「光る君へ びわ湖大津 大河ドラマ館」がオープン! いまこそ行きたい紫式部ゆかりの石山寺とは
歴史やものづくりに触れる旅が大好きな、旅色LIKESライター・長月あきです。2024年1月29日(月)、滋賀県大津市にある石山寺の境内に「光る君へ びわ湖大津 大河ドラマ館」がオープンしました。同ドラマの主人公である紫式部が、石山寺で、著書『源氏物語』の着想を得て執筆を開始した、という逸話が残っていることから、このお寺は「紫式部ゆかりのお寺」とされています。また、春には美しい花が咲き誇ることでも有名。そんな石山寺とドラマ館、さらに門前スイーツをご紹介したいと思います。
目次
石山寺とはこんなお寺です
奈良時代に創建された石山寺はその名の通り、巨大な岩(珪灰石/けいかいせき)の上に建立されたお寺です。火事により一度焼失した本堂は1096年に再建、滋賀県最古の木造建築で、国宝に指定されています。
数多くの国宝や重要文化財を有するだけでなく、四季折々の花が境内を彩る「花の寺」であり、滋賀県内有数の観光スポットです。特に3月下旬から4月上旬には600本もの桜の花が咲き誇り、2024年3月19日(火)から4月7日(日)には「石山寺 桜まいり」が開催予定です。4月下旬になると「石山ツツジ」と呼ばれる赤いキリシマツツジや、ミツバツツジ、境内の牡丹園も色づき始めます。
また、「文学の寺」としても知られ、その起源は平安時代までさかのぼります。京の都にほど近い場所ということもあり、平安時代には貴族たちの間で「石山詣」が盛んに行われます。この石山詣は、当時の女流文学者の間でも人気があり、紫式部をはじめ、清少納言、和泉式部、藤原道綱母、菅原孝標女……など、名だたる女流文学者が訪れました。活躍時期は異なりますが、松尾芭蕉や島崎藤村も石山寺で、一時を過ごしています。
紫式部カラーの駅舎と『源氏物語』の草花がお出迎え
石山寺へは車・電車、どちらでもアクセスできます。私は車で行きましたが、参拝者用の駐車場が混雑していたため、京阪石山本線・唐橋前駅近くのコインパーキングに車を停め、お寺の最寄り駅・石山寺駅まで電車で向かうことに。石山寺駅は紫式部をイメージしてか、紫色にカラーリングされていましたよ。
駅からお寺への参道沿いには、『源氏物語』に登場する30種類以上の草花が植えられた「石山紫の道」が整備されています。残念ながら、私が訪れたときはほとんど咲いていなかったので、暖かくなるこれからの時期が楽しみ……! 10分ほど歩くとお寺へ到着。境内は広く、石段も多いのでスニーカーがおすすめです。
2024年1月29日(月)〜2025年1月31日(金)に開催中! 大河ドラマ館と企画展
大河ドラマ館は、お寺の料金所からすぐの明王院で開催されています。館内には、劇中で使用された紫式部の衣装や机、書物といった小道具のレプリカ、ドラマの人物相関図や登場人物紹介のパネルなどが展示されています。また、出演者へのインタビュー映像が4Kシアターで楽しめます。コンパクトな会場ですが、オープンしたばかりに行ったというのもあり、随分にぎわっていました。
また、明王院の隣にある世尊院では、ドラマ館と同時開催されている企画展「源氏物語 恋するもののあはれ展」も見学できます。平安時代の恋を彩った色・香り・花の世界を体験できるコーナーや、『源氏物語』に登場する恋の和歌を人気イラストレーターが現代風に解釈したイラスト展示などがあります。イラスト作品は前半・後半で入れ替わるそうなので、紅葉や雪化粧の時期に再訪問するのも良いかも!
境内にある紫式部関連スポットと、物産館へ
石山寺の本堂と礼堂は「相の間(本殿と拝殿との間にある部屋)」でつながっています。その東端にある二間続きの部屋が、紫式部が『源氏物語』を起筆したとされることから、現在「源氏の間」と呼ばれています。早速行ってみると、あれ? 以前あったはずの紫式部の人形がない……。と思っていたら、2023年12月1日に修理のため移動されたそう。2024年3月18日(月)に新しい十二単に衣替えし、戻ってくるようです。境内には「源氏の間」以外にも、毎年春と秋(今年は夏も)に「石山寺と紫式部展」を開催している豊浄殿、紫式部像、紫式部供養塔など、紫式部関連のスポットがあるほか、源頼朝寄進の多宝塔(国宝)や松尾芭蕉の句碑などもありますよ。
また、本堂の前では石山寺オリジナル「紫式部開運おみくじ」(授与料200円)が引けます。紫式部の和歌が添えられているので、ぜひ試してみてくださいね。
さらに、大河ドラマ館オープン日には石山寺物産館「紫-MURASAKI-」が、境内の拾翠園(しゅうすいえん)にできました。大河ドラマや紫式部、石山寺に関連するグッズのほか、地元・大津の特産品などが揃っていましたよ。
◆石山寺
住所:滋賀県大津市石山寺1-1-1
TEL:077-537-0013
参拝時間:8:00~16:30 ※最終入山16:00
入山料:大人600円、小人(小学生)250円 大河ドラマ館・石山寺セット券 大人1,000円、小人(小学生)450円
◆光る君へ びわ湖大津 大河ドラマ館
会場:石山寺境内 明王院
開催期間:2024年1月29日(月)〜2025年1月31日(金)
開館時間:9:00〜17:00 ※最終入場16:30
定休日:無休 ※開催日・開館時間は、主催者等の都合により予告なく変更となる場合有
入館料:当日券 大人(中学生以上)600円、小人(小学生)300円 前売券・団体券 大人(中学生以上)500円、小人(小学生)250円 ※「源氏物語 恋するもののあはれ展」も見学可能
◆源氏物語 恋するもののあはれ展
会場:石山寺境内 世尊院
開催期間:2024年1月29日(月)〜2025年1月31日(金)
開館時間:9:00〜17:00
定休日:無休 ※開催日・開館時間は、主催者等の都合により予告なく変更となる場合有
入館料:当日券 大人(中学生以上)600円、小人(小学生)300円 石山寺セット券 大人(中学生以上)1,000円、小人(小学生)450円 ※「光る君へ びわ湖大津 大河ドラマ館」も見学可能
◆石山寺物産館「紫-MURASAKI-」
会場:石山寺境内 拾翠園
営業時間:9:00~17:00
定休日:無休
大河ドラマについて学び、境内を練り歩いたあとは糖分チャージ!
石山寺の魅力は、広い境内や紫式部関連のスポットだけではありません。門前にはいくつかスイーツ店があるので、石山寺のお土産探しや一息つくのにもおすすめなんです。今回は、わたしイチオシのお店を二つ紹介します。
1.叶 匠寿庵の「葛焼き 染め筆」
石山寺門前にあるのが叶 匠寿庵。滋賀県大津市に本社を構える和菓子屋で、県内をはじめ全国に店舗があります。私がいただいたのは、石山寺店限定で提供されている和菓子「葛焼き 染め筆」(600円) 。石山寺に伝わる紫式部の硯(すずり)を和菓子で表現しています。柔らかい葛焼きが香ばしく、黒蜜や抹茶きな粉をかけるとさらにおいしいんです! 石山寺名物といえば、珪灰石を模した「石餅」も。通常、石餅はこの店舗でしか購入できませんが、2024年12月中旬までは土日限定で全店販売しているそうです(取り扱いのない店舗も有)。
◆叶 匠寿庵 石山寺店
住所:滋賀県大津市石山寺1丁目576-3
電話番号:077-534-6331
営業時間:和菓子販売 10:00~16:00、イートイン10:00~16:30(LO16:00)
定休日:水曜日
2.石山寺プリン本舗のとろとろプリン「なめらか」
2022年4月にオープンしたスイーツ&ベーカリーの複合施設「石山テラス」内にある石山寺プリン本舗は、その名の通りプリン専門店です。滋賀県産の素材にこだわり、一つひとつ手作りしているのだそう手作りで作りしているのだそう。プレーンな味わいからフルーツ、お茶を使ったものまでいろいろ揃っていて、私はいちご味をチョイス。とろとろ食感のなめらかなプリンに、同県内の守山市にある河西いちご園のいちごがゴロゴロ入っています。いちごの種類を時期によって使い分けているほどのこだわりぶりだとか。
◆石山寺プリン本舗
住所:滋賀県大津市石山寺3丁目1-7
電話番号:077-548-6300
営業時間:11:00~17:00 ※なくなり次第終了
定休日:不定休 ※ホームページにて要確認
大河ドラマ放映中&花の時期だからこそ、石山寺へいこう!
私が訪れた2月上旬はまだ梅の花が少し咲き始めたぐらいで、少し寂しい感じでしたが、これからの季節はさまざまな種類の花が境内に咲き誇ります。
また、前述のとおり「石山寺と紫式部展」の開催が控えています。今回は春期(3月16日~6月30日)・夏期(7月6日~8月25日)・秋期(9月1日~12月1日)の3期にわたり、所蔵品が都度公開されるとか。それぞれの期で展示内容が違うので、大河ドラマの予習・復習と共に、花や紅葉など四季折々の風景を楽しみに、訪れてみてはいかがでしょう。