記憶と学びを次の未来へ。2025年で30年の節目。「阪神・淡路大震災から復興したまち」として神戸を旅する

兵庫県

2025.01.12

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記憶と学びを次の未来へ。2025年で30年の節目。「阪神・淡路大震災から復興したまち」として神戸を旅する

神戸といえば旧外国人居留地といった異国を感じられる街並みや夜景煌めく港町など、おしゃれなイメージが強いですが、「阪神・淡路大震災から復興したまち」でもあります。2025年1月17日で震災から30年の節目を迎えるいま、忘れてはならない記憶のまちとしての視点から、神戸を巡ってみませんか。

目次

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震災の記憶を伝えながらも子どもたちで賑わう「東遊園地」

紙提灯に祈りをこめる「こども本の森 神戸」

震災で全壊するも当時の姿にこだわって再建された「旧神戸居留地十五番館」

おわりに

震災の記憶を伝えながらも子どもたちで賑わう「東遊園地」

歩道の端のほうに花壇がある

紫陽花は神戸市の「市民の花」

神戸の中心地・三宮(さんのみや)駅から大通り「フラワーロード」を南へ。名前の通りあちらこちらに花壇があって、さまざまな花が咲いています。

ウッドデッキの「見晴らし広場」。高台になっていて、木々を身近に感じながらひと息つける

ここでお昼休憩もいいかも

「芝生ひろば」も2023年に再整備。ボール遊びやラジコンをする親子連れで賑わっていた

2.7ヘクタールの広々とした公園

近代的でおしゃれな案内板

花を見ながら南へ歩くと東遊園地に到着。旧居留地の東の端のエリアです。1868年に神戸居留地の外国人が使う日本初の西洋式運動公園「外国人居留遊園」として歴史が始まりました。居留地に隣接した公園で、サッカーや野球、ラグビーなど西洋のスポーツが日本に広まるきっかけとなった場所だそうです。2023年に北川園地が再整備され、にぎわい拠点施設「URBAN PICNIC」やカフェダイニング「park kitchen WEEKEND」がオープンし、「こんな公園が近くにあったらいいのにな」と思う、近代的で木々も身近に感じられる公園です。広々として開放感もあり、ゆっくり休むにも、思いっきり遊ぶにもよさそうです。

「1.17希望の灯り」

地下に「瞑想空間」がある「慰霊と復興のモニュメント」

震災のあった午前5時46分で止まったまま保存されている時計。

子どもたちの遊ぶ公園の片隅には、「1.17希望の灯り」があります。阪神・淡路大震災を忘れない。そのために震災から15年経った2000年1月17日5時46分、被災10市10町と、全国47都道府県から届けられた種火を一つにして「生きている証」として灯したものです。
子どもたちにも人気の滝は「慰霊と復興のモニュメント」で、地下には震災や震災に関連して亡くなられた方々のお名前が書かれている銘板が掲示されている「瞑想空間」が広がっています。

震災の記憶を後世に語り継ぐ冬の光のイベント「神戸ルミナリエ」や、震災の追悼行事「阪神淡路大震災1.17のつどい」の会場でもある東遊園地。今年は1月16日と17日には、追悼式典が開催されます。市民参加型で、紙提灯作りや演奏会などを通して記憶の継承を呼びかけます。

阪神・淡路大震災の当時、私はまだ小学校入学前、あまり覚えていません。その頃、従兄弟の一家が神戸に近い街、加古川市に住んでいて揺れの直後、「電話は繋がらなくなるかもしれないけど、無事で大丈夫だから」という電話がかかってきたと聞いています。幸い大きな被害は受けなかったようです。これが私の阪神・淡路大震災について分かる全てですが、現地に立つと思い出せない中でも言葉にならない気持ちがあり、涙してしまいました。


◆東遊園地
住所:神戸市中央区加納町6-4
電話:078-381-6450

◆阪神淡路大震災1.17のつどい
開催日時:2025年1月16日(木)17:00~1月17日(金)21:00

東遊園地 公式HP

紙提灯に祈りをこめる「こども本の森 神戸」

6段目より上の本は危険がないよう固定されており、下のほうに同じ本が読めるように配置されている

私もさっそく表紙に惹かれた1冊を手に取ります

見渡す限り本の素敵な空間

スポットライトに照らされたイスが置かれた休憩室

東遊園地の1番南の端に位置する「こども本の森 神戸」。建築家・安藤忠雄さんからの寄附で誕生した、コンクリート打ちっぱなしの外観が印象的な図書館です。
入館すると見渡す限り頭の上まで一面に並べられた本。「どれから読もうかな?」そんなワクワクが生まれる空間です。表紙が見えるように並べられているのは、絵を見て「あの本が読んでみたい!」と興味をもち、新たな本との出合いのきっかけをつくる工夫の一つだそう。座れる場所があちこちにあり、気になった本はすぐに開いてみることができます。子ども向けの本はもちろん、大人が読んで読み応えのある本もたくさんあります。
館内でも特に素敵だと思ったのが「休憩室」。吹き抜けになった円柱状の空間に、シンプルなデザインのイスが置かれています。中では雨の音が流れていて、イスの後ろに雨に関する本がありました。本は週替りで変わっていくそうです。最高の雰囲気づくりがされた中で、読書に没頭できる空間です。

安藤忠雄さんはもっと幼い頃から、絵本や文学に触れることが出来ていればと後悔し、これからの社会を支えていく子どもたちにとこの図書館をつくったそうです。
階段の端に、窓辺のイスに、思い思いの場所に座り一緒に本を楽しむ親子。
阪神・淡路大震災から復興し、美しい街並みを取り戻してきている神戸。次世代を担う子どもたちの姿は、その象徴のようにも見えました。
土日祝祭日はHPでの完全予約制なので、ぜひ予約して行ってみてください。ちなみに私は前日に予約しましたが、まだ空きがあり予約時間も選べました。
毎年詩の朗読会など阪神淡路大震災にまつわるイベントを催し、「阪神淡路大震災1.17のつどい」で点灯する紙提灯もこちらで作ることができます。用紙と色鉛筆などが用意されているので、阪神淡路大震災から30年を経た今の思いやメッセージを書いてみるのはいかがでしょうか。


◆こども本の森 神戸
住所:神戸市中央区加納町6丁目1-1
電話:078-325-1125
開館時間:9:30~17:00
休館日:月曜(祝日の場合は開館、翌平日が休館)

◆阪神淡路大震災1.17のつどい – 紙灯籠に祈りをこめて –
開催日時:2025年1月7日(火)~1月13日(月・祝)
開催場所:こども本の森 神戸 館内1Fフロア

こども本の森 神戸 公式HP

震災で全壊するも当時の姿にこだわって再建された「旧神戸居留地十五番館」

1989年には国の重要文化財に指定

アーチ状の入り口の向こうはカフェレストランなのですが、私にはおしゃれすぎて入れなかった(笑)

バックがレンガの壁だと紫陽花も西洋の洗練された印象に

「こどもの本の森 神戸」から今度は西、旧居留地の中心のほうに向かって10分ほど歩くと、旧神戸居留地十五番館に到着。異国感あふれる壁やバルコニーでありながら、屋根は日本らしさを感じる桟瓦。ミスマッチにも思える感じが私はお気に入りです。
この素敵な建築も阪神・淡路大震災で完全に崩れてしまいました。神戸市立博物館のHPにもその様子が掲載されています。
震災後に部材を回収することから始まった復旧工事は、約3年の時を経て震災前の姿を取り戻しています。最新の耐震技術である免震工法を用いて、かつての姿の残しながらも今後の地震にも耐え得る建物に生まれ変わっています。
周辺の道路は何ブロックか先の大丸神戸店の駐車場に向かう地元らしき車で渋滞。大丸から離れた交差点にも誘導員が出ているほど。日常にデパートに行く習慣はまったくない私ですが、神戸の方たちにとってデパートに行くことは休日の日常なのでしょうか。


◆Salon15 TOOTH TOOTH 旧神戸居留地十五番館
住所:神戸市中央区浪花町15番地
電話:078-332-1515
営業時間:1階パティスリー&ティーブティック 11:00~20:00、2階サロン 11:00~20:00(L.O.FOOD19:00/DRINK19:30)

Salon15 TOOTH TOOTH 旧神戸居留地十五番館 公式HP

おわりに

たくさんの観光地がある神戸ですが、今回は「阪神・淡路大震災の記憶を辿る旅」をしてみました。訪れた土地の歩みを知ることは、私が旅で大切にしたいテーマの一つです。少し重いテーマではありますが、「忘れないこと」は大切だと思っています。自然の力には絶対に勝てない私たちなので。震災30年の節目に、ゆかりのあるスポットを巡り、日々の平和の安らぎを実感してみてはいかがでしょうか。

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好奇心旺盛なので、新たなことをたくさん知りたい! 旅先での発見や学びを発信していきます。特に興味があるのは、工場見学や酒蔵見学、博物館やジオパーク。絶景やおいしいお酒にも出会えたら最高です。

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