体験レポート

【奥飛騨温泉】貸切露天風呂と飛騨の幸、温かなもてなしに癒やされる「旅館 焼乃湯」の夫婦旅
キジシロ(綴りびと)キジシロ(綴りびと)

岐阜県:奥飛騨温泉

カップル・夫婦 / 50代 / 訪れた時期:6月

2026/07/23

【奥飛騨温泉】貸切露天風呂と飛騨の幸、温かなもてなしに癒やされる「旅館 焼乃湯」の夫婦旅

奥飛騨温泉郷に佇む「焼乃湯」で、北アルプスを望む貸切露天風呂と飛騨の幸を満喫。源泉かけ流しの湯、広々とした和室、当宿ならではの心あたたまるもてなしに癒やされる夫婦旅を綴ります。

静寂に包まれた古き良き旅館で、外国人スタッフによるお出迎え

手つかずの自然に包まれた一軒宿

奥飛騨温泉郷の最奥に位置し、アルプスの山々に囲まれた温泉地の宿

私たち夫婦は結婚26年目。日々の忙しさのなかで、ゆっくり二人の時間をとる機会が少なくなっていました。そこで久しぶりに夫婦で少し遠出の旅へ。ちょうどダブル台風の影響が心配されたため、車で東京から約5時間。奥飛騨のさらに奥にある旅館「焼乃湯」へ向かいました。辺り一面山に囲まれ静寂に包まれている「焼乃湯」。遠くには湯けむりが立ち、かすかに漂う硫黄の香り。香りはきつくなく、身体にすーっと染み込んでいくような優しい香りです。静寂に包まれた山あいの宿で、あたたかな出迎え。
「日本語が上手でなくて、ごめんなさい」
「いやいやお上手ですよ。どちらの国から?」
聞くところによるとフィリピンから日本に来て約40年。焼乃湯の女将さんがフィリピンの方でそのお友達。お手伝いに来ているのだそうです。私の中で、和服でおもてなしをするという旅館の概念が、ここで一気に吹っ飛びました

ロビー

可愛らしい置物に目が奪われる

今回宿泊したお部屋

私のお気に入りスペース

外観は昔ながらの雰囲気がありますが、館内は清掃が行き届いています。ロビーや階段には可愛いらしい置き物が置かれてあり、柔らかい空間を醸し出していて、まるで勝手知ったる家にいるかのような心地良さがあります。宿泊した部屋は二人では十分すぎるほど広い10畳の和室。その奥には広縁もあり椅子とテーブルが置かれ、雄大な北アルプスの山々を望めます。早速、浴衣に着替えお茶と茶菓子をいただき、たわいもない会話をしたり景色を見たり、寝転んだり……。館内の私のお気に入りの場所はここ。ソファーが置かれ、座って中庭を望めるようになっています。草木が雨に打たれ緑がより濃くなっていて美しいです。よく見るとカエルの置き物が置かれていたり、奥に水車のようなものが見えたり、階段があってその先は何があるのだろう……? とワクワクしてまるで宝探しをしているかのよう。

気軽に利用できる3つの貸し切り風呂で、自然の音に癒される

焼乃湯では見峰(けんぽう)の湯・地獄釜の湯・錫杖(しゃくじょう)の湯の3つの貸し切り露天風呂があります。空いていれば24時間、いつでも何度でも利用でき予約は不要です。大自然に抱かれながら誰にも気兼ねなくプライベートな空間と時間を過ごせる。何て贅沢なんでしょう! これぞ贅沢の極みです。今回、錫杖の湯は湯量の関係で利用できませんでしたが、1〜10名まで入れる広さがあるそうです。自然の恵みを引く温泉だからこそ、タイミングによって利用状況が変わることもあるのだと感じました。すべて源泉かけ流しで、かすかに硫黄の香りが漂い、湯の花も浮いています。シャンプー類も置いてありますが、シャワーがないので桶で湯をすくって洗い流すことになります。髪や身体を洗う場合は、男女別の内湯にシャワーがあるのでそちらを利用することをおすすめします。内湯も源泉掛け流しの湯です。貸し切り露天風呂の利用の仕方は簡単です。ロビー横にそれぞれの露天風呂の札がかかっているので、利用したい箇所の札をとり、露天風呂の壁にかけるだけです。食堂横に露天風呂への通路があり、館内用のスリッパから外用のサンダルに履き替えて行きます。万が一雨が降っても、傘と長靴が置いてあるので大丈夫です。但し、路面は滑りやすくなっているため、ゆっくり歩くのがよさそうです。

見峰の湯(利用可能人数:1~4名) 

見峰の湯

北アルプスの山々を一望でき、夜は山のシルエットがより強調されます。寝湯もあり、手と足を伸ばせば美しい景色と一体になるようで、心も身体も解き放たれます。

地獄釜の湯(利用可能人数:1〜4名)

地獄窯の湯

大きな釜の湯で、あいにく、私が利用した晩も明け方も雨でした。ですが、湯に雨粒がポタンポタンと落ち湯に波を起こす様や、岩からサーっと優しく伝い流れてくる源泉の湯の音、時折りヒューっと吹く風……。耳を研ぎ澄ませば、音の三重奏が堪能できます。これも貸し切りだからこそ味わえる醍醐味です。

湯の温度は明け方になると少し下がりますが、晩は熱すぎずぬるすぎず丁度良い湯加減でした。

苦手だった食材も思わずぺろり? 大満足な奥飛騨の幸

夕食

夕食

朝食

食事はボリュームたっぷりです。夕食はたっぷりの野菜と飛騨牛を乗せた陶板焼き。点火し食べごろになった飛騨牛を口に運ぶと、肉質良く口の中でとろけるような感覚。鴨の燻製や焼き魚、刺身、飛騨蕎麦、こも豆腐(※1)、天麩羅など、飛騨の幸を存分に味わえる食事でした。朝食も身がふっくらした鮭、温泉たまご、何といっても乾燥した大きな朴葉の上に味噌が乗せられていて、陶板を点火して焼く朴葉味噌。味噌にバターのパンチが効いていて、これは食が進み白飯をお替わりしてしまうくらいおいしかったです。夕食も朝食も残さず食べましたが、あれ? 私、魚が嫌いだったはず……。おいしかった証拠です。非常に満足度の高い食事でした。

※1こも豆腐:木綿豆腐をワラや専用の巻きすで包んで茹でた、岐阜県の飛騨地方や茨城県などに伝わる伝統的な加工豆腐。茹でることで内部に無数の気泡ができ、出汁が中までしっかり染み込むのが特徴。

外国人スタッフさんが提供する“日本のおもてなし”と四つの贅沢が感じられる「焼乃湯」

私たちがこの旅館を訪れたのは6月の終わり。代表の小瀬さんにお勧めの時期を聞きました。一つ目はアルプスの残雪と空とのコントラストが美しい6月の初め。二つ目は落葉樹の時期。三つ目は春先の新緑の時期、だそうです。焼乃湯は女将さんもスタッフも外国の方です。一生懸命働いておられ、質問にも誠心誠意答えてくれました。日本の旅館でありながら外国のスタッフが外国のお客さんをおもてなしをしていて、帰り際にも「ありがとう。また来てくださいね」と声を掛けてくれました。形式にとらわれすぎない、焼乃湯らしいあたたかなおもてなしを感じた瞬間でした。

この焼乃湯では、誰にも気兼ねなく源泉掛け流しの湯に浸かれること、飛騨の幸を思う存分に味わえること、十分すぎるくらい広い和室で寛げること、そしてアルプスの山々を間近で拝めること。そんな四つの素晴らしい贅沢が堪能できます。今度は小瀬さんおすすめの時期に再訪したいと思います。

  • キジシロ(綴りびと)

    キジシロ(綴りびと)

    ゴールドシップという名馬(迷馬!?)に出会ってから、より馬が好きになりました。いつか北海道の厩舎巡りをするのが夢! 他に猫、神社仏閣、スピリチュアルが好きなおばちゃんです。まだまだ教育費にお金がかかるので、ザ・貧乏旅! 近場を徘徊中。

    ※旅色綴り(旧旅色LIKES)のコミュニティメンバーです。

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 旅色編集部

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記事企画・監修: 旅色編集部

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