日本“初上陸”など「初」がキーワードの神戸ハツモノカフェへ

1868年の神戸港開港によって、さまざまな西洋文化を受け入れてきた神戸。そのなかにはコーヒーも含まれ、豆の輸入と焙煎業が発達し、街にはおいしいコーヒーを提供する多数の喫茶店が誕生しました。コーヒー文化が根付いた街には、現在でも別業態からの“初出店”や日本“初上陸”など話題のカフェが続々とオープンし、目が離せません。神戸に来たなら、「初」がキーワードのカフェ=“ハツモノ”カフェを訪ねてみませんか。

文/山本紗枝(アントレース)

ここが初01

パリの美容専門店が日本初のカフェ併設店舗をオープン カフェ・オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー神戸店

カフェ・オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー神戸店
フランスのオルレアン地方の伝統菓子である、アーモンドクリーム入りのパイ「ピティヴィエ」(1カット880円)

1803年、パリに創業した総合美容専門店「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー」が、2023年3月にカフェ併設のブティックを神戸にオープンしました。店舗ごとにこだわったインテリアが話題のビュリーですが、神戸店はウォールナットのキャビネットや大理石のカウンターなど、重厚な世界感が印象的。ぜひこちらではフランスらしい、バターが贅沢に使われたお菓子をいただきましょう。「ピティヴィエ」はサクサクの生地の中に濃厚なアーモンドクリームが詰め込まれていて、シンプルながらあとを引く味。

カフェ・オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー神戸店
カウンターには焼き菓子がずらりと並ぶ

ドリンクで好評なのが、クリーミーな泡が特徴の「カフェ・クレーム」(1,320円)。フードはフランス産のバターが練りこまれた「クロワッサン」(660円)やほんのりラムが香る「カヌレ」(550円)、フルーツたっぷりのタルトなど、どれを選ぶか迷ってしまいそう。季節に合わせて提供されるフランス各地の伝統菓子を、心ゆくまで楽しんでみてはいかがでしょうか。

カフェ・オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー神戸店
香水やスキンケアアイテムなどが並ぶブティック。カフェ併設店はパリに続き世界で2店舗目
カフェ・オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー神戸店
パリ・サントンジュ店の「カフェ・トルトーニ」を再現した店内。19世紀のパリを思わせるクラシック調
カフェ・オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー神戸店

カフェ・オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー神戸店

住所/神戸市中央区三宮町3-5-1 神戸BAL ANNEX
電話/078-335-7238
営業時間/11:00~20:00(LO19:00)
定休日/なし
アクセス/JR・阪神元町駅から徒歩約3分

ここが初02

「MAISON LE ROUX」のティーサロンが 世界で初めて神戸に誕生

メゾン・ルルー 神戸店
「プリュスクパフェ」(1,700円)はフレーバーが3種類あり、一番人気は塩バターキャラメルソースがアイスに練り込まれている「C.B.S®」

1Fは「MAISON LE ROUX(メゾン・ルルー)」の日本第1号店となるブティック、2Fは世界初出店のサロン・ド・テ(フランス語でティーサロンのこと)で、2023年9月にオープン。メゾン・ルルーの始まりは、1977年にブルターニュの港町でアンリ・ルルー氏が創業した小さな菓子店から。地元の特産である有塩バターを使った塩バターキャラメル「C.B.S®」が大ヒットし、世界的に知られる有名店になりました。神戸のお店で最も人気なのは「プリュスクパフェ」。アイスクリームは、フランス料理界最高峰の称号「M.O.F.」を持つダヴィッド・ヴェスマエル氏のレシピで作られているそう。

メゾン・ルルー 神戸店
アイスクリームに温かいエスプレッソをかけていただく「アフォガート」(750円)。アイスは4つの味があり、写真は人気の「ヘーゼルナッツプラリネ」
メゾン・ルルー 神戸店
人気のC.B.S®からフレーバーキャラメルまで入った人気のキャラメル缶
メゾン・ルルー 神戸店
ブルターニュ地方の巨石文化をイメージしたオリジナルチョコレート「ミニメニール」(2,700円)

ティーサロンでは、C.B.S®がベースのアイスクリームを使ったパフェやフラッペ、アフォガートなど、ここでしか味わえないメニューを味わって。お土産には、キャラメルアソート缶やブルターニュの巨石文化を模したミニメニールをぜひ。

メゾン・ルルー 神戸店
ブティックにはルルーの定番商品のほか、オリジナルの詰め合わせを楽しめる。1粒ずつティーサロンで味わってから購入するのも手
メゾン・ルルー 神戸店
ティーサロンは、ブルターニュをイメージして木を多用した空間に、フランスから取り寄せた青×白のファブリックがアクセント
メゾン・ルルー 神戸店

メゾン・ルルー 神戸店

住所/神戸市中央区三宮町2-8-1
電話/078-599-5922
営業時間/<1Fブティック>10:00~19:00 <1Fティーサロン>11:00~LO18:00、土・日曜日・祝日は10:00~~LO18:00
定休日/火曜日
アクセス/地下鉄旧居留地・大丸前駅から徒歩約3分、JR元町駅・阪急神戸三宮駅から各徒歩約5分

ここが初03

世界25ヵ国に展開するイタリアカフェ関西第1号店としてオープン

CAFFE PASCUCCI 新神戸店
一番人気のイタリアンドーナッツ「チャンベッラ」(450円)。本場と同じ大きさでイタリア人の常連客も納得

「CAFFE PASCUCCI」は、コーヒー商人の先駆者アントニオ・パスクッチ氏が1883年に創業したイタリアのカフェブランド。現在、世界25ヵ国に700店舗以上を展開し、2022年10月には、関西第1号となる新神戸店がオープンしました。セントラルキッチンも兼ねている新神戸店では毎日焼き上げる自家製ベーカリーが人気で、ペストリーやドーナツなどスイーツ系のほか、日本であまり見られない北イタリアのサンドイッチ「ピアディーナ」など食事系のベーカリーも充実しています。砂糖をふんだんにまぶしたドーナツ「チャンベッラ」は、イタリアから輸入した小麦粉などを使用することで、その見た目に反して一人でもペロリと食べられるあっさりとしたスイーツに仕上げています。

CAFFE PASCUCCI 新神戸店
コーヒーの国際的な品評組織「COE」のメンバーでもあるパスクッチ
CAFFE PASCUCCI 新神戸店
イタリアンビールやカクテル、イタリアワインなども充実。夜に、アルコールと本格イタリアンに興じるのもよさそう
CAFFE PASCUCCI 新神戸店
日本でもバズッたドーナツ「ボンボローネ」(500円)。中にはカスタードがぎっしり

イタリア人スタッフが多く在籍し、本場イタリアのエスプレッソを堪能できます。エスプレッソは、最上級の豆を選りすぐり、長く受け継がれてきた焙煎技術と最新マシンで抽出され、香り高く、深い味わい。エスプレッソにふわふわのフォームミルクを加えた「カプチーノ」(600円)や「ラテマキアート」(600円)も評判です。

CAFFE PASCUCCI 新神戸店
イタリアのように、大切な人と会話をしながら食事を楽しんで欲しいという思いから、駅前の立地ながら座席はゆったり
CAFFE PASCUCCI 新神戸店
天気のいい日はテラスでどうぞ
CAFFE PASCUCCI 新神戸店

CAFFE PASCUCCI 新神戸店

住所/神戸市中央区生田1-4-1 ショダリ21 B1F
電話/078-242-5959
営業時間/9:00~20:00 (LO19:30)
定休日/月曜日
アクセス/市営地下鉄新神戸駅から徒歩約1分
※三宮駅より徒歩5分ほどのところには関西2号店もオープン!

CAFFE PASCUCCI新神戸店へ行く前に+αの旅を
CAFFE PASCUCCI新神戸店へ行く前に+αの旅を
CAFFE PASCUCCI新神戸店へ行く前に+αの旅を

トレイルステーション神戸
雄滝を超えて約1時間30分ほど進むと再度山の山頂に到着。山頂からは神戸の街並みと港の景色が見渡せる

実は、神戸には街からアクセスのよい登山道が数多く存在しているんです。2023年7月には、駅のすぐ裏手に登山口がある新神戸駅の1階に、登山支援拠点「トレイルステーション神戸(愛称・トレコ)」がオープンしました。登山に詳しいスタッフが常駐し、おすすめ登山ルートや山の情報、装備のアドバイスなど登山のことなら何でも相談OK。登山品のレンタルや販売もあり、手ぶらで登山に臨めます。ルートはいくつかありますが、せっかくなら駅から片道約1時間50分で登れる「再度山(ふたたびさん)」登山に挑戦してみましょう。再度山は標高470m、登山道もきれいに整備されていて歩きやすく、初心者でも安心。登山時間も短いので、山荘でランチしたり、下山後に神戸らしい菓子店へ寄り道しながら帰ったりもできて、欲張り旅にぴったりです。

トレイルステーション神戸
カウンターでは登山に持って行けない荷物預かり(有料)も。登山ツアーやワークショップなども随時開催されている
トレイルステーション神戸
トレイルステーション神戸
新神戸駅から徒歩約15分に位置する布引の滝は、雄滝や雌滝含め4つの滝の総称
トレイルステーション神戸

トレイルステーション神戸

住所/神戸市中央区加納町1-3-1 JR新神戸駅構内
電話/080-7049-5867
営業時間/8:00~17:00、土・日曜日・祝日は7:30~17:30
※12~2月は全日8:00~16:00
定休日/火・水曜日 ※12~2月は月~木曜日
アクセス/JR新神戸駅構内