里山で“何もしない”を楽しむ贅沢ステイ「里山の休日 京都・烟河」1泊2日の旅
「里山の休日 京都・烟河(けぶりかわ)」で1泊2日のお試しステイをしてきたのは旅色LIKESメンバーのノリニャンコさん。ふだんの旅は欲張り気味に予定を詰め込んでしまうそうですが、紅葉がはじまりかけた京都でのゆったり旅は、新しい発見になったようです。
目次
◆この記事を書いたメンバー
ノリニャンコ(1期生)
大阪府在住。元々海外(特にアジア方面)に行くのが好きでしたが、このコロナ騒動で最近は目下日本旅に転向。行けば行くほど日本って素晴らしい! 47都道府県それぞれに違う文化があって、おいしいご当地グルメやお土産があって! 旅先では食文化、空港、駅、夕日スポットに惹かれます。
【1日目】8つのもてなしをたっぷり楽しむ京都滞在
京都駅から電車で約30分。奥京都とも呼ばれる亀岡市に、有名な温泉地、湯の花温泉があります。今回私がお試しステイで宿泊体験したのは、湯の花温泉にある宿「里山の休日 京都・烟河」。日常の喧騒から離れ、自然に囲まれた宿で“何もしない”贅沢を味わってきました。心から癒される素敵な宿と周辺情報をご紹介します。
亀岡市街から田園風景を抜け、宿の看板を発見。少し紅葉が始まった山々に囲まれた宿には、ゆっくりとした空気が流れています。
チェックインを済ませて部屋に向かう前に、ロビーでひと息つくことに。こちらの宿の特徴は「まるごとおもてなし」という8つのサービスで、宿泊客であれば追加料金なしで宿自慢のサービスを受けられる、オールインクルーシブであること。早速8つのサービスのうち、ロビーでのウェルカムドリンクや、チェックイン時間に合わせて焼き上げられる熱々の焼き芋をいただくことにしました。ロビーは夜になるとちょっとしたバーに変わり、アルコールを含めたドリンクメニューがフリードリンクでいただけます。
旅の疲れを癒してくれるドリンクと、熱々の焼き芋をいただいてほっこり。こんな時間を過ごせるのも旅の醍醐味です。ひと息ついたところで、ロビー内でもう1つおもてなしサービスを見つけました。
浴衣や帯、大浴場に行く際に持っていける湯かごや枕、男性には作務衣の貸し出しがあり、自分の好きな柄や色を選ぶことが出来ます。私はピンク地に桜の花が描かれた浴衣に、朱色の帯を選びました。浴衣も決まったところで、そろそろ部屋に向かいます。
旅館とホテルのいいところを併せ持った雰囲気の、和モダンな廊下を進みます。私が今回宿泊した客室は温泉露天風呂付きスイート「保豆山(ほづやま)」。中に入ってみると……。
洋室のリビングスペースもありながら、上がり畳になっているベッドスペースが何とも落ち着く空間。普段和室がない家に暮らす私は、久しぶりの畳に「やっぱり日本人は和室が落ち着く」ことを再確認。自分の家にこんなスペースがあったら……と心から思いました。
そしてこの部屋最大の特徴といえば、そう、露天風呂がついていることです。
湯船は信楽焼の五右衛門風呂。天然の湯の花温泉かけ流しの露天風呂なので、絶えず温泉が湯船に注がれていて、部屋にいる間はずっとお湯の心地いい音が聞こえてきます。時間や混雑を気にすることなくいつでも入ることが出来るのはとても贅沢。洗い場もあるのは、特に今のコロナ渦においてはありがたいところ。宿には大浴場「元亀の湯」もあるので、合わせて楽しむのもおすすめです。
部屋で少し休憩した後、宿の中の探索に出かけました。まずは宿から歩いて3分ほどにある自家農園に行ってみることに。農園ではたくさんの野菜やきのこ類が栽培されていて、宿で提供される食事にも使われています。里山の豊かな恵みをいただける夕食が待ち遠しくなります。
次に向かったのは、宿の中心にある「里山ガーデン」。足湯もあり、自然の中で開放感を味わえる素敵な庭です。ロビーで提供されるフリードリンクをこちらで楽しむのもおすすめです。
宿の敷地内には、昨年グランピング施設もオープンしていて、利用者はダイニングでのランチや温泉もお得に利用できます。客室に泊まるのとは違う楽しみ方があるというのも魅力です。さて、宿内の探索も終えたところで、夕食までの時間、お楽しみの部屋の露天風呂に入ることにします。
徐々に日が暮れてきて、里山は静かな時間を迎えます。秋も本番、少し空気が冷たくなってきた夕方に、自分専用の露天風呂に入ることができる特別感といったら! 普段の生活では考えられない非日常のひと時です。いつも時間に追われている自分ですが、本当にしないといけないこと以外のこともやっていて、勝手に時間に追われていたような気さえしてきます。何にもしなくてもいいって、本当に贅沢。夕食を終えたら、またゆっくり湯船につかろう。
厳選食材を味わう「里山馳走料理」
夕食は里山ガーデン横にある「石窯ダイニング はなり」で。二部制になっていて、私は後半の部、19時半からの夕食でした。本日のメニューは「里山馳走料理」。米どころで農業も盛んな地元亀岡の食材と、料理長が全国から取り寄せた厳選食材、自家農園で育てた野菜の調和がコンセプトのメニューです。テーブルに最初に並べられていたのは、旬菜盛りとお造り。
旬菜盛りには、農園で育てられたさつま芋を使った胡桃の白和え、柿の五色なます、公孫樹麩(いちょうふ)、松茸に見立てた里芋の田舎煮など、お皿の中に里山の風景、秋の季節感が見事に表現されています。お造りは、甘海老やサーモンと一緒に、農園で採れた椎茸、丹波赤鶏の松前蒸しなどが盛り付けられ、海・里・山の恵みが一緒に味わえます。一品めから山の幸海の幸が楽しめ、次の料理に期待が膨らみます。
続いては、スープとして松茸真丈、魚料理として紅鱒の石窯朴葉焼き。紅鱒に添えられた黒豆のもろみ味噌の甘辛い味が、料理のアクセントになっています。さらに、付け合せの百合根ソースが絶品の海老を湯葉で包んで揚げたもの、自家農園で採れた秋野菜と国産牛サーロイン石窯焼きが登場です。ミディアムレアに焼き上げられたステーキは、柔らかくてとろける食感でした。
京都産コシヒカリのご飯、黒豆味噌と白みその合わせ味噌汁、お漬物、そして最後はデザートプレートで締めです。栗と黒豆入りの冷やし汁粉に、果物のシャンパンゼリー、味の変化に地元のおかき「保津川おかき」が添えられていて、秋の味覚が楽しめる和洋折衷のプレートです。味覚だけではなく、目で楽しみ、季節感も感じられる大満足の夕食でした。
食事を終えて外に出ると、里山ガーデンはライトアップされ、昼間とは違う雰囲気に。やはり私が住む大阪と比べると、里山の夜は冷え込みます。部屋に戻り、次は大浴場「元亀の湯」でお風呂を楽しむことにします。
残念ながらお風呂内の写真は撮れませんでしたが、あまり人がいない時間に行けたので、内湯・露天風呂をゆっくり楽しむことができました。このお風呂でのおすすめは、「まるごとおもてなし」サービスの1つでもあるシャンプーバー。色々なシャンプーが置いてあり、自分で使ってみたいものを透明の容器に取って、自由に使うことができます。客室の露天風呂も楽しみたかったので、大浴場に入った後、すぐに部屋に戻って再び露天風呂を堪能しました。
【2日目】至福の時間を過ごす里山の朝
翌朝、朝食時間を7時半にお願いしていたので、会場へ。朝食会場はフロントの隣にある「里山ダイニング 大地」で。席に案内してもらうと、ちょうど里山ガーデンに面している窓際の席でした。天気にも恵まれ、とても気持ちのいい朝。窓から見える空の青と、里山の緑のコントラストが本当に綺麗でした。そして、用意されていた朝食がまた素晴らしく、朝から本当に至福の時間を過ごすことができました。
まず席に準備してあったのは、丹波赤鶏の出汁鍋、市松模様の2段になったお重。席に着いてから鍋に火を付けてもらい、その場で炊いていきます。つみれや白菜もおいしく、朝から鍋料理をいただけるのはうれしいですね。お重に入った料理も、とろろやひじき、きんぴら、生野菜のサラダなど朝のパワーチャージにぴったりな栄養バランスです。さらに京都産コシヒカリで炊いたご飯を、お櫃に入れてスタッフの方が各テーブルに持ってきてくれます。根菜などが入った里山味噌汁に、焼き魚と手づくりの出し巻卵、フリードリンクはバイキング形式でいただけます。ドリンクの中には、亀岡にも近く、かやぶきの里で有名な「美山牛乳」もありました。
今日もいい1日になりそう、と心から思える朝食に大満足でした。部屋に戻り、11時のチェックアウトまで時間もあるので、再び部屋の露天風呂へと向かいます。
ちょうど朝日が昇ってきたところで、露天風呂から見える里山の景色もキラキラ輝いて見えます。朝の澄んだ空気と、湯船から立ち上る湯気、穏やかな時間が流れます。
チェックアウトの時間を迎え、宿の外に出てみると朝の空気が気持ちいい里山の景色が広がっていました。きっとここは、いつ来てもその時その時で違う里山の景色が迎えてくれるんだろうな。
おすすめ周辺観光
最後に、今回の宿「里山の休日 京都・烟河」周辺で、私が実際に楽しんだ観光情報をお届けします。
夢コスモス園
亀岡市街から宿に向かう途中の道沿いにあったコスモス園。亀岡運動公園体育館の側にあります。今回一番コスモスが綺麗な時期に行けたので、一面に広がるコスモス畑は圧巻でした。残念ながら今年の開園時期は終わりましたが、近くを通るだけでも楽しめます。
・夢コスモス園
住所:京都府亀岡市吉川町穴川野水
電話:0771-55-9111
アクセス:宿から車で約10分
ガレリアかめおか
お米づくりや農業が盛んな亀岡の道の駅。私が訪れたのは土曜の朝だったので、朝市が開催されていました。亀岡で採れた野菜、お米、お惣菜やお弁当、精肉など何でも売っています。
・ガレリアかめおか
住所:京都府亀岡市余部町宝久保1-1
電話:0771-29-2700
アクセス:宿から車で約20分
トロッコ亀岡駅(嵯峨野観光鉄道)
春は桜、秋は紅葉。一年を通して観光客に大人気のトロッコ列車。嵯峨から嵐山、保津峡を通り亀岡まで走るトロッコ列車からは大迫力のパノラマが広がり、季節ごとの景色を楽しめます。これからの季節、紅葉で赤く染まったシーズンに合わせて、暗くなるとイルミネーションやライトアップを見ることができる「光の幻想列車」も走っています。
・トロッコ亀岡駅(嵯峨野観光鉄道)
住所:京都府亀岡市篠町山本神田
アクセス:宿から車で約30分
おわりに
本当に贅沢な非日常の時間を過ごすことができた今回のお試しステイ。普段の旅ではどうしても欲張り気味に予定を詰め込んでしまう私。あえて何もせずに時を過ごしてみることで味わう贅沢。今後はこんな旅の選択肢もありかも。旅にもオンの旅と、オフの旅があってもいいのでは。そんな風に思わせてくれる、素敵な時間が流れている宿でした。