川越の夜を盛り上げたい。 カフェ×酒屋オーナーが考えるこれからの川越の酒文化

埼玉県

2023.06.02

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川越の夜を盛り上げたい。 カフェ×酒屋オーナーが考えるこれからの川越の酒文化

コロナの影響で「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」などの規制により、「時短要請」や「酒類提供の制限・禁止」を余儀なくされた 2020年11月。休業や閉店に追い込まれる店も多かったなか、川越に新たなカフェが生まれたというのだから驚きました。それが、「カフェ×酒屋」という新しいスタイルを打ち出す「Little Edo Coffee」。もともと酒屋だった店を新しい形態に変更し営業をし始めたとのことで、なぜコロナ渦でチャレンジをしたのか、また、規制が緩和された"これからの店作り”について、オーナーの鵜野友大(うのゆうだい)さんにお話を伺いました。川越生まれ・川越育ちの鵜野さんだからこそ知る川越の意外な一面や、川越の酒文化についての展望も教えてもらいました。

目次

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コロナ禍で始めた0からの店作り

カフェ×酒屋オーナーが考える世の中の「酒屋」離れ

これから「酒」で川越をどう盛り上げるか

おわりに

コロナ禍で始めた0からの店作り

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入口すぐのカウンターはスタイリッシュなつくり

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カウンター前には鵜野さんの趣味であるバイクが置かれている

―――なぜ、酒屋でカフェを始めたのですか?

酒屋は自分の祖父が始め、創業約70年になりますが、現在は父が2代目として営業しています。僕自身はもともと商社で働いていて2年前まではマレーシアにいました。ですが、コロナのタイミングで日本へ帰国。戻ってくると、地元の居酒屋などに酒を卸すことがメインだった酒屋が、卸す先が減っていたり無くなっていたりして大変な時期を迎えていました。それを見ていて、今後の将来について考えたときに「カフェがやりたい」って思ったんです。現在の「カフェ×酒屋」スタイルになったのは2020年11月からです。思い切った行動でしたが、父も「やりたいようにやっていいよ」と後押しをしてくれました。ただ、カフェをやりたいと漠然と思い始めたものの、コーヒーの淹れ方やラテアートの作り方など、知識がまったくありませんでした。だから単身で東京へ行き、カフェを何軒も訪れて勉強させてもらって、やっとオープンさせることができました。

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独特の世界観のある店内。奥にはお酒がびっしり

店のスタイルは手前がカフェ、奥が酒屋になっています。オープン当初は、酒屋で販売しているお酒やおつまみを買って飲み食いできる「角打ち」スタイルを取っていましたが、コロナの影響を受け中止にしました。現在はビールサーバーでの提供や酒屋での販売業も行いながら、メインはカフェ営業です。カフェメニューやお店の雰囲気をSNSで発信しているので、それを見て訪れてくれる高校生~30代くらいのお客さんが多いですが、今後は客層をより広げていきたいと考えているんです。

カフェ×酒屋オーナーが考える世の中の「酒屋」離れ

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――現在はコロナによる規制も緩和されてきましたが、お酒の提供等は考えていますか。

実は今年の6月頃を目処にリニューアルを予定しているんです。フレンチシェフとして8年ほど働いていた兄がカフェの運営に入ってくれることになったので、「地元のお酒×コーヒー×地元の食材を使った料理」を提供できるスタイルに変えていこうと思っています。今よりももっと地元のお酒を取り扱っていく予定です。ゆくゆくは、父が店でお酒の説明をしてお客さんに飲んでもらう、そして気に入ってもらえたらそれを買ってもらう、という流れができると良いなと思っています。

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地酒だけでなく、市販の酒類も販売している

うちでは地酒だけでなく、市販されているビールやウイスキーなども販売しています。ただ、カフェに訪れる若い世代のお客さんが、それらのお酒を買っていくことはほぼありません。スーパーマーケットやコンビニエンスストア、大型ディスカウントストアでの購入の方が手軽になってきたこともあり、「酒屋へお酒を買いに行こう」という人自体が減ってきたのかもしれません。このあいだ来店されたお客さんに、東京で酒屋をやっているという方がいたのですが、その方も営業が苦しいと言っていました。ほかにも、ご両親が酒屋をやっているという僕の同級生がいるのですが、もうやめる予定なのだと話していましたし、どの酒屋も、今後の経営手段を模索していかなくてはいけない時代になったなと思います。

これから「酒」で川越をどう盛り上げるか

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平日、土・日・祝日問わずにぎやかなイメージの川越は、実は......。

――鵜野さんは川越生まれ川越育ち、ということですが、川越はどういうまちですか?

観光のイメージがあるので、近隣店同士がお客さんを巡ってバチバチしている印象があるかもしれませんが、そんなことはないんです。お互いの店を行き来して情報交換などをしています。観光に来る方は若い方が多いですが、この辺はおじいちゃんおばあちゃんが多くて、歩いていると「こんにちは~」ってあいさつし合う、やさしいまちです。

――川越でのお酒の楽しみ方というと?

川越で飲む人たちは地元のお店を転々として、ちょい飲みするスタイルが多いです。ただ、川越は店が閉まるのが早いんです......。だから今後の川越の夜が盛り上がるように、「Little Edo Coffee」が一翼を担えたらな、と。夜営業でのお酒の提供はもちろん、オープン当初とは違ったことを試していきたいと思っています。たとえば鏡山酒蔵さん(川越唯一の酒蔵)とのコラボレーションや、お酒を混ぜたスイーツやペアリング、ちょい呑みセットの提供も考えています。今の川越の夜は静かですが、自分たちで行動を起こせば変わると思うんです。これからは父と兄にも協力してもらって、家族で川越の夜を盛り上げていきたいと考えています。

おわりに

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4月中旬の取材を経て5月8日には新型コロナウイルスは季節性インフルエンザと同様「5類」に引き下げられました。これからさらに飲食業界が盛り返すなか、生まれ変わる「Little Edo Coffee」が夜の川越にどう影響していくのか、リニューアルオープンのスケジュールはお店のInstagram、リニューアル後の店内の様子はぜひ実際に訪れて確認してみてください。

◆Little Edo Coffee
住所:埼玉県川越市志多町 2-1
営業時間:11:00~18:00(LO17:30)※2023年 6月1日から1か月程リニューアル工事予定
定休日:不定休

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元添乗員&温泉ソムリエ。月1で旅行しないと体がうずうずしてくる、旅大好き人間。47都道府県全制覇済み。最近はキャンプもはじめました。

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