［タベサキ Vol.8］
ご縁をいただく

出雲・松江の味わい旅

島根県

2019.10.30

タベサキ

数々の縁結びの神がおいでになる出雲、そして水の都・松江。
伝説に彩られ、女性にうれしい効能の温泉、松葉ガニをはじめ食の豊かさもこのエリアならでは。
さあ、良縁を授かる旅に出かけましょう。

Text：渡辺哲也（アントレース）

参拝・温泉・グルメで
良縁は間違いなし！

日本海に面して長い海岸線が続く島根県。出雲、松江は、その東端に位置するエリアです。出雲は縁結びで有名な出雲大社を筆頭に数々の伝説に彩られた神話の国。一方、松江は、松江城とそのお城を囲む堀川が作り出す情景が印象的な水の都。どちらも甲乙つけがたい魅力あふれるエリアです。

旧暦の10月（現在の11～12月）は一般では「神無月」と呼ばれますが、これは全国の神々が出雲に出向き不在になるという意味だとされます。反対に、神々が集まる出雲地方では、「神在月」と呼ばれるようになったとか。出雲大社では、神々が男女の縁結びの会議を行うとされ、この時期の出雲はご縁をいだだきに出かけるには絶好の時期といえるでしょう。出雲大社のほかにも須佐神社、松江の八重垣神社や玉作湯神社など、ぜひ参拝したい神社がいくつもあります。

また、良縁をいただくためには、自分自身に磨きをかけたいもの。普段の疲れを癒し、心身ともにリフレッシュできる温泉もおすすめ。出雲には「日本三美人の湯」に数えられる「湯の川温泉」、松江には日本最古の湯のひとつに挙げられ、優れた効能から「神の湯」の名を持つ「玉造温泉」があります。風情ある温泉で寛げば、肌の調子も気分も前向きになり、すてきな出会いがあるかもしれません。

そして、11月を迎えると山陰の冬の味覚の王者・松葉ガニも登場するなど、日本海の好漁場に恵まれた島根は、季節の新鮮な魚介が目白押し。日本三大そばのひとつ・出雲そば、宍道湖の自然の恵みであるしじみ、独特の旨味が特徴のブランド牛・しまね和牛など、このエリアでしか味わえない美味の数々も豊富です。
この秋、恵み豊かな出雲・松江に出かけましょう。

【1】ご縁をいただく

良縁を授かりに神様へ足を運び
身も心もリフレッシュ

まず訪れたいのが、縁結びの神様「大国主大神」で知られる「出雲大社」。御本殿へ向かう際には、ぜひ街なかにある一番目の鳥居からくぐりましょう。全部で4つある鳥居をくぐると幸せ（四逢せ）がやってくるとか。縁結びの糸をはじめお守りの種類も豊富です。また「須佐神社」はオロチ退治で有名な「須佐之男命（スサノオノミコト）」を祀ることから、日本有数のパワースポットでもあります。
一方、松江エリアにも縁結びスポットは豊富。「八重垣神社」では、紙の上に賽銭をのせ、池に浮かべる縁占いが人気。そのほかにも、願い石で知られる「玉作湯神社」、出雲国一の宮「熊野大社」なども外せません。また、街中を歩けば縁結びアクセサリーのお店、恋みくじの「カラコロ大黒」、「ハートの石畳」など、良縁を授かれそうなスポットが目白押しです。さらに、水の都と呼ばれる松江は、雨の日もしっとりと風情があって素敵。近年は、降る雨が心をリセットしてくれ、良縁を運んでくれる……と、そんな雨の日を「縁雫（えにしずく）」と呼ぶのだとか。「雨もまた楽し」ですね。

【2】名湯でくつろぐ

伝説に彩られた二大温泉で
美肌と良縁をゲット！

出雲を代表する温泉といえば、最初に挙がるのが湯の川温泉。「日本三美人の湯」のひとつとして有名です。アルカリ性のやわらかな湯が特長で、美白の湯として女性を中心に人気。大国主命を慕って旅してきた八上姫が、この地の温泉で疲れを癒すと、さらに美貌が高まった……という伝説が実感できます。周囲を山に囲まれたのどかなロケーションで、ちょっぴり秘湯の雰囲気も味わえ、こんこんと湧き出る源泉かけ流しの湯船に浸かれば心からリラックスできます。
美肌の湯なら、日本最古の温泉のひとつとして知られる松江の玉造温泉も負けてはいません。優れた効能から「神の湯」とも称され、今から1300年ほど前にはすでに名湯として賑わっていたといいます。温泉に多く含まれる硫酸イオンは肌にハリと潤いを与えエイジング効果も期待大。また塩化物泉により肌の表面に塩のヴェールができ、しっとり感が長持ちするのも嬉しいポイントです。温泉街のそぞろ歩きでぜひ立ち寄りたいのが宮橋。通称「恋叶い橋」として知られ、背景に玉作湯神社の鳥居を写し入れると恋が叶うとか。