修学旅行の記憶を重ねて。大人になった今こそ知る、奈良・東大寺の奥深さ
ふかいふかい

奈良県

職場・同僚 / 40代 / 訪れた時期:9月

2026/09/24

修学旅行の記憶を重ねて。大人になった今こそ知る、奈良・東大寺の奥深さ

誰もが一度は訪れたことのある、奈良の象徴「東大寺」。制服姿で歩いた境内、大きな建物、鹿せんべいをめぐるにぎやかな思い出。修学旅行のアルバムに刻まれたあの場所へ、大人になった今、再び足を運んでみませんか。JR東海が発信する「いざいざ奈良」が伝えるのは、およそ1300年の時を超えて受け継がれてきた歴史の重厚感と、今を生きる人々が紡ぐ新たな魅力が溶け合う、奈良の深遠なストーリー。知るほどに面白く、触れるほどに新たな好奇心が湧き上がってくる。そんな「大人だからこそ味わえる東大寺の魅力」を紐解く旅に出かけましょう。

ここ数年奈良は半年に一度のペースで訪れていて、すっかり奈良ファンに。今回は久々に大仏さまに訪れたので、その時の様子をレポートします。

  • ふかい

    ふかい旅色編集部

    旅色のチーフコンシェルジュ。旅色内はもちろん、テレビ番組などでも旅の情報を発信中! 最近は毎週のように全国各地を飛び回り、旅しながら仕事をしています。旅先で感じた素直な感想を紹介します。

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東大寺について

東大寺は、奈良時代に聖武天皇の発願によって建立されました。当時の日本は相次ぐ天災や疫病、政治的な混乱に見舞われており、聖武天皇は仏教の力で国を護り、人々の平安を願う「鎮護国家」の思想のもと、大仏様(盧舎那仏)の造立と東大寺の造営を進めました。

「東大寺」という名の由来

平城京の東に位置する官大寺であったことに由来します。広大な境内には、世界最大級の木造建造物である大仏殿をはじめ、法華堂(三月堂)や二月堂、南大門など数々の国宝や重要文化財が点在し、1300年近くにわたり日本の文化と祈りの中心として時を刻み続けています。

大仏殿は世界最大級の木造建造物ですが、今よりも昔はもっと大きかった⁉

東大寺の象徴である大仏殿(金堂)。参道を歩き、その姿を目にした瞬間、誰もがその圧倒的なスケールに息をのむはずです。
正面の幅約57m、高さ約48m、奥行き約50mですが、実は「現在の大仏殿は、昔よりも横幅が小さくなっている」という事実をご存じでしょうか。

大仏殿

大仏殿

奈良時代に創建された当初の大仏殿、そして鎌倉時代に再建された2代目の大仏殿は、正面の幅が約88mもあったそうです。
二度の戦火によって焼失した後、江戸時代(1709年)に再建された現在の大仏殿は、資金や木材調達の難航から、横幅が約57mとなり、創建当初の約2/3のサイズに縮小されたのです。

大仏殿内にはそれぞれの時代の伽藍が再現された模型が設置

創建当初の伽藍の様子を1/50スケールで復元した模型

創建当初の伽藍の様子を1/50スケールで復元した模型

大仏殿の変遷がよくわかる縮小模型(※推定復元)

大仏殿の変遷がよくわかる縮小模型(※推定復元)

創建当初の伽藍の様子を1/50スケールで復元した模型

創建当初の伽藍の様子を1/50スケールで復元した模型

大仏殿の変遷がよくわかる縮小模型(※推定復元)

大仏殿の変遷がよくわかる縮小模型(※推定復元)

創建当初、東大寺には東塔と西塔の両塔があり、一説には高さ約100mあったと推定されているそうです。

旅色編集部 ふかい

旅色編集部ふかい

そんな建造物はもちろん、歴史のスケール感を想像できるのも、大人旅ならではの楽しみ方です。

大仏さま(盧舎那仏)について

大仏殿の中央に鎮座する「大仏さま」こと、国宝・盧舎那仏坐像(るしゃなぶつざぞう)。高さ約15mという巨大な尊像は、華厳経の教主であり、大いなる光で宇宙をあまねく照らす仏さまです。
聖武天皇が発願し、当時の知識や技術を結集して造立された大仏さまですが、その長き歴史は決して平坦なものではありませんでした。

二度の戦火を乗り越えた大仏さま

大仏さまをじっくりと拝観していると、ある不思議な特徴に気づくかもしれません。

それは、「胴体に比べて、お顔がどこかすっきりと新しくきれいである」ということです。
実は現在のお姿は、一度に完成したものではなく、時代ごとに修復や再造が行われた歴史の集積なのです。

腹部から脚、台座にかけて

奈良時代の部分が、現在も残っています。

胴体部分

室町・桃山時代のものとされています。

頭部

焼失後、江戸時代に公慶上人が再興した際のお顔(頭部)です。

大仏さまは平重衡による南都焼討(平安末期)や、三好・松永の兵火(戦国時代)という二度の災禍によって、頭部や腕を大きく損傷・焼失しました。とりわけ戦国時代の戦火以降は、長年にわたり雨ざらしのまま仮補修で耐えるという苦難の時代を経験しています。
江戸時代、公慶上人の執念とも言える全国的な勧進(寄付集め)によって、ついにお顔が再造され、現在のお姿へと蘇りました。それぞれの時代の人々が諦めずにバトンをつなぎ、復興を遂げてきた祈りの足跡が、あのお顔と胴体のコントラストに刻まれているのです。

学生時代の「大きい」を超えて。大人になって出逢い直す「大仏さま(盧舎那仏)」の眼差し

修学旅行などで訪れたときの思い出を振り返ってみてください。当時はガイドさんの説明を聞きながら、「とにかく教科書に出てくる大仏さまは大きいな」、「鹿せんべいをあげなきゃ」と、スケールの驚きとイベント感だけで通り過ぎていたのではないでしょうか。
しかし、社会に出てさまざまな人生経験を積み、喜びや挫折を味わった大人になってから向かい合う大仏さまは、まったく違う表情を見せてくれます。
天災、疫病、戦乱。度重なる危機を乗り越え、そのたびに人々の切実な祈りによって立ち上がってきた歴史を知った今、見上げる大仏さまの慈悲深い眼差し。それは単なる巨大な銅像ではなく、あらゆる時代の人々の哀楽を優しく包み込み、平穏を願い続けてきた「祈りの象徴」として心に響きます。
静寂な大仏殿の中でただ佇み、その眼差しと向き合う。自分自身の歩んできた道のりと重なり合い、胸の奥がじんわりと熱くなるような静かな感動に出逢えるはずです。

旅色編集部 ふかい

旅色編集部ふかい

当時と大人になってからの捉え方の違いを感じることができる。それも大仏さまが、ずっとそこにいてくれるからですよね。

柱の穴くぐりについて

大仏殿の右手奥に進むと、人だかりができている1本の柱があります。柱の根元に開けられた穴は、幅約30cm×高さ約37cm。
学生時代、クラスメイトと競うようにして夢中で潜り抜けた思い出を持つ方も多いのではないでしょうか。この日もそんな学生さんを大勢見かけました。
この穴を潜り抜けると「無病息災」や「願いが叶う」というご利益があると信じられてきました。
子どもたちはもちろん、大人も楽しそうに潜る姿を微笑ましく眺めたり、学生の頃の甘酸っぱい青春の記憶を思い出したりするのも、この場所が持つ魅力のひとつです。

旅色編集部 ふかい

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実はこの穴のサイズ、「大仏さまの鼻の穴と同じ大きさ」と言われているそうです。

東大寺ミュージアムについて

大仏殿の拝観を終えたら、南大門近くの「東大寺ミュージアム」へ足を運びましょう。東大寺の宝物や歴史的史料が美しくライティングされた空間で展示されており、寺院の歴史をより深く知るための必見スポットです。
今回はそのなかでも、大人の知的好奇心を刺激する「見るべき至高の仏像・宝物」を3つご紹介します。

国宝 東大寺金堂鎮壇具

国宝 東大寺金堂鎮壇具

国宝 東大寺金堂鎮壇具

明治時代、大仏殿の修理のために柱を建てた際に発見された国宝の数々です。金銀装大刀、銀製小壺、鏡、水晶玉など計19件の宝物が出土しました。
発見当時は造立する土地を清め鎮めるために埋納された「鎮壇具」と解釈され、一括して国宝に指定されています。
しかし、平成に入り、当時の最新科学調査によって出土した大刀6口のうち2口から、象嵌で表された「陽剣」および「陰剣」の銘文が発見され、話題になりました。
この新知見により再検討され、「鎮壇具」ではなく、一度は正倉院に献納された聖武天皇ゆかりの品々が、何らかの理由で取り出され、埋蔵されたものである可能性が高まっています。
ただ、この点にも謎は多くあり、現在もさまざまな角度から研究が続いています。

国宝 日光菩薩像・月光菩薩像について

かつて法華堂(三月堂)に安置されていた、天平塑像の最高傑作と称される2体の塑像(そぞう)です。土を使って作られたお姿は、布の質感や身体のラインが驚くほどやわらかく滑らかに表現されています。本来は別の尊格(梵天・帝釈天)であったと考えられているそうですが、「日光」と「月光」の名の響きに似つかわしい趣(or風情)があります。etc

日光菩薩像/佐々木香輔撮影

日光菩薩像/佐々木香輔撮影

太陽の温かな光を象徴する日光菩薩と、

月光菩薩像/佐々木香輔撮影

月光菩薩像/佐々木香輔撮影

夜の静けさと安らぎを照らす月光菩薩。
静かに合掌し、深く静心(しずごころ)を湛えたその表情の美しさは、見る者の心を静かに解きほぐしてくれる力を持っています。

国宝 誕生釈迦仏立像及び灌仏盤

誕生釈迦仏立像/佐々木香輔撮影

誕生釈迦仏立像/佐々木香輔撮影

お釈迦さまが旧暦4月8日(花まつり)に誕生された際のお姿を表した、国宝の金銅仏です。右手を天に、左手を地に指し、「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と師子吼された(力強く唱えられた)伝承をそのまま形にしています。
本像は大仏開眼会の際の仏生会にお祀りされるために制作されたのではないかという説もあり、長い歴史のなかで奈良時代の盧舎那大仏の御顔を拝むことはもうできませんが、この像からその当時の面影を読み取ることができるかもしれません。

1300年という壮大な時を紡いできた東大寺。

学生時代の知識を上書きし、大人になった今の感性で触れる東大寺は、驚きと深い感動に満ちています。歴史の奥行きに触れ、新たな好奇心の扉を開く旅へ。
「いざいざ、奈良へ」——あなただけの新しい奈良のストーリーを探しに出かけてみませんか。

いざいざ奈良。今だけの特別な体験を

JR東海では、奈良にスポットをあてた観光キャンペーンを30年以上にわたって展開しており、2022年からはコピーを「いざいざ奈良」として、知るほどに面白く、触れるほどに新たな好奇心がかき立てられる旅先として、奈良の魅力を発信しています。

JR東海「いざいざ奈良」東大寺編キャンペーン

JR東海「いざいざ奈良」東大寺編キャンペーン

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記事企画・監修:旅色編集部 ふかい

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