浅田政志の宿旅

旅の目的は、あの宿に泊まること―。疾走感のある宿泊体験を切り取る写真連載。第38回は、競輪場の真横にある日本初のスタジアム一体型のホテル。興奮しすぎて、逆によく眠れます。
浅田政志の宿旅
SCROLL

Vol.39「KEIRIN HOTEL 10」岡山県玉野市

幻の競輪レーサー
競輪は通常9枠。「あなたは10枠目のレーサー」と書いてある通り、選手気分で宿泊ができます。競輪場に併設されており、レースの開催時は実際に選手たちも宿泊します。まち散策にうれしいレンタサイクルもありますが、チェックインは自転車から降車してどうぞ。
KEIRIN HOTEL 10
KEIRIN HOTEL 10
今日は何色?
フロアカラーも競輪の枠カラーと連動。鮮やかでポップな外観にときめきます。客室は2F~8F。レース開催時、選手たちは2~4Fに宿泊します。5~8Fはスタジアム越しに瀬戸内海を望めるテラス付きです。
最上位ロッカールーム
KEIRIN HOTEL 10
客室内も自転車や競輪がモチーフとなっており、ハンガーや館内着も抜かりがありません。客室のテレビで中継を見ながらスマホで車券を買うことも可能。最上階8Fにある2部屋だけのスイートルームは遊び心あるインテリアが魅力です。
KEIRIN HOTEL 10
KEIRIN HOTEL 10
KEIRIN HOTEL 10
KEIRIN HOTEL 10
KEIRIN HOTEL 10
絶景
日替わりで男女が入れ替えになる大浴場にはサウナを完備。明るいうちに入るとお風呂からスタジアムが望めます。入口にある看板は玉野競輪場にかつて掲げられていた公式キャラクター「ガッツ玉ちゃん」の看板。サスティナブルってこういうことです。
KEIRIN HOTEL 10
KEIRIN HOTEL 10
KEIRIN HOTEL 10
ショールームな売店
KEIRIN HOTEL 10はグッズも充実。競輪場のモチーフもポップな色でアレンジ。オリジナルのTシャツやジャケットなども展開しており、スタッフが着こなしています。
KEIRIN HOTEL 10
KEIRIN HOTEL 10
KEIRIN HOTEL 10
相対的ほそもも
館内には競輪に関するギャラリーも。選手のプロフィール紹介があり、競輪をまったく知らない人でも楽しめます。競輪選手の特徴である筋肉隆々の太ももだけの写真があり、自分と見比べてると選手のすごさが感じられます。
KEIRIN HOTEL 10
KEIRIN HOTEL 10
極上の場外めし
競輪場の観覧席の手前にあるレストランは眼前にスタジアムを臨み、かつて観覧席で使われていたイス、座席表を作り変えたテーブルが並びます。そこで提供される料理は、瀬戸内レモンキーマカレーなど地元・岡山の食材を使ったスパイス料理で選手並みのスタミナがつくかも!
KEIRIN HOTEL 10
KEIRIN HOTEL 10
リアル“ガッツ玉ちゃん”に会えるかも!?
隣接する競輪場では、レース時以外も選手が練習しています。外で会える!?と思いがちですが、柳谷崇選手によると「ほぼ気づかれません」とのこと。それでも「ガッツ玉ちゃん」のような、ツワモノがわんさか揃っているのが玉野競輪場です。

「KEIRIN HOTEL 10」

老朽化で捨てられてしまうはずだったスタジアムの備品を、ポップでおしゃれに生まれ変わらせたインテリアの館内や客室は、競輪がまったくわからない人でも楽しめる仕掛けがたくさん。ユニフォームのような館内着をはじめ客室の備品、サンダルなどどこを切り取っても絵になります。選手も利用するおしゃれ過ぎるロッカールームのようなホテルは、ホテル全体がおもちゃ箱のよう。迷惑にならないように館内探検に出かけましょう。

住所 / 岡山県玉野市築港5-18-3
電話 / 0863-31-0555
料金 / 5,760円〜(1泊2食付き、2名一室1名あたり)

浅田政志
Masashi Asada浅田政志
1979年三重県生まれ。2007年に写真家として独立。2008年、写真集『浅田家』(赤々舎刊)で第34回木村伊兵衛写真賞を受賞。2020年、『浅田家!』として映画化された。著書に『NEW LIFE』(赤々舎刊)、『家族新聞』(幻冬舎刊)、『浅田撮影局 まんねん』(青幻舎)など。また、国内外で個展やグループ展を精力的に開催している。
http://www.asadamasashi.com/