食欲の秋も、芸術の秋も。 美術館カフェのアートなスイーツ

アーティゾン美術館の「レモンとチーズのミルフィーユ」1,500円
秋が深まり、すっかり寒くなってきた今日この頃。
紅葉狩りに読書、スポーツなど、
秋にやりたいことがたくさんあるなかで、外せないのがアートとグルメ。
どっちも楽しみたい! そんなときには「美術館カフェ」はいかがでしょう?
美術館カフェでは展覧会や作品とコラボした限定スイーツなども
豊富に登場しています。見た目も美しいアートなスイーツでティータイムを。

文/小島浩隆(RUNS)

※新型コロナウイルスの影響により、施設の営業日・営業時間が変更になっている場合があります。
最新の公式情報をご確認ください。

旅と想像/ 創造 スペシャル 「1920 旅の便り」東京庭園美術館「café TEIEN」 TOKYO

「旅」をテーマにした展覧会とのコラボスイーツ 旅と想像/ 創造 スペシャル「1920 旅の便り」800円。上に乗っているマスカルポーネのクリームと合わせて食べると軽やかな味わいに(11月27日までの期間限定)
「旅」をテーマにした展覧会とのコラボスイーツ

自慢の庭園を眺めながらゆったりとしたひと時が楽しめる東京庭園美術館内のカフェ「café TEIEN」では、11月27日まで開催している「旅」をテーマにした展覧会「旅と想像/創造 いつかあなたの旅になる」のコラボスイーツが登場。旅行カバンをイメージしたダークチェリーのケーキの上には、想い出を綴ったハガキをモチーフにしたチョコレートをトッピング。洋酒のキルシュを効かせたバタークリームと甘酸っぱいブラックチェリーを組み合わせた大人な味わいをぜひご堪能あれ。

「TEIEN ティラミス」800円 「TEIEN ティラミス」800円

王道スイーツにも注目

庭園の芝生をイメージした見た目は、写真映えすること間違いなし。ほろ苦い抹茶とコクのあるマスカルポーネチーズが相性抜群です。

普通のカスタードプディングよりもねっとりとした濃厚なプリン。表面はキャラメリゼしていてカリカリな食感に。

「和三盆クレームブリュレ」750円 「和三盆クレームブリュレ」750円
東京都庭園美術館 庭園 東京都庭園美術館 庭園

カフェの外は美しい庭園が広がっています。美術館とあわせて庭園を散歩したらカフェでひと休み。晴れている日にはテラス席を利用してみるのもおすすめです。秋には紅葉が園内を彩り、都心にいながら紅葉狩りが楽しめます。

庭園を眺めながらひと休み秋は紅葉一色に
いま開催中の催し

「旅と想像/創造 いつかあなたの旅になる」展

「いったい旅とはいかなるものなのか」。この問いの行方を他者の旅を手掛かりに考える展覧会。庭園美術館の本館建築に大きな影響を与えた朝香宮夫妻の100年前の欧州旅行をはじめ、1920年代の旅風景などを美術工芸品や資料とともに紹介します。そのほか、個人コレクターの鉄道資料蒐集の旅や、現代アーティストによる旧朝香宮邸をめぐる作品も展示。旅好き・アート好き・スイーツ好きの方必見です。

宮永愛子 《suitcase -key-》2019年 高松市美術館「宮永愛子:漕法」展示風景 撮影:木奥恵三 ©️MIYANAGA Aiko, Courtesy of Mizuma Art Gallery 宮永愛子 《suitcase -key-》2019年 高松市美術館「宮永愛子:漕法」展示風景
撮影:木奥恵三 ©️MIYANAGA Aiko, Courtesy of Mizuma Art Gallery
《朝香宮旧蔵絵葉書》東京都庭園美術館蔵 《朝香宮旧蔵絵葉書》東京都庭園美術館蔵
東京庭園美術館「café TEIEN」
住所/東京都港区白金台5-21-9
電話/03-6721-9668(café TEIEN)
営業時間/10:00〜18:00(フードL.O.17:00、ドリンクL.O.17:30)
定休日/月曜、美術館休館日(展覧会が開催されていない日)
アクセス/JR目黒駅から徒歩7分
     都営三田線、東京メトロ南北線・白金台駅から徒歩6分
駐車場/有料

シフォンケーキ アーティゾン美術館「ミュージアムカフェ」 TOKYO

アートの間にふわふわのひと休み 「シフォンケーキ」1,300円~。全3種のフレーバーを展開しています。フワフワの生地のケーキはクリームをつけて召し上がれ
アートの間にふわふわのひと休み

超高層ビルが立ち並ぶ都会の中心地にあるアーティゾン美術館。日本近代洋画、印象派、20世紀美術に加え、古美術、現代美術など幅広い作品を数多く収蔵しています。1階にある「ミュージアムカフェ」はランチ・カフェ・ディナータイム(祝日を除く金曜日のみ)それぞれでメニューが変わり、ドリンクからお食事までさまざまなシーンで利用できます。カフェタイムではしっとりなめらかな口当たりのシフォンケーキや、季節ごとに替わる限定デザートがおすすめ。アートでスイートなひと時が楽しめます。

季節限定のおたのしみ

季節によって変わるミルフィーユ 季節によって変わるミルフィーユ

写真は11月1日からの期間限定「ミルフィーユポムタタン」。オーブンでじっくりと焼き上げた甘酸っぱい紅玉りんごのタタンに、発酵パイ生地と香り高い彼杵ほうじ茶クリームを合わせたミルフィーユです。

白を基調とした洗練されたカフェ内 白を基調とした洗練されたカフェ内

カフェ内の飾り棚にはイタリアデザイン界の巨匠、エットレ・ソットサス氏によるヴェネチアンガラス器を中心に、倉俣史朗の作品を展示していて、食事と一緒に美術作品が楽しめます。

カフェ自体がまるで現代アート
いま見るべき作品
ピエール=オーギュスト・ルノワール 《すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢》1876年 石橋財団アーティゾン美術館蔵

フランスの画家ピエール=オーギュスト・ルノワールによる絵画。大きなイスに座る幼い女の子が、サイズ感のコントラストを生み出しています。

ピエール=オーギュスト・ルノワール
《すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢》1876年 石橋財団アーティゾン美術館蔵
アーティゾン美術館「ミュージアムカフェ」
アーティゾン美術館「ミュージアムカフェ」
住所/東京都中央区京橋1-7-2
電話/050-5541-8600(アーティゾン美術館)
営業時間/11:00〜18:00
 ランチ 11:00〜14:30(L.O.13:30)
 カフェ 14:30〜18:00(L.O.17:30)
(展覧会開催中の)祝日を除く金曜日のみ 11:00〜21:00
 ランチ 11:00〜14:30(L.O.13:30)
 カフェ 14:30〜17:00(L.O.16:30)
 ディナー17:00〜21:00(AコースL.O.20:00、BコースL.O.19:30、CコースL.O.19:00)
※ランチ、ディナー(祝日を除く金曜日のみ)タイムはコース料理のみ提供
定休日/展覧会開催中の美術館休館日、年末年始、展示替え休館日期間の月曜日(祝日の場合は翌平日)
アクセス/JR東京駅、東京メトロ京橋駅・日本橋駅から徒歩約5分
駐車場/なし

イメージケーキ 原美術館ARC「Cafe d’Art」 GUNMA

現代美術とスイーツのコラボレーション 「雲をつかむ:原美術館/原六郎コレクション(2022年)」展覧会の作品をイメ―ジしたレアチーズケーキ。フランボワーズのグラサージュが甘酸っぱい味わい
現代美術とスイーツのコラボレーション

群馬県渋川市、上毛三山のひとつに数えられる榛名山麓の高原に位置する原美術館ARC。2021年1月に活動を終えた品川の原美術館と統合する形でリニューアルオープンしました。豊かな緑の中に佇むシックな美術館で、建物の中だけでなく外にも作品が展示されています。そんな館内の「カフェ ダール」では、丁寧にドリップしたコーヒーや、伊香保グリーン牧場オリジナルアイスクリームなどを用意。展覧会とコラボレーションした「イメージケーキ」はまるでスイーツのアート作品です。

モノクロアートのようなアイスとコーヒー

「バナナブレッド」550円、「アフォガード」650円 「バナナブレッド」550円、「アフォガード」650円

こだわりのコーヒーと群馬産の牛乳を使用したアイスをいっぺんに楽しめるアフォガードは、甘さとほろ苦さのベストマッチ。

使用しているアイスクリームは、同じく群馬県にある伊香保グリーン牧場のオリジナルアイス。大切に育てられた牛から絞った、新鮮な牛乳を使用することで濃厚な味になります。もちろんそのままでも、日替わりのデザートやこだわりのコーヒーとあわせても楽しめます。

白を基調とした洗練されたカフェ内
いま見るべき作品
ジャン=ミシェル オトニエル Kokoro」 2009年 撮影:白久雄一

赤いガラス製の大きなハート型のオブジェ。写真映え間違いなしのフォトスポットです。訪れた際にはぜひ記念撮影を。

ジャン=ミシェル オトニエル
「Kokoro」 2009年
撮影:白久雄一
原美術館ARC「Cafe d’Art」
住所/群馬県渋川市金井2855-1
電話/0279-24-6585
営業時間/10:00〜16:30(L.O.16:15)
定休日/木曜(祝日は営業)、美術館休館日
アクセス/JR渋川駅からバスで15分
駐車場/50台
※カフェ ダールのご利用には美術館入館料が必要です。

庭園パフェ -秋の洲浜- 源氏物語ミュージアム「雲上茶寮」 KYOTO

落ち着いた空間でモダンな秋の甘味を 「庭園パフェ - 秋の洲浜 -」1,580円。トップの栗の山と柚子味の洲浜ムースは金木犀で飾り付け、秋の雰囲気を演出。地層に見立てたガラスの中は、焙じ茶ジェラートや白玉、栗の実が宝石のように散りばめられています
落ち着いた空間でモダンな秋の甘味を

京都府の宇治市源氏物語ミュージアム内に今年4月にオープンした「雲上茶寮」。源氏物語を想起させるスイーツメニューや伝統の日本茶と新しい楽しみ方を発信しています。カフェからは木々に囲まれたミュージアムの庭や館内の坪庭を一望でき、ひっそりと静かな空間が広がっています。看板商品の「庭園パフェ」は、源氏物語ミュージアムのエントランスガーデンや平安時代の洲浜をイメージしたボウルパフェで、崩すのがもったいないほど美しく華やかな仕上がりです。

伝統的な宇治茶をスタイリッシュに

IMAGINARY TEA ~宇治十帖~ IMAGINARY TEA ~宇治十帖~

源氏物語 宇治十帖の代表的な登場人物を想起したイマジナリーティーは全部で5種。厳選した宇治茶や彩り豊かな各地の名茶を日本茶の第一人者である宇治の茶匠直伝の淹れ方で楽しむことができます。和モダンな雰囲気を演出する冷茶のグラスやボトルスタイルにも注目です。

天井が高くなっていて、広々とした空間を演出 天井が高くなっていて、広々とした空間を演出

カフェ内は、歴史・アート・自然が融合した大人空間が広がっています。最高のロケーションで極上の甘味・お茶とともにくつろぎのひと時を過ごすことができます。

落ち着いた雰囲気の大人空間
いま見るべき作品
平安の間(牛車)

平安時代の貴族の移動手段だった牛車。全長約5.5メートルで、車輪だけでも直径2メートルほどあります。

平安の間(牛車)
源氏物語ミュージアム「雲上茶寮」
源氏物語ミュージアム「雲上茶寮」
住所/京都府宇治市宇治東内45-26
電話/0774-39-9300
営業時間/9:00〜17:00 (L.O.16:30)
定休日/月曜日(祝日の場合はその翌日)、年末年始
アクセス/JR宇治駅から徒歩約15分
駐車場/15台
※2022年11月21日~2023年3月13日 源氏物語ミュージアムの大規模改修のため休業予定