【鉄輪温泉】別府八湯随一の湯けむりが漂う湯治の里|観光完全ガイド

時計アイコン2026.05.25

【鉄輪温泉】別府八湯随一の湯けむりが漂う湯治の里|観光完全ガイド

大分県別府市に湧く「鉄輪温泉(かんなわおんせん)」は、別府八湯の中でも最も多くの湯けむりが集まる湯治の里です。鎌倉時代から続く蒸し湯文化や、温泉蒸気を使った「地獄蒸し」など、ここでしか体験できない温泉文化が今も息づいています。湯けむりたなびくレトロな温泉街の魅力を、泉質・歴史・楽しみ方・アクセスも合わせて紹介します。

鉄輪温泉の泉質

鉄輪むし湯

鉄輪むし湯(Photo by PIXTA)

ナトリウム塩化物泉を中心とした多彩な湯

鉄輪温泉の泉質は、主にナトリウム塩化物泉です。温泉街全体から吹き上がる高温の噴気は、気液分離装置によって温泉水と蒸気に分けられ、温泉水は配管で各宿や施設へ届けられます。源泉温度が98度前後という高温のため、加水せずに湯温を調整する工夫として「湯雨竹(ゆめたけ)」と呼ばれる竹製の冷却装置が温泉街の随所に設置されており、鉄輪らしい情緒ある風景を生み出しています。

温泉地内には9カ所の共同浴場が点在し、塩化物泉のほか、含ホウ酸食塩泉など泉質の異なる湯を楽しめます。いずれも源泉掛け流しの湯を低価格で楽しめ、地元住民が日常的に利用するすぐそばで、旅人も湯浴みできるのが鉄輪ならではの魅力です。

【旅色厳選】おすすめ宿|灯りの宿 燈月

鉄輪の湯けむりを望む掛け流し露天風呂の宿

別府・鉄輪温泉を代表する宿のひとつが「灯りの宿 燈月」です。100%源泉掛け流しの大浴場と、2024年に新設された露天風呂を備え、夜は水面を照らす明かりの中で、朝はすがすがしい大分の空気を感じながら湯浴みを満喫できます。夕食はおおいた和牛をはじめとする大分の食材を活かしたビュッフェスタイルで、出来たての料理を好きなだけ楽しめます。

鉄輪温泉の歴史

かまど地獄

かまど地獄(Photo by PIXTA)

一遍上人が開いた750年の湯治場

開湯は1276年(鎌倉時代の建治2年)。念仏行脚の途中でこの地を訪れた一遍上人が地獄地帯を鎮め、湯治場を開いたのが始まりとされています。温泉街のいでゆ坂には現在も一遍上人の像が立ち、毎年9月には感謝を込めた「湯あみ祭り」が開催されます。

江戸時代には儒学者・貝原益軒も著書に鉄輪の蒸し湯を記しており、2012年(平成24年)には「別府の湯けむり・温泉地景観」として国の重要文化的景観に選定されました。

鉄輪温泉の楽しみ方

豆腐と野菜の地獄蒸し

豆腐と野菜の地獄蒸し(Photo by PIXTA)

薬草を敷き詰めた石室で蒸し湯を体験する

鉄輪温泉を代表する体験のひとつが「蒸し湯(むし湯)」です。温泉の噴気で温められた石室に、清流沿いにしか育たない薬草「石菖(せきしょう)」を敷き詰め、浴衣を着たまま横たわるスタイルで入浴します。石菖の清涼感あふれる香りに包まれながら体の芯から温まる感覚は、近代的なサウナとはまったく異なる鉄輪独自の体験です。

詩人の野口雨情が「豊後鉄輪、むし湯の帰り、肌に石菖の香が残る」と詠んだほど香り高く、8分間の蒸し浴びのあとに温泉で汗を流すとすっきりとした感覚が残ります。

地獄の蒸気で食材を調理する地獄蒸しを堪能する

鉄輪温泉のもうひとつの名物が「地獄蒸し」です。江戸時代から湯治客に親しまれてきたこの料理法は、源泉温度98度前後の温泉蒸気を利用して食材を蒸し上げるもの。高温の蒸気が素材の旨味をしっかりと引き出し、食材本来の甘みと風味が凝縮されます。

温泉街には食材を持ち込んで自分で地獄蒸しを体験できる施設があり、地元産の野菜や魚介、豆腐などを思い思いに蒸して楽しめます。

湯けむりたなびくいでゆ坂を散策する

温泉街のメインストリートである「いでゆ坂」は、両脇に旅館や土産物店が立ち並ぶ鉄輪散策の中心地です。坂の随所から白い湯けむりが立ち上り、石畳の路地と相まって湯治場の情緒が色濃く漂います。

一遍上人像のそばには足蒸しや足湯が無料で楽しめるスポットもあり、散策の合間にひと休みするのにぴったりです。温泉街の北東に位置する展望スポット「みはらし坂」からは、鉄輪の温泉街と立ちのぼる湯けむりを一望できます。

べっぷ地獄めぐりを楽しむ

鉄輪温泉周辺には、「べっぷ地獄めぐり」と呼ばれる温泉の噴出地群が集まっています。熱泥が噴き出す地獄や、コバルトブルーの湯が広がる地獄など、個性の異なる景観を徒歩圏内でめぐることができ、鉄輪観光の定番スポットとなっています。

鉄輪温泉へのアクセス

別府鉄輪温泉の湯けむり

別府鉄輪温泉の湯けむり(Photo by PIXTA)

電車:

JR日豊本線「別府駅」を下車後、亀の井バスに乗車します。系統によって異なりますが、約20〜30分で「鉄輪」バス停に到着します。福岡空港からは高速バスを利用し、約2時間で鉄輪口まで直通できます。

車:

東九州自動車道「別府IC」から約5分でアクセスできます。温泉街周辺には有料のコインパーキングが整備されており、散策の際は、いでゆ坂付近の駐車場を利用するのが便利です。

FAQ

Q. 地獄蒸しは予約なしで体験できますか?

鉄輪温泉の地獄蒸し施設は予約不要で利用できます。ただし、週末や繁忙期は混雑して1時間以上待つこともあります。食材は現地で購入できるほか持ち込みも可能ですが、持ち込み料が別途かかります。

Q. 鉄輪温泉と別府温泉は別の場所ですか?

「別府温泉」は別府市内に点在する8つの温泉地(別府八湯)の総称で、鉄輪温泉はそのひとつです。別府駅周辺の温泉地を指して「別府温泉」と呼ぶこともありますが、鉄輪温泉は別府駅からバスで約20~30分離れた場所にあり、湯けむりや蒸し湯文化など独自の魅力を持つ別エリアです。

まとめ

鉄輪温泉は、1276年に一遍上人が開いた歴史ある湯治の地です。別府八湯の中でも湯けむりが最も集まる温泉地として知られ、ナトリウム塩化物泉を中心とした豊富な湯と、古来から伝わる蒸し湯文化・地獄蒸し文化が体験できます。2012年には国の重要文化的景観にも選定された湯けむりの景観が広がるレトロな温泉街で、日常のペースを忘れてゆったりと過ごしてみてください。

旅色編集部 しばた

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記事企画・監修:旅色編集部 しばた

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