

三方を山に囲まれた、海沿いにある津奈木町(つなぎまち)。
森の中や公園、橋の上など、あちこちでアート作品が見つかり、
町全体が美術館のよう。
約40年も前から、緑と彫刻がある町づくりに取り組んでいるとあって、
作品たちは主張し過ぎることはなく、町に馴染んでいます。
「絵心はないけれど……、実はアート好き」と告白してくれた
堀 未央奈さんと、津奈木町を巡ります。
撮影/山田大輔 スタイリング/大山諒子
ヘアメイク/大場聡美 文/西 倫世
車 約1時間20分
こちらの店主は元漁協職員。魚の目利きをいかして、地元産の鮮魚を使ったボリューム満点な海鮮丼や魚料理を提供しています。津奈木町で養殖されている高級うなぎ「神味羅(かみら)海うなぎ」が味わえるのも見逃せません。豊富な海水を汲み上げて育てているため、淡水で育つうなぎよりもミネラルが豊富で身がやわらかく臭みがないのが特長。全国的にも珍しく、県内で食べられる場所もごくわずか。ぜひ一度味わってみてください。
末広屋
住所/熊本県葦北郡津奈木町岩城561-1
電話/0966-78-3999
営業時間/11:30〜14:00(LO13:00)、17:30〜22:00(LO21:00)
定休日/火曜日


車ですぐ
熊本県ゆかりの作家による作品など約450点を収蔵する、町立の美術館。現代アートをはじめ、絵画や彫刻など幅広いジャンルの企画展を開催し、町内に多くの屋外作品を常設展示しています。住民参画型のアートプロジェクトも手がけ、アートを通じた地域内外の交流にも積極的です。美術館から運行しているモノレールに乗ると、津奈木町のシンボルである奇岩・重盤岩(ちょうはんがん)が目の前に! 約5分で到着する舞鶴城公園展望台は、津奈木町と不知火海が一望できる絶好のビュースポットです。
つなぎ美術館
住所/熊本県葦北郡津奈木町岩城494
電話/0966-61-2222
営業時間/10:00〜17:00(入館〜16:30)
定休日/水曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始
入館料/無料、企画展によっては有料。モノレール乗車券は往復300円、片道200円
1984年から「緑と彫刻のある町づくり」に取り組む津奈木町。戦後の日本を代表する彫刻家・佐藤忠良や、佐藤を師事した岩野勇三、熊本県出身の松尾光伸などの彫刻作品、計16体が町内のあちこちに点在し、街歩きの楽しみを広げてくれます。たとえば岩野勇三による「爽風」「薫風」「風ん子」三部作は、風をテーマに父・母・子どもたちの平和な姿を表現したもの。それぞれ異なる橋の上に展示されているので、探しながら巡ってみてくださいね。


作品との記念撮影も楽しい




車ですぐ
津奈木町を中心に、日本中の名産品が集まる小さな百貨店。環境に配慮した農法で育てた地元産の野菜や調味料、地酒が豊富です。目を引くのは、地元の生産者から届く季節のフルーツたち。冬になると柑橘類だけで約10種も! デコポンを象ったオリジナルの焼き菓子「でこでこでこぽんケーキ」も人気で、生地にピールがたっぷり入っているのに酸味はマイルドで優しい甘さです。カフェスペースでは、柑橘のジュースや自家製シロップのレモネード、期間限定パフェなどが味わえ、週末限定でランチも登場。旅の合間の憩いスポットとして重宝します。
つなぎ百貨堂
住所/熊本県葦北郡津奈木町岩城1601
電話/0966-78-2000
営業時間/10:00~18:00
定休日/水曜日



車で約3分
銀杏の森のなかに、大小さまざまな石が約120も点在する「石霊(いしだま)の森」。現代美術家・柳幸典による常設作品で、岩の割れ目からは地域住民の語り部が作家・石牟礼(いしむれ)道子の詩を朗読する声などが聞こえてきます。そのお隣、木々が密集した薄暗い林の中に足を踏み入れると、黄金色に輝く仏像が33体も! こちらは世界的に活躍する現代アーティスト西野達(にしのたつ)による作品「達仏(たつぶつ)」。地に根を張った生木に彫られているので、仏様の足元や背中には新芽が芽吹き、その様子もまた神秘的です。
石霊の森・達仏 住所/熊本県葦北郡津奈木町大小津奈木
その表情もさまざま
車で約5分


2025年10月末、温泉施設の宴会場が小さなお宿としてリニューアルオープン。1階に日帰り利用も可能な温泉施設とレストラン、畳敷きの休憩スペースがあり、2階は宿泊者専用の貸切スペースです。ラウンジは天井が高く、むき出しの梁はアートの一部のよう。ガーゼ素材のルームウエアや肌触りのいい茶器、木製のゲームボードなど、やさしさとぬくもりを感じるアイテムに彩られています。非日常なひとときが過ごせる環境で、自然とデジタルデトックスができそうです。
つなぎ温泉ホテル四季彩
住所/熊本県葦北郡津奈木町岩城435
電話/0966-78-4126
営業時間/チェックイン15:00、チェックアウト11:00
定休日/水曜日



![[月刊旅色]2026年3月号](https://tabiiro.brimgs.com/book/monthly/202603/images/common/cover.jpg)




