3つの海に囲まれた函館市は、対馬暖流の影響で海洋性気候となり、
北海道のなかでも気候が穏やかなエリア。
標高334mの函館山や津軽海峡など豊かな自然にも恵まれ、
季節ごとに異なる表情を見せます。
四季折々の景色とともに旬のグルメを味わえば、
より一層函館の魅力を体感できるはず。
心を豊かにしてくれる、函館市の春夏秋冬を訪ねましょう。
文/若宮早希
函館市の桜の見頃は4月下旬~5月上旬頃。市内の公園や並木道など、至る所で花を咲かせます。なかでも五稜郭公園は函館屈指のお花見スポットです。約1,500本のソメイヨシノが一斉に開花するさまは壮観! 桜の花びらが浮かぶお堀で手漕ぎボートを楽しんだり、五稜郭タワーの展望台から眺めたりするのも一興です。函館山の麓にある函館公園は、園内の明治山から津軽海峡を望む絶景スポット。海と桜の競演を楽しむことができます。
お花見のお供は「やきとり弁当」が正解! 函館市を中心に展開するコンビニ、ハセガワストアの名物です。その正体は、豚肉の串焼き。道南エリアでは、“やきとり”といえば豚肉のことを指すのだとか。オーダーが入ってから焼き上げるので、いつもできたてアツアツを味わえます。
函館市の夏の平均気温は20~23℃ですが、暑い日は30℃を超えることも! そんなときは“涼”を感じられる川下りがぴったりです。函館市郊外を流れる汐泊川では、サクラマスやカワセミが生息する清流をカヌーで漕いでいく川下り体験が評判です。緑の中でのアクティビティなら、北海道の名馬「どさんこ」に乗って森や草原を散策できるホーストレッキングも。カルチャー体験なら、世界文化遺産の構成資産である「垣ノ島(かきのしま)遺跡」や「大船(おおふね)遺跡」を訪ねる、縄文時代の遺跡巡りはいかがでしょうか。
アクティビティで体を動かすときは、腹持ちがいいと大人気のいかめしがおすすめ! いかめしはイカの胴体にお米を詰め、醤油や砂糖で煮た道南エリアの伝統食です。戦時中の食糧不足のなかで、沿岸でたくさん獲れたイカを活用するために考案されたそう。甘辛い味付け&もっちり食感がやみつきになるおいしさです。
函館市の紅葉の見頃は10月下旬~11月上旬頃です。道内唯一の国指定文化財庭園である旧岩船氏庭園(香雪園)(きゅういわふねしていえん こうせつえん)にはカエデやイチョウなどが約600本あり、美しい日本庭園が見事に色づく紅葉の名所として知られています。紅葉に合わせて行われるイベント「はこだてMOMI-Gフェスタ」では、約100m続くカエデ並木をライトアップ。16~21時の間だけ見られる幽玄な光景は一見の価値ありです。※イベント開催内容は変更になる場合があります。
紅葉とともにしっぽりと楽しみたいのが、函館市の地酒。酒蔵・五稜乃蔵(ごりょうのくら)が醸す「五稜」は、函館市で約半世紀ぶりに誕生した日本酒として話題を集めています。函館・松倉川水系の超軟水を仕込み水に用い、北海道産の酒造好適米を使用。まろやかで辛口の味わいが特徴です。純米、純米吟醸、純米大吟醸などいろいろな純米酒を味わえます。
異国情緒あふれる函館市の街並み。冬の夜はイルミネーションで各所がライトアップされ、より一層幻想的に輝きます。なかでも、赤レンガ倉庫群周辺で行われる「はこだてクリスマスファンタジー」は、毎年多くの人で賑わう人気のイルミネーションイベント。一番の見どころは海上に設置される巨大なクリスマスツリーで、18時のツリー点灯時には花火が打ち上げられます。12月1日から25日まで毎日開催。※イベント開催内容は変更になる場合があります。
イルミネーションを楽しんだ後は、体が温まるラーメンを。貿易港として栄えた函館では、明治時代からすでに飲食店でラーメンが提供されていたそう。函館ラーメンの特徴はすっきりとした塩味で、札幌の味噌、旭川の醤油と並ぶ北海道の三大ラーメンとして愛されています。市内には約150店ものラーメン店があり、まさにラーメン天国といえます。