Special Interview Sara Minami
Special Interview 戸田菜穂
自然体のようでいて、一分の隙もない俳優然とした優美な雰囲気を漂わせる俳優の戸田菜穂さん。それでも旅を続けるなかで、飾らない誠実な対応や照れた笑顔に芯のある大人ならではの余裕と人間味を感じさせられます。さまざまな経験と多くの旅を重ねて、確かな自分軸をもつ戸田さんが見つけた恵庭市の魅力とは?アクティブなプライベート旅についても教えてもらいました。写真/中野修也(TRON) スタイリング/大沼こずえ ヘアメイク/太田瑛絵 文/近藤由美

これまでに北海道や恵庭市を訪れたことは
ありますか?

はい、北海道には何度も来ています。恵庭市を通過することもあったと思いますが、そのことを意識したことはありませんでした。自宅で花を活けたり、ハーブや南国風の観葉植物を育てたりしているので、今回、花のまちを旅できると聞いて楽しみにしていました。

最初に訪れた「花の拠点 はなふる」の印象を
教えてください。

実際に近くで見たガーデンでは、アナベルや萩といった花がきれいに咲いていました。ススキなどのグラス系の植物の枯れた感じも好きですし、アップルミントやスペアミント、タイムなどのハーブも素敵で。私、タイムをあんなに上手に育てられないので「ガーデナーさんってすごい!」と思いました。季節を変えてもっとたくさんの花に会ってみたいです。

ご自身で育てたハーブを料理に使われることも?

そうですね。例えば、ミントはモヒートにしたり、サラダに混ぜたり。そこにライムをちょっと絞ると一気に異国の味になっておいしいんです。ミントは水が大好きなので、水やりをちゃんとすれば比較的簡単に育てられるんですよ。葉に触れて香りを楽しむだけでも元気になります。

花や植物から毎日、力をもらっているんです。自然の風景って本当に美しい 花や植物から毎日、力をもらっているんです。自然の風景って本当に美しい

普段の旅について教えてください。

最近は母親の誕生日のお祝いで韓国に行ってきました。時間があると、どんどん外へ行くアクティブなタイプで。家でぼ~っとしていることってあまりないです(笑)。ロケ先でも、時間を見つけたらひとりで骨董品屋さんに行ったりしますし、どこでもひとりで入っていきます。

その行動力でどんな楽しみ方をされていますか?

京都に行った時は路地裏に「おいしそうなお店だな」と思える良さそうな場所があって、飛び込んでみたり。絶対に行きたいレストランは予約しますが、楽しみがなくなる気がするから調べすぎないんです。調べすぎないことで、おもしろい出会いがある。自分の嗅覚を鍛える感覚ですね。

失敗はないんですか?

失敗というか、20歳のときに初めてのひとり旅で箱根の富士屋ホテルに泊まったことがあるんですが、夕食がまさかの広いダイニングルームで。しかもフランス料理のフルコース! ワイワイと楽しそうに食事をされている皆さんに囲まれてひとりポツンと食べるのは寂しかった……。でも今思えばそれもいい思い出です。

「Gelateria Gigi(ジェラテリア ジジ)」の
ジェラートの味はいかがでしたか?

ミルクの新鮮さを感じるおいしいジェラートでした。ピスタチオのジェラートは、ピスタチオをそのまま食べているような濃厚さで、「どうやって作っているんだろう?」と思いました。私、甘すぎるものが苦手なんですが、こちらのジェラートは甘すぎない大人のスイーツでちょうど良かったです。高さのあるワイルドな盛り付けやお店の雰囲気もあってか、フィレンツェで食べたジェラートを思い出しました。

食べ物の記憶と旅の思い出が
リンクしていることはよくありますか?

そうですね、食は旅の醍醐味ですから。「Gelateria Gigi」さんのジェラートをいただいたら、イタリアでは喉が渇いたり買い物で疲れたりすると大人も気軽にジェラートを食べるので、そんなイタリアの風景や街の空気感がよみがえりました。

少し足を伸ばして「白扇の滝」を見学しました。

滝がもともと好きなんです。いい“気”が流れている感じがして、そういう場所に行くのが好きで。でも滝のあるスポットって少し奥まっていたり、行きにくい場所にあったりするから、恵庭市の滝はアクセスが良くていいですね。しかも紅葉の時期にぴったり行けることはまずないので、今回は美しい景色が見られて幸せでした。

滝のほかに、旅の目的になるほど
好きなものは?

雪を見るために、わざわざ新潟の南魚沼へ行くことがあります。スキーとかウィンタースポーツはしないんですが、雪見をしに行きます。雪のある風景は静かで、吸い込まれそうというか……神秘的ですよね。ざわめきから開放されて、思考が研ぎ澄まされる気がするんですよね。それに海が好きなので、宮古島や伊豆にもよく行きます。

コート143,000円(Kartika|チェルキ https://cerchi.thebase.in/)、ワンピース51,700円(L'acqua|チェルキ https://cerchi.thebase.in/)、イヤリング24,970円(TAKE-UP 03-3462-4771)、バッグ47,300円(VASIC|ヴァジックジャパン 03-6447-0357)、ローファー41,800円(Luca Grossi|WASH ルミネ横浜店 045-451-0821)

ネットで調べて知った気にならず、いろんなところに実際に行ってみる。実際に足を運ぶことで視野が開けます ネットで調べて知った気にならず、いろんなところに実際に行ってみる。実際に足を運ぶことで視野が開けます

今回の旅で印象に残っているスポットはありますか?

「サッポロビール工場」の見学ツアーです。普段飲んでいるビールの有り難みが増しました。ブランドコミュニケーターの方から、缶ビールを自宅でおいしく注ぐ“三度注ぎ”も教わりました。最初はワイルドにグラスも持たず、缶を高い位置に持ってバーっと思いっきり注ぐ、というのに驚きました。最初の泡を飛ばしてしまうのがコツだそうで、そんなこと知りませんでした! 実際に飲んでみると、いつもと全然違う。缶ビールで「泡までおいしい!」と思ったのは初めてかも。

旅の〆は、「庭園レストラン ヴァルハラ」で
ジンギスカンを味わいました。

ラム肉が柔らかくて、ビールともよく合いました。お肉が好きで、疲れたときは家でステーキを食べることがあるのですが、私、ステーキを焼くのが上手いんですよ(笑)。 お肉料理は元気が出るし、肌や髪にもいい。今回味わったラム肉も栄養たっぷりな感じがしました。

最後に、戸田さん流の旅を楽しむ極意を
教えてください。

まずは、実際に行ってみること。知らない世界に触れることで視野が開けることもあるし、原点に戻れることもある。旅は五感をフルに刺激する時間で、人を成長させてくれると思うんです。初めての場所に訪れるのもいいですが、「ただいま」と帰れるお気に入りのお店や町を見つけておくのもいいですよね。スポットでのおすすめは、昭和な雰囲気の喫茶店やマスターがひとりでやっているような静かなバー。きっと、いい出会いがありますよ。

コート132,000円(ViCOLO|チェルキ https://cerchi.thebase.in/)、ニット30,800円、シャツ57,200円(ともにL’EQUIPE 03-6861-7698)、スカート52,800円(PLAIN PEOPLE|PLAIN PEOPLE 青山 03-6419-0978)、イヤリング22,000円(TAKE-UP 03-3462-4771)、バッグ48,400円(VASIC|ヴァジックジャパン 03-6447-0357)、ローファー38,500円(PASCUCCI|WASH ルミネ横浜店 045-451-0821)

戸田菜穂
戸田菜穂 Naho Toda
Profile
広島県出身。第15回ホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを受賞したのをきっかけに芸能界デビュー。1993年の連続テレビ小説『ええにょぼ』のヒロイン・宇佐美悠希役を演じて注目を集める。その後も、大河ドラマ『義経』、『軍師官兵衛』をはじめ、テレビドラマ、映画や舞台で活躍するほか、ナレーションを務めることも。2025年度前期のNHK連続テレビ小説『あんぱん』では、主人公の夫役である柳井嵩の叔母・柳井千代子役での出演が決まっている。