【10月12日は芭蕉忌】松尾芭蕉はじまりの地・伊賀まち歩きへ

三重県

2024.10.01

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【10月12日は芭蕉忌】松尾芭蕉はじまりの地・伊賀まち歩きへ

日本の歴史や伝統に触れる旅を連載する旅色LIKESライター・長月あきです。10月12日は、『おくのほそ道』で知られる江戸時代の俳人・松尾芭蕉の命日「芭蕉忌(ばしょうき)」。旅に生きた芭蕉には各地にゆかりの地や句碑がありますが、今年は生誕380周年ということで、芭蕉が生まれ育った地・三重県伊賀市を訪れました。

目次

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松尾芭蕉の生まれ育った地・伊賀市

まずは上野公園(芭蕉翁記念館・俳聖殿)へ

若き日の芭蕉が過ごした場所「芭蕉翁生家」

芭蕉の遺髪が納められている「愛染院 故郷塚」

唯一現存する芭蕉五庵のひとつ「蓑虫庵(みのむしあん)」

ブックカフェ「月灯りの書斎」で伊賀牛茶漬けを

芭蕉にちなんだ和菓子も楽しめる「城下町お菓子街道」食べ歩き

秋の旅で一句詠んでみる?

松尾芭蕉の生まれ育った地・伊賀市

伊賀上野城

伊賀上野城

三重県の北西部に位置する伊賀市は、周囲を山に囲まれた盆地の中にあり、伊賀流忍者の里として知られます。奈良や京都に隣接しており、江戸時代には城下町・宿場町として栄えた地域です。松尾芭蕉は生まれてから29歳まで、生涯の半分以上を伊賀で過ごしました。俳諧師(※1)を志して江戸に出てからも、何度も伊賀の地に戻り、故郷の人々と交流があったようです。

※1俳諧師(はいかいし):俳諧の連歌を職業とし、その点料を取って生活する人。俳諧の宗匠。 俳諧・俳句に巧みな人。

まずは上野公園(芭蕉翁記念館・俳聖殿)へ

芭蕉翁記念館

上野公園内にある芭蕉翁記念館

芭蕉翁記念館

特別展「おかえり、芭蕉さん ふるさと伊賀へ。」は2024年9月14日~12月24日まで

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旅をしている芭蕉に見える? 俳聖殿

上野公園内には伊賀上野城をはじめ、伊賀流忍者博物館、芭蕉翁(ばしょうおう)記念館などの観光スポットがあり、桜や紅葉の名所としても知られています。
記念館では現在、生誕380年を記念した特別展「おかえり、芭蕉さん ふるさと伊賀へ。」が開催中。展示スペースはあまり広くはないものの、芭蕉が仕え、俳諧の道へ歩み出すきっかけとなった藤堂新七郎家や、伊賀の門人(※2)たちとの関わりなど、伊賀の人々との繋がりについて知れる、興味深い内容でした。窓口で芭蕉関連の史跡のマップをいただき、徒歩だとどのくらい時間がかかるかなど詳しく教えてもらいました。
また、園内には芭蕉生誕300年を記念し、1942(昭和17)年に建立された俳聖殿(はいせいでん)という建物があります。芭蕉の旅姿がモチーフになっており、丸い屋根は旅笠、俳聖殿の木額が顔、八角形のひさしは蓑と衣姿、堂は脚部、回廊の柱は杖と足を表わしているのだとか。国の重要文化財に指定されており、建物の中には伊賀焼で作られた等身大の芭蕉座像が安置されています。普段は中に入れませんが、10月12日の芭蕉忌に開催される「芭蕉祭」では中が見学できるそうです。

※2 門人:門下、門弟のこと。

◆芭蕉翁記念館
住所:伊賀市上野丸之内117-13(上野公園内)
電話番号:0595-22-9621
営業時間:8:30~17:00 ※最終入館16:30
定休日:展示替え期間、燻蒸期間、年末年始
※特別展会期中(会期:2024年9月14日~12月24日)は休館日なし
料金:大人300円、子ども100円
※芭蕉翁記念館・史跡芭蕉翁生家・蓑虫庵の3館共通券:750円(大人のみ)

◆俳聖殿
住所:伊賀市上野丸之内117-4(上野公園内)
電話番号:0595-43-2315(伊賀市都市計画課)

芭蕉翁記念館 公式HP

若き日の芭蕉が過ごした場所「芭蕉翁生家」

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芭蕉翁生家

芭蕉翁生家

釣月軒

芭蕉翁生家

無名庵跡の碑

菅原神社(上野天神宮)

上野天神宮(菅原神社)

上野公園から徒歩10分足らずの場所に、芭蕉の生家があります。現在の建物は芭蕉が生きた当時のものではありませんが、29歳までこの場所で暮らし、江戸に出てからも何度も帰郷してきていたのだとか。
庭には、「釣月軒(ちょうげつけん)」という小さな離れがあります。ここで芭蕉は自選の処女集『貝おほい」を執筆し、徒歩10分弱のところにある上野天神宮(菅原神社)に奉納した後、俳諧師になるべく江戸に向かいます。
また、生家の敷地内には、後に門人たちにより「無名庵(むみょうあん)」という庵が建てられます。今は無名庵跡の石碑があるだけですが、この庵で芭蕉は月見の会を催していました。そこでふるまわれた料理を自らの手で記した『月見の献立』が芭蕉翁記念館で開催中の特別展で展示されていました。

◆芭蕉翁生家
住所:伊賀市上野赤坂町304番地
電話番号:0595-24-2711
営業時間:8:30~17:00
定休日:火曜日、年末年始
料金:一般300円、生徒、児童100円
※芭蕉翁記念館・史跡芭蕉翁生家・蓑虫庵の3館共通券:750円(大人のみ)

芭蕉翁生家 公式HP

芭蕉の遺髪が納められている「愛染院 故郷塚」

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愛染院

愛染院・故郷塚

故郷塚への入り口

愛染院・故郷塚

故郷塚には尾崎紅葉や川端康成も訪れたことがあるのだとか

芭蕉の生家から徒歩ですぐの場所にある、松尾家の菩提寺「愛染院(あいぜんいん)」へ。芭蕉は大阪で病に倒れ、51歳で亡くなります。本人の遺言により遺体は滋賀県大津市の義仲寺(ぎちゅうじ)に葬られ、故郷の伊賀には、門人(服部土芳と貝増卓袋)により遺髪が持ち帰られ、愛染院に埋められます。そこに築かれたのが故郷塚という供養碑です。

◆愛染院 故郷塚
住所:伊賀市農人町354(愛染院内)
電話番号:0595-21-4144
拝観時間:9:00~17:00
休観日:無休
故郷塚参拝料:200円

愛染院 故郷塚 公式HP

唯一現存する芭蕉五庵のひとつ「蓑虫庵(みのむしあん)」

上野公園や生家のあるエリアからは、少し離れた閑静な場所にある「蓑虫庵」へ向かいます。

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蓑虫庵の入り口

蓑虫庵
蓑虫庵

「古池や蛙飛び込む水の音」の句碑は句が詠まれた深川から移されたもの

蓑虫庵

服部土芳供養墓

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蓑虫庵

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芭蕉翁像と服部土芳の位牌が祀られている「芭蕉堂」

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茅葺き屋根にあわびの貝殻

芭蕉が江戸から帰郷した際には、生家だけでなく、門弟の庵に滞在することもありました。伊賀にある芭蕉ゆかりの5カ所の庵、芭蕉五庵の中で、唯一現存しているのが、芭蕉の門人・服部土芳(はっとりどぼう)の草庵「蓑虫庵」です。

敷地の中では茅葺き屋根の庵やお堂、句碑などを、庭園を歩きながら見て回れます。庭には蚊が多いとのことで、受付で虫除けスプレーをお借りしました。確かに、夏場に訪れるなら虫対策は必須かも……。風情がある静寂な庭に紅葉の木があったので、もう少ししたらもっときれいだろうなぁ。蓑虫庵の茅葺き屋根にあわびの貝殻が。茅葺き屋根の上にあわびの貝殻を乗せるのは鳥除けであるともに、火事を防ぐお守りであるともいわれています。

◆蓑虫庵
住所:伊賀市上野西日南町1820
電話番号:0595-23-8921
営業時間:8:30〜17:00 ※最終入館16:30
定休日:火曜日・12月29日〜1月3日
入館料:大人300円、小中高生100円

蓑虫庵 公式HP

ブックカフェ「月灯りの書斎」で伊賀牛茶漬けを

月灯りの書斎

「伊賀焼で味わう伊賀牛茶漬け」(1750円)はひつまぶしのようにいただく

月灯りの書斎

次の来店時に本の続きが読めるようしおりを挟んでおける

昼食は蓑虫庵から歩いて10分足らずの場所にあるブックカフェ「月灯りの書斎」でいただきました。元個人医院の建物を改装したという店内は、たくさんの本が並ぶ落ち着いた雰囲気。「伊賀牛ビーフサンド」「伊賀焼で味わう伊賀牛茶漬け」と伊賀ならではのフードメニューが目を引きます。
並んでいる本のジャンルは幅広く、松尾芭蕉に関連する本や伊賀にゆかりのある本を集めた「伊賀の本棚」も。店内の居心地が良すぎてついつい長居したくなりました。

◆月灯りの書斎
住所:伊賀市上野忍町2580
電話番号:0595-21-1864
営業時間:11:00~18:00(LO17:30)
定休日:日曜日 ※臨時休業のお知らせは公式Instagramから

Book Cafe 月灯りの書斎 公式Instagram

芭蕉にちなんだ和菓子も楽しめる「城下町お菓子街道」食べ歩き

城下町お菓子街道 食べ歩きクーポン

マップ付きの「城下町お菓子街道 食べ歩きクーポン」

城下町お菓子街道 食べ歩きクーポン

釣月軒をモチーフにした「釣月」

城下町お菓子街道 食べ歩きクーポン

芭蕉の俳号から名前をとった俳菓「桃青」

芭蕉ゆかりのスポットをはじめ、さまざまな史跡が点在する伊賀の城下町にはたくさんの和菓子店があります。そんな和菓子店のイチオシ商品を食べ歩きできるのが「城下町お菓子街道 食べ歩きクーポン」(700円)。各店舗指定のお菓子一つと交換できるクーポンが1シートに5枚付いています。風情ある城下町のまち並みや、前述した史跡などを散策しつつ、しっかり甘い和菓子も楽しみました。なかには芭蕉にちなんだネーミングの和菓子もありましたよ。
食べ歩きのクーポンがついたシートは、だんじり会館内の伊賀上野観光協会、上野公園レストハウス売店、各参加菓子店舗(15店舗)で購入できます。

城下町お菓子街道 公式HP

秋の旅で一句詠んでみる?

旅色LIKES

まち歩きにぴったりの季節になってきました。上野公園は紅葉の名所でもあるので、これからの時期、伊賀散策は一層楽しめそう。多くの名句を残した松尾芭蕉に想いを馳せて、秋の旅で一句詠んでみるというのも良いかもしれませんね。

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#歴史 #三重県 #旅色LIKES #歴史旅 #松尾芭蕉 #伊賀市

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長月あき

時間を見つけては、歴史や伝統工芸などに触れられる旅スポットを巡っています。ものづくりの技術や創意工夫を知る産業観光も大好き。東海・関西エリアを中心に、歴史やものづくりを身近に感じられる旅体験をお届けします。近年は道の駅とかわいいおみくじ、地サイダーがマイブーム。

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