおいしいものをいただくことが旅の楽しみ」という秋元さんが訪れたのは、地元の農家さんから毎朝届く野菜や果物、地域の特産品がずらりと並ぶ道の駅。お料理もお菓子づくりも得意な秋元さんは、新鮮な野菜や果物を手に取っては「こんな食べ方はどうかな」とレシピが次々と浮かんでいる様子。みかんバームクーヘンをはじめ、和泉みかんを使ったオリジナル商品はお土産にぴったりです。併設のレストランでは旬の食材をふんだんに使った料理や、和泉みかんのソフトクリームなどの特製スイーツも。買い物から食事まで、和泉の味覚を満喫できるスポットです。
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住所/大阪府和泉市仏並町398-1
電話/0725-92-3888(代表)
営業時間/地場産品販売所9:00〜17:00、土・日曜日、祝日8:00〜17:00
旬菜レストランつむぎ 9:00〜17:00(LO16:00)
定休日/年末年始

道の駅では、大阪・関西万博の時に和泉市内産の木材「いずもく」をチェーンソーで彫ってつくられた「和泉ビリケン」がお出迎え。大阪・通天閣のシンボルとして有名なビリケンはアメリカ発祥の神様。足の裏を触ると願いが叶うそうで、秋元さんも旅の安全を願って、なでなで。
※2026年11月下旬~12月下旬まで不在

ランチはちょっと足を延ばして、槇尾山(まきおさん)の森の中にたたずむカフェへ。カリフォルニアで30年以上暮らしたオーナーが、旅館だった建物をリノベーション。外観は和の風情、扉を開けるとシーサイドのカフェのような雰囲気が素敵です。看板メニューはジューシーなパテとたっぷりの野菜をふわふわのバンズでサンドしたアメリカンバーガー。大迫力のサイズに目を丸くしながら、秋元さんは豪快にがぶり。「クリーミーなソースと甘いタマネギがアクセントになって、ペロリといただけちゃいます」。川が流れる中庭に設けられたウッドデッキテラスでいただくのもおすすめ。2階にはハンモック席やテント席があり、室内にいながらアウトドア気分を味わえます。
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住所/大阪府和泉市槇尾山町86-1
電話/0725-90-5325
営業時間/11:00〜17:00(LO16:30)
定休日/金曜日

1899年創業の日本茶専門店の五代目・辻󠄀本智久代表がスタートさせたコーヒー店。「おいしいコーヒーを通して “すてきなじかん”を届けたい」と、Qグレーダー(国際生豆鑑定士)の資格を取得し、世界各国から選び抜いたスペシャルティコーヒー豆を自家焙煎して販売しています。毎朝ハンドミルで豆を挽くほどコーヒーが好きな秋元さんは、バリスタの説明を熱心に聞きながら、産地や焙煎度合いによって変わる香り、味をテイスティング。「好みの豆に出会えました」とにっこりです。パンやあんことのマリアージュを楽しむシリーズをはじめ、オリジナルブレンドのドリップコーヒーの種類が多いこともこの店ならでは。お気に入りを見つけて、自分用やお土産にどうぞ。
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住所/大阪府和泉市春木町1156-1
電話/0725-54-3017
営業時間/月〜木曜日12:00〜17:00、土曜日・祝日11:00〜17:00
定休日/金・日曜日(長期休暇・臨時休業あり)

明治期から和泉の地にて綿業で栄えた久保惣株式会社が地元への記念として、久保家のコレクションと美術館の土地・建物・基金を市に寄贈し、昭和57年に開館。現在では、葛飾北斎や歌川広重などの浮世絵版画、宮本武蔵の水墨画、モネやルノワールといった印象派の作品まで、国宝・重要文化財を含む約13,000点を収蔵する美術館となりました。「これほどの名品が揃っているなんて」と驚く秋元さんは、東洋と西洋の美が静かに響き合う館内をじっくりと巡り、作品に込めた作者の意図に思いをはせます。敷地内には四季折々の花や緑に包まれる庭園、茶室、市民ギャラリーや音楽ホールも併設。展覧会や催しをチェックして、上質なアート時間にぜひ身をゆだねてみては。

ランチは、ECを中心に展開するファッションブランド「antiqua」が創業の地である和泉に開いたカフェ&ショップで。コンクリート打ちっぱなしのスタイリッシュな空間が美術鑑賞で満たされた心をさらに刺激してくれます。カフェメニューには、市場にはなかなか出回らない自然栽培米や旬の食材を使った一品や、創作パスタ、デザートなどが揃います。とくに油淋鶏とヤンニョムチキンが評判で、足繁く通う地元ファンもいるほど。食事もショッピングも楽しめる、一度で二度おいしいスポットです。
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住所/大阪府和泉市はつが野3-13-4
電話/0725-53-0200
営業時間/9:00〜18:00
定休日/月曜日
※支払いはキャッシュレスのみ

和泉市は古くからガラス細工が発達してきました。その素材となるのがガラス棒。「佐竹ガラス」は1927年の創業以来、工芸用のガラス棒を作り続け、今では日本で唯一の存在に。「いずみガラス」としてガラス棒は国の伝統的工芸品にも指定されています。ガラス棒の製造は見学可能なので、秋元さんも工場へ。約1,000度の熱で飴状に溶かしたガラスを鉄棒に巻き付け、約20メートルのレールに沿わせて人力で引き伸ばします。人力で一定の太さに引き伸ばし、ガラスが固まる寸前でどんどんカットしていく職人技は「すごいの一言です」。見学の後は工場内の工房でガラス玉作りに挑戦。手先が器用な秋元さんは瞬く間にコツを掴み、丸くキレイなガラス玉を次々とつくり上げました。完成したガラス玉の一つをストラップに。「自分でつくったものをお土産にできるのは素敵ですね」。

正式名は「信太森神社」、別名「葛葉稲荷神社」。映画やドラマでも知られる陰陽師・安倍晴明の母親である白狐・葛の葉の伝説を今に伝える神社です。御神木の「千枝(ちえ)の楠」は樹齢2,000年以上。幹が根元から二手に分かれて伸びていることから「夫婦楠」とも呼ばれ、良縁や夫婦・家族円満、「ちえ=知恵」にちなみ、学業成就や事業繁栄にも御利益があるとされています。境内には白狐が葛の葉の姿に化ける時に鏡として使ったといわれる「姿見の井戸」や、自身の正体を知られた際に障子に書き残した歌の碑など、伝説にまつわる場所も。ゆかりの地を巡りながら、神社を包む神秘的なエネルギーを感じてみて。
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住所/大阪府和泉市葛の葉町1-11-47
電話/0725-45-7306
社務所受付時間/9:00〜16:00
定休日/なし
拝観料/無料

弥生時代最大級の環濠集落跡である「池上曽根史跡公園」。1995年の発掘調査では、約2,000年前の建物の柱とされるヒノキの丸太が腐らず出土し、考古学界を驚かせました。このとき共に出土した土器に描かれていた絵を参考に復元されたのが、公園のシンボル・掘立柱建物「いずみの高殿」です。神事に使われていたようで、高さ約11メートル、広さ約80畳のスケールは圧巻。園内には他にも、直径2.3mのクスノキをくりぬいた巨大な「やよいの大井戸」や竪穴建物も復元されています。弥生人の高度な技術や暮らしに想いをはせながら、園内を散策してみては。
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住所/大阪府和泉市池上町4-14-13
電話/0725-99-8163(和泉市文化遺産活用課)
時間/高殿や井戸のエリアは10:00〜17:00※公園エリアは入園自由
池上曽根弥生情報館の定休日/月曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日(土日は除く)、年末年始※公園エリアは無休
入園料/無料

2日間の和泉旅のラストは、果物専門店「アオイ農園」に併設されたパフェとクレープのお店でフルーツ三昧。池内良一社長が毎朝市場で目利きした旬の果物を、パフェやクレープ、ジュース、タルトとして提供しています。主役はあくまで果物。生地やクリームも、果物の甘さやみずみずしさを損なわない味わいに仕上げられています。しかも、店頭にも並ぶ高級果物を惜しげもなく使うことがお店のこだわり。パフェは器からはみ出るくらいに盛られ、底までたっぷり入っていて、なんともぜいたく。果物のおいしさを再発見でき、旅の思い出にも彩りを添えてくれます。季節ごとに果物の種類は変わりますが、果物の組み合わせ次第で常時100種類近くのメニューをラインナップ。スイーツで味わった果物を、店頭で購入することもできます。
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住所/大阪府和泉市葛の葉町3-3-11
電話/0725-41-6955
営業時間/10:00〜20:00
定休日/年中無休 ※12月31日〜1月5日は短縮営業
