洗 練 を ま と う 旅 時 間

岐阜市の“美”を巡る

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  •  Contents
  • Special Interview 松本まりか
  • 1泊2日のRefresh Trip 岐阜市[岐阜県]
  • 【新連載】あの人の旅プラン 渡部豪太
  • 写真家・浅田政志の宿旅 セトレマリーナびわ湖[滋賀県]
  • エリアフィーチャー 郡上八幡[岐阜県]
  • うつわで旅するお取り寄せ 「沖縄県」
  • タベサキ かき氷
  • 今月のロマン秘湯 龍神温泉[和歌山県]
  • テーマのある旅 夏のイルミネーション
  • 今月の旅カルチャー 夏の夜
  • 小林エリカ連載・旅と創造「練馬区ヴィクトリア町」
どんな役も演じ切る“怪演女優”として圧倒的な存在感を放つ松本まりかさん。「旅は感性を磨いてくれる、人生に欠かせないもの」と語る彼女が今回訪れたのは、清流と山の緑に囲まれた岐阜県岐阜市。さまざまな日本の美を感じられるこの土地で、旅する理由を教えてもらいました。 写真/佐野円香 スタイリング/柾木愛乃 ヘアメイク/paku★chan(Three PEACE) 文/藤村実里(ホワイトノート)



Special Interview Marika Matsumoto

「旅は人生に欠かせない」。そうまっすぐな眼差しで語る松本さんが訪れたのは、古くからの文化と現代の生活が息づく岐阜県岐阜市。心揺さぶる“美しいもの”を存分に感じて、改めて旅の良さを実感したようです。

岐阜市は再訪ということでしたが、いかがでしたか?

以前に訪れた時は、名古屋での撮影の合間にほんの少し用事で寄っただけで、本格的な旅は今回が初めてなんです。とにかく“美”をとても感じられた旅になりました。岐阜城からの景色や長良川の清らかな水の音、空の青色、金華山の緑、そして美食の数々……。繊細で日本の美が詰まっていて、その一つひとつに感動してしまいました。岐阜市の方々のおもてなしの心にも“美”を感じましたね。旅が終わった後も、じわじわと良さを噛み締めています。

特にお料理に感動されていましたよね。

食べるものすべてがおいしかったです。岐阜の食材といわれてパッと思い浮かぶものが無かったのですが、飛騨牛や鮎、野菜など食材が豊富だということを学びました。旅館「十八楼」でいただいた飛騨牛はとろけるお肉の甘みがたまらなかったですね。素材そのものの良さももちろん感じましたし、盛り付けなど洗練された見た目の美しさや、作り手の想いやおもてなしが伝わってくる料理ばかりで癒されました。

伝統文化や工芸品にも触れましたが、印象に残っているものはありますか?

川原町で出合った和傘が可愛かったです。古くから続く伝統工芸品に現代的な色柄が組み合わせられていて新しい。持っているだけで背筋がピンと伸びるような気持ちにさせてくれる一本でした。あと、鵜匠さんからもお話を聞いて、1300年も伝統を守り継いでいることの素晴らしさや地域の人の想い、文化の奥深さを知りました。ぜひともこの先も受け継がれて欲しいですし、若い人にも知って欲しいですね。



今回はたくさんの名所にも訪れましたが、どこが印象的でしたか?

岐阜市のいいところは一つひとつのスポットが近くて、どこを観光するにも気軽に巡れるところ。一番良かったところはと聞かれると、とても選べないけど(笑)。「ぎふメディアコスモス」には感動しました。建築の美しさと知的好奇心をくすぐる本たち、それと自然光をたっぷり浴びられる空間は五感を刺激されます。将来は、こんなところで子育てしたいなって想像しちゃいました。

バッグ7,590円(チャールズ&キース|チャールズ&キース ジャパン https://charleskeith.jp/)、その他スタイリスト私物



もともと旅好きだそうですが、普段はどんな旅スタイルなのでしょうか。

子どもの頃、実家に自分の部屋がなかったからか「外に出たい、自分の時間が欲しい!」っていう想いが強かったんです。だから18歳の時に九州にひとり旅に出て、それからずっと国内、海外を旅してきました。私の旅は自由気ままな、無計画旅(笑)。ここに行かなきゃとあまり囚われず、現地での出会いを大切にしています。地元のご飯屋さんに行って地元の方と仲良くなって、おすすめを教えてもらうのが好きなんです。


松本さんが旅に求めるものとは?

知らなかったものとの出会いですかね。東京にいるとどうしてもルーティーンやしなくちゃいけないことに追われてしまうので、定期的に旅に出て、自分の感性を刺激するものに触れたいです。“体感する”ってとても大事なことだと思っていて、凝り固まった考えを外して自分の価値観をアップデートしていく。知るだけじゃなくて、体感しないと本物の言葉にならないですから。

これからどんな旅をしてみたいですか?

国内でも海外でも、自分の価値観とは違う感性に触れられるような場所に行ってみたいですね。旅したいっていう本能的な感覚って、何かを欲しているサインだと思うんです。だから今回、旅がしたいとちょうど思っていたところにお声がけがあって岐阜市に訪れることができて、運命的なものを感じました。女優という軸とは違う部分でも何ができるのか模索していきたいので、これからもたくさん旅をして、いろんなことを吸収したい。そしてそれを地球や環境に繋がるような、新しいことに還元していけたら嬉しいです。

ワンピース41,800円(5-knot info@5-knotdesign.com)、イヤリング6,600円、バッグ 14,960円(ライフズ|ライフズ 代官山店 03-6303-2679)、靴スタイリスト私物

わたしの旅アイテム

旅の必需品は、その人の旅スタイルを表すもの。
松本さんの大切にする旅アイテムは、なんですか?

わたしの旅アイテム

収納グッズは、スーツケースの中をきれいに整頓できる優れもの。洋服や小物、台本までいろいろ詰め込んじゃいます。旅先で食べすぎてしまった、という時にお部屋で筋トレできるバンドも必需品。どちらも可愛いデザインでハッピーな気分になれます。

松本まりか
松本まりか
Profile
1984年、東京都生まれ。ドラマ『六番目の小夜子』で女優デビュー。雑誌『ピチレモン』のレギュラーモデルを務め、『蒼穹のファフナー』『シュガシュガルーン』『FINAL FANTASY X』といったアニメ、ゲーム作品の声優やナレーションも担当するなど、幅広く活躍している。2018年には、ドラマ『ホリデイラブ』での演技で注目される。近年は『竜の道 二つの顔の復讐者』(関西テレビ系)、『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日系)、『先生を消す方程式。』(テレビ朝日系)、「教場Ⅱ」(フジテレビ系)など話題作に出演が相次いだ。最近では『最高のオバハン 中島ハルコ』(東海テレビ系)、連続ドラマ初主演となる『向こうの果て』(WOWOW)に出演。