北は中国山地、南は瀬戸内海、太田川をはじめとする多くの川が流れる広島・宮島・岩国周辺エリアは、さまざまな気候と自然の中で育まれた山海の幸が豊富です。ビジュアルが魅力的なご当地グルメや地域で愛される名物グルメなど、多彩な新旧のごちそうのなかから、まちが誇るイチオシグルメをご紹介。現地の名物を食べられるお店や、まちの雰囲気を存分に楽しめる屋台通りにもぜひ立ち寄りましょう。
文/上内かなえ(UMUKA)
北は中国山地、南は瀬戸内海、太田川をはじめとする多くの川が流れる広島・宮島・岩国周辺エリアは、さまざまな気候と自然の中で育まれた山海の幸が豊富です。ビジュアルが魅力的なご当地グルメや地域で愛される名物グルメなど、多彩な新旧のごちそうのなかから、まちが誇るイチオシグルメをご紹介。現地の名物を食べられるお店や、まちの雰囲気を存分に楽しめる屋台通りにもぜひ立ち寄りましょう。
文/上内かなえ(UMUKA)
山口県のみかん生産量8割を占める周防大島で、新鮮な魚介類と温州みかんがタッグを組んだ郷土料理が「みかん鍋」。特徴は、「鍋奉行御用達」の焼きみかんや、地元で獲れた小魚のすり身にみかんの皮を練り込んだつみれが入っていること。それだけではなく、柚子胡椒ならぬ、みかん胡椒を使用することもポイントです。シメには卵白のメレンゲで覆い、溶いた卵黄を回しかけるみかん雑炊を提供。真ん中に水菜をちょこんとのせて、心ゆくまでみかん鍋を堪能します。
「東広島こい地鶏」とは、広島大学と東広島市の共同研究により開発された「広大鶏」をもとに生まれた、広島県内唯一の地鶏。一般的な若鶏(ブロイラー)の3倍の日数をかけ飼育し、歯ごたえは硬すぎず、あっさりした脂と濃くしっかりした豊かな旨みが特徴です。名前の中の「こい」には4つの意味が込められています。①旨味が濃い ②恋しくなる味 ③食べに来いというメッセージ ④広島カープ(鯉)のように愛されるように。東広島の新たなブランド産品として、市内の飲食店で食べることができます。
熊野町で唯一の日本酒醸造所「馬上酒造場」を代表する「大號令」。生産本数が少ないことから幻のお酒ともいわれています。1893(明治26)年の創業以来、豊かな自然と人の英知を活かした昔ながらの製法を、今なお継続。和釜と木の甑(こしき)で米を蒸し、その後は自然放冷。醪(もろみ)を搾る際も自動圧搾機を使わず、自重で搾る槽(ふな)搾りを採用。手間を惜しまず、自然の力を利用した酒づくりで切れ味抜群の味に。伝統を受け継ぎながら、熊野ならではの味覚を追求していく姿勢に、多くのファンがいます。
江戸時代、岩国は吉川(きっかわ)家が領地として治めていました。その時に築城されたのが岩国城。山頂にある岩国城は水の確保が難しいとされ、初代領主・広家公は岩国城で食べられるような大量の保存食を作るよう命じ、その時にできたものが「岩国寿司」でした(諸説あり)。「岩国寿司」は別名「殿様寿司」とも呼ばれ、冠婚葬祭などでの定番料理となっています。具材にするのは、岩国名産のれんこんの酢漬けや、伝統野菜のチシャ、アナゴの煮付け、錦糸卵、でんぶなどで、木枠の中に寿司飯とこれらの具材を交互に乗せ、3~5段に重ねるスタイルが主流。岩国城下である錦帯橋周辺のお店で多く提供されています。
三次(みよし)市の老舗食材を組み合わせた「三次唐麺焼」は、1921(大正10)年創業の江草製麺「唐麺」と、1869(明治2)年創業の毛利醸造社「カープソース辛口」を使ったご当地お好み焼き。唐麺とは、唐辛子が練り込まれた赤い麺。辛みが強めの個性的な麺ですが、地元ではポピュラーで、家庭で焼きそばなどに使われることが多いのだとか。また「カープソース辛口」は一般発売していないレアな調味料。三次唐麺焼は「広島てっぱんグランプリ」初出場で2位に、翌年は優勝に輝きました。
道の駅のような佇まいをした、地元の方に親しまれている「へんぽこ茶屋」。食事処では、北広島町で育ったブランド肉「ささゆりポーク」を使用した名物「豚丼」が人気で、香ばしく炙った肉の旨味と特製の甘辛タレが、自家製米と相性抜群です。店内では、農家直送野菜の直売や、軽食、田舎スイーツなどの販売も。おはぎやお餅、ポン菓子はすべて地元産の米・もち米を使い、平成の名水100選の「よみがえりの水」で調理。地元で採れたよもぎやシバの葉を使い、丁寧に手づくりしています。
[DATA]
住所/広島県山県郡北広島町本地4292
電話/0826-72-0818
営業時間/平日10:00~15:00(LO14:00)、土・日・祝日10:00~17:00(LO15:00)
定休日/火曜日
JR呉駅から徒歩約10分。堺川沿いのレンガづくりの歩道には、夜になると屋台が立ち並びます。定番のラーメンやおでん、鉄板焼きなどバリエーションも豊か。ご当地グルメや創作料理の屋台もずらり。全国でも珍しい、電気と上下水道が整備されている屋台通りです。営業は18時くらいから。ぜひ宿泊して、夜のグルメを楽しんで。屋台で飛び交う呉弁も、旅に彩りを添えてくれるでしょう。