浅田政志の宿旅

旅の目的は、あの宿に泊まること―。浮遊感のある宿泊体験を切り取る写真連載。第39回は、デニムブランドが手がけるホテル。極上のデニムと、カレーと、絶景が待っています。
浅田政志の宿旅
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1泊2日は悩めます。

Vol.39「DENIM HOSTEL float」岡山県倉敷市

「泊まれるデニム屋」というコンセプトの通り、館内には充実のショップがあります。あれもこれも欲しくなりますが、悩む時間は1泊2日以上。納得の1着を見つけられます。
DENIM HOSTEL float
DENIM HOSTEL float
DENIM HOSTEL float
キーワードは「浮遊」
宿があるのは王子が岳の麓。パラグライダーの聖地でもあり、飛んでいる姿が目に入ります。カフェで人気なのは岩城島レモネード550円。まるごとすりつぶしたレモンのとろとろした食感はまるで雲のよう。あらゆるものが浮かんでいます。
大海を望む
デニム地の畳縁、ソファーなどで設えられた客室は瀬戸内海に面し、瀬戸大橋が望めます。まるで海の上にいるかのような眺めで、深い青の客室も海中に思えてきます。
DENIM HOSTEL float
DENIM HOSTEL float
DENIM HOSTEL float
本気デニム
ホステルを運営する「ITONAMI」の直営店には全アイテムが並びます。ITONAMIが取り組む、着なくなったデニムを回収し、さまざまな工程を経て新たなデニムアイテムに再生する過程も展示。物語のあるアイテムしかありません。
天下絶品
地場産のものなどこだわりのメニューが揃うなか、カレーが絶品です。無水チキンカレーとドライキーマカレーのあいがけ1000円は、帰路でも思い出すほど。11種類のスパイスをブレンドしているそうで、詳しいことはわかりませんが、おいしいのは確かです。
DENIM HOSTEL float
DENIM HOSTEL float
DENIM HOSTEL float
目的「ととのう」
客室同様、中から瀬戸内海が望めるサウナも人気です。ロウリュウに使うのは瀬戸内レモンを使ったアロマ水、水風呂は特注したデニム色の信楽焼とこだわり尽くし。これを目的にする宿泊客も少なくないとか。

「DENIM HOSTEL float」

もともとキャンピングカーで47都道府県を旅しながら製品の販売を行っていたご兄弟によるデニムブランド「ITONAMI」が運営するホステル。理想の一着をじっくりと決められる直営店、全国で見つけてきたこだわり食材を使ったカフェ、落ち着く客室でぼんやり、王子が岳のアクティビティー、絶景サウナなど遊び方はいろいろ。なにも決めずに来ても楽しめる、どんな服にも合うデニムのように懐の深い宿なんです。

住所 / 岡山県倉敷市児島唐琴町1421-26
電話 / 086-477-7620
料金 / 8,000円〜(1泊1名あたり)

浅田政志
Masashi Asada浅田政志
1979年三重県生まれ。2007年に写真家として独立。2008年、写真集『浅田家』(赤々舎刊)で第34回木村伊兵衛写真賞を受賞。2020年、『浅田家!』として映画化された。著書に『NEW LIFE』(赤々舎刊)、『家族新聞』(幻冬舎刊)、『浅田撮影局 まんねん』(青幻舎)など。また、国内外で個展やグループ展を精力的に開催している。
http://www.asadamasashi.com/