カフェから広がる新たなつながり。京都府与謝野町のちりめん街道へ移住したボーマン夫妻にインタビュー

京都府

2022.12.28

LINEでシェア
はてなでシェア
pocketでシェア
カフェから広がる新たなつながり。京都府与謝野町のちりめん街道へ移住したボーマン夫妻にインタビュー

旅色FO-CAL京都特集の取材で訪れた、丹後地域にある「ちりめん街道」。そこで「Cafe 2Rin」を営むボーマン夫妻に出合いました。二人のほがらかな雰囲気、店先のベスパ、ドーナツにスタッフだけでなく木村多江さんも魅了され、もっとお二人のストーリーが知りたくなり、追加取材を敢行。移住したきっかけやカフェをはじめた経緯、住んでみてわかった地域の魅力などを改めてうかがいました。
文/松井 洋之(パンスール)

目次

閉じる

1.丹後の自然に魅せられて移住を決意

2.古民家カフェをはじめ、徐々にできた人との絆

3.改めて感じるこの街の魅力

4.終わりに

◆ボーマン夫妻プロフィール
夫、デーロさん。1969年、カナダ出身。妻、純子さん。1971年、京都府出身。趣味のツーリングをきっかけに出合う。兵庫県神戸市に暮らしていたがデーロさんが体調を崩したのをきっかけに移住を決意。二人で京都府与謝郡与謝野町の「ちりめん街道」でカフェ経営をはじめ、デーロさんは子どもたちに英会話教室を開いている。

1.丹後の自然に魅せられて移住を決意

ボーマンさん夫妻インタビュー

旅色FO-CAL取材以来の再会。楽しそうに手を振ってくれる純子さんと笑顔のデーロさん

ボーマン夫妻が移住したのは、京都府北部丹後地方に位置する与謝野町の「ちりめん街道」です。ちりめんとは、着物の生地に使われている絹織物の一つで、丹後地方の気候条件がシルクを織るのに適していたことから「丹後ちりめん」としてこの地に定着。江戸時代から技術が脈々と受け継がれ、成功をおさめた旧家が多く誕生しました。「ちりめん街道」の街並みは、当時の面影が今もなお色濃く残っており、住居から機織りの音が聞こえてきそうな雰囲気です。

ボーマン夫妻が移住したのは2019年。きっかけは何だったのでしょうか?「神戸に住んでいたとき、夫が体調を崩したんです。治療を受けて良くなったものの、都会の喧騒から離れて、静かな場所に住みたいと彼が常々言っていたので、移住を決意しました」そう語るのは純子さん。夫のデーロさんも「趣味のツーリングを都会ではない場所で、のびのびと楽しみたかったんです」と移住に至った想いを話します。

ボーマンさん夫妻インタビュー

ツーリングは今でも二人にとって大切な趣味

与謝野町を選んだ理由は、二人でツーリングをしていた際この地域の豊かな自然と風情ある街並みに魅了されたから。「ちりめん街道には、これまでの歴史が築いてきた独特の風情があります。私は古い街並みが大好きなので、すごく魅力的に感じたんです」と純子さん。カフェをはじめると決めた際もこの街の雰囲気に合うようなものをつくりたいと思ったそう。

2.古民家カフェをはじめ、徐々にできた人との絆

ボーマン夫妻が「ちりめん街道」にやってきてはじめたのが「Cafe 2Rin」。古民家をリノベーションし、内装などできることは自らが手掛け、2021年8月にオープンしました。「Time slip into the past.」というコンセプトの通り、時代を感じる調度品が店内にたくさんあり、なんとそのほとんどは、ご近所の方や常連さんからのもらい物。「オープンした当初、長くこのあたりに住んでいる方が来てくれたんです。『これいらないからあげる』って言われて」とうれしそうに話す純子さん。

観光客はもちろん、ご近所の方や京丹後、隣町に住んでいる方が来店され、最近では常連客もできました。しかし、コロナ禍の影響でオープン当初は苦労したといいます。どのように交友を広げてきたのでしょうか。「徐々に知ってもらえるようになった、という感じです。でも、来店されるお客様とはよく話をするようにしていて、お店や街の雰囲気を気に入ったという方は多いですね」と純子さんは話します。移住にあたって、当初は日本語がまだ少し不慣れなデーロさんがご近所の方とコミュニケーションを取れるのか不安だったようですが、英語を話せる方もいて問題はなかったそう。デーロさん自身も「1時間話せば仲良くなれる」と話していました。

ボーマンさん夫妻インタビュー

コーヒーのドリップも一杯一杯心を込めて

3.改めて感じるこの街の魅力

移住生活をはじめて3年。不安はあったものの周囲の温かな人柄に支えられ、この地になじんできたボーマン夫妻。デーロさんはカフェの営業のほか、子どもたちを対象に英語を教えながら、休日は京丹後の自然を満喫しています。

ボーマンさん夫妻インタビュー

休日は大好きなスクーターや車で出かけています

「温泉に行ったり、買い物をしたり……。近くの山を散策することもあるんですよ」と夫婦仲睦まじい休日を過ごしている様子でした。山には鹿やキツネ、イノシシなどの動物もたくさんいて、自然を愛する人にはたまらない環境。「この街には美しい自然と、深い歴史がありどんな方も温かく迎えてくれます」と語るデーロさん。体調も良く、移住した感想を聞くと「毎日ハッピー!」と満面の笑みで答えてくれました。

ボーマンさん夫妻インタビュー

お客様を笑顔で出迎えるデーロさん

4.終わりに

ボーマン夫妻は、近所の方だけでなく近隣に住む方とも交流を深めてきました。移住に際しては、経験のある方に必要なものや大変だったことを聞いて準備をしたと言います。移住を考えている方へのアドバイスを聞くと「とにかく直感でまずは行動してほしい」とデーロさん。移住には自分にフィットする場所を見つけることが大切だと学べた取材でした。

◆Cafe 2Rin
住所:京都府与謝郡与謝野町加悦1048-2
最寄り駅:与謝野町駅より車で約12分
最寄りのバス停:ちりめん街道バス停より徒歩約2分

ボーマン夫妻が紹介されている「旅色FO-CAL京都府特集」はこちら

Related Tag

#旅色LIKES #旅色FO-CAL #京都府 #移住 #カフェ

Author

編集部 ヨシカワ

編集部

ヨシカワ

東京都出身で、御朱印集めやおいしいグルメ探しが好き。最近はキャンプも◎。元添乗員&温泉ソムリエで、得意なエリアは京都・奈良。

Articles

編集部 ヨシカワ

「これからの沖縄・那覇観光は“何度来ても楽しめる”がキーワード」 沖縄観光コンベンションビューロー 黒島伸仁さんインタビュー

編集部 ヨシカワ

沖縄のソウルフード「ブルーシール」って結局なに!? 県民に愛される理由を聞いてみた

編集部 ヨシカワ

武田梨奈さんと初夏の陽気に包まれた沖縄・那覇へ『月刊旅色2024年5月号』

New articles

- 新着記事 -

今一番アツい交差点はここ! 原宿「ハラカド」で最先端カルチャーを浴びる
  • NEW

東京都

2024.05.14

今一番アツい交差点はここ! 原宿「ハラカド」で最先端カルチャーを浴びる

編集部 ホソブチ

ホソブチ

編集部

江戸の娯楽を味わおう! 東京湾の伝統漁法「すだて遊び」は家族の団結がカギ⁉
  • NEW

千葉県

2024.05.13

江戸の娯楽を味わおう! 東京湾の伝統漁法「すだて遊び」は家族の団結がカギ⁉

親子旅 トシ

トシ

親子旅

【富山県】職人の技と現代のセンスが融合した「高岡銅器」を手がける能作の工場見学へ

富山県

2024.05.07

【富山県】職人の技と現代のセンスが融合した「高岡銅器」を手がける能作の工場見学へ

大人の社会科見学旅 さっか

さっか

大人の社会科見学旅

【那覇】沖縄ツウのライターおすすめ! 沖縄ローカルグルメ旅

沖縄県

2024.05.05

【那覇】沖縄ツウのライターおすすめ! 沖縄ローカルグルメ旅

ワーケーション旅 &ヨシカ

&ヨシカ

ワーケーション旅

地元民が推す! 那覇空港で買える現地限定の沖縄土産2024

沖縄県

2024.05.03

地元民が推す! 那覇空港で買える現地限定の沖縄土産2024

編集部 ホソブチ

ホソブチ

編集部

【山形県】観光スポットも満載! 酒田・鶴岡でワーケーション旅

山形県

2024.05.03

【山形県】観光スポットも満載! 酒田・鶴岡でワーケーション旅

ワーケーション旅 &ヨシカ

&ヨシカ

ワーケーション旅

More

Authors

自分だけの旅のテーマや、専門的な知識をもとに、新しい旅スタイルを提案します。

編集部 ホソブチ

編集部

ホソブチ

親子旅 トシ

親子旅親子旅

トシ

LIKESレポーター ERI

LIKESレポーターLIKESレポーター

ERI

大人の社会科見学旅 さっか

大人の社会科見学旅大人の社会科見学旅

さっか

ワーケーション旅 &ヨシカ

ワーケーション旅ワーケーション旅

&ヨシカ

tabiiro 旅色編集部

tabiiro

旅色編集部

トレンド旅 おんり

トレンド旅トレンド旅

おんり

歴史旅 長月あき

歴史旅歴史旅

長月あき