初冬の山陰は凛とした空気が心地よく、懐かしいまち並みや夕景の美しい海岸などを歩けば、心ほぐれるひと時が過ごせます。ドラマで話題の小泉八雲が愛した島根県松江には、小泉八雲記念館や「日本の道100選」に選ばれた塩見縄手という散歩道、美保神社の門前町として賑わった青石畳通りがあり、和の情緒が楽しめます。そしてこの時期の山陰の魅力といえば、なんといってもカニ! ベニズワイガニの水揚げ量日本一を誇る鳥取県の境港をはじめ、山陰では漁期の9月から翌年6月までカニを味わうことができます。ほかにも、ノドグロやシジミなどの新鮮な魚介類、そんな美食を育む地元の人々が愛する“いつもの味”も外せません。年末の慌ただしさを忘れ、食で満たされ、風景に癒される山陰で、心の洗濯をしませんか。今回は山陰のなかでも、島根県の松江市、安来市、鳥取県の境港市、米子市、大山町を取り上げます。
文/ランズ


- ACCESS
- ●羽田空港(東京) ⇒ 飛行機約90分 ⇒ 出雲縁結び空港(島根)/米子鬼太郎空港(鳥取)
- 伊丹空港(大阪) ⇒ 飛行機約60分 ⇒ 出雲縁結び空港(島根)/米子鬼太郎空港(鳥取)
宍道湖や松江城、塩見縄手など、松江は観光スポットの宝庫。
いま注目なのは、やっぱり小泉八雲記念館。
ぜひ立ち寄って八雲の人柄に触れてみましょう。
小泉八雲は『知られぬ日本の面影』『怪談』など、多くの著作を残した明治の文豪です。アメリカで新聞記者として活動したのち、1890(明治23)年に来日後、島根県尋常中学校の教師として赴任。日本の暮らしや伝統、民話を著作にまとめ、日本の魅力を世界に発信しました。館内では初版本や直筆原稿、遺愛品などを展示するほか、現在は妻・セツの企画展「小泉セツ~ラフカディオ・ハーンの妻として生きて」を開催しています。八雲が著書に記した山陰地方の怪談を聞く「再話」コーナーも人気です。
DATA
住所/島根県松江市奥谷町322
電話/0852-21-2147
時間/9:00〜17:00(受付は〜16:30)、4〜9月は9:00〜18:00(受付は〜17:30)
定休日/無休(館内メンテナンスのため、年数回休館あり)
入館料/大人600円(小泉八雲旧居との共通券800円)
山陰の文化に触れた後は、食文化を“舌”で楽しみ、さらに山陰の魅力を満喫しましょう。
鮮魚はもちろん、旬の野菜、果物、老舗の中華料理やうどんまで、
地元の人々にも愛されるご当地料理が味わえます。


オーナー自ら厳選した旬の魚介をふんだんに使った海鮮料理が自慢の店。仕入れる魚介類は毎日変わるので、いつ訪れても飽きることはありません。人気は名物の海鮮丼や天丼、刺身定食、新鮮で上質な紅ズワイガニを1杯丸ごと使用した料理など。冷凍しない“生の素材”の本物のおいしさを楽しめます。なかでも9月〜翌6月に訪れるならば、紅ズワイガニの食べ放題(制限時間60分)がおすすめ。身とカニ味噌がぎっしり詰まっていて、食べ応えも十分。山陰地方でないと楽しむことができない味に、満足すること間違いなしです。
DATA
住所/鳥取県境港市福定町1802-23
電話/0859-42-3223
時間/8:00〜15:00(LO14:30)、17:00〜21:30(LO21:00)
定休日/木曜日(祝日の場合営業)
1986(昭和61)年の創業以来、地元の人々の胃袋を満たしてきた中華料理店。材料はできる限り国産にこだわり、一つひとつ手間ひまかけた料理が並びます。メニューはラーメン、チャーハン、丼ものから一品料理の本格中華までと幅広く、また、野菜たっぷりの料理も多いのでヘルシー志向の方も安心です。おすすめは、コクのあるみそ味で仕上げた熱々の「みそちゃんぽん」と、豚肉と国産野菜の旨みが凝縮した「情熱餃子」。どちらもオーナーのこだわりがつまった、一度は食べてみたい米子のソウルフードです。
DATA
住所/鳥取県米子市末広町149
電話/0859-22-4895
時間/11:30〜14:00(LO13:45)、17:30〜22:00(LO21:30)
定休日/不定休
松江エクセルホテル東急内にあるレストラン。MOSORO(モソロ)とは出雲国風土記の一文から引用した言葉で「静かにゆるやかにするさま」の意味。島根県各地の食材を「もそろもそろ」と集め、心を込めて丁寧に仕立てて提供しています。朝食、ランチ、ディナーとも宿泊者以外でも利用が可能で、特に人気なのが、山陰の魅力がつまった朝食ブッフェ。粒が大きくて栄養たっぷりのしじみ汁、島根県産の穴子を使ったフライ、シェフが目の前で作るオムレツなど、メニューも豊富で朝から心がほっとする味わいです。ディナーのイチオシは、山陰の冬の味覚を凝縮した1日10食限定の「島根のごちそう 冬の美味御膳」(要予約)。まつなが牛リブロースすき焼きや、ズワイガニ天ぷらに舌鼓を。
DATA
住所/島根県松江市朝日町590
電話/0852-27-3160
時間/7:00〜10:00、11:30〜14:00(LO13:30)、17:00〜21:30(LO21:00)
定休日/無休
「安全・安心・癒し」をコンセプトに、素材や製法に一切妥協せず、おいしくて体にやさしい麺料理を提供しています。毎日仕込んでいる6種類の天然出汁、国産小麦で作る自家製麺、天然の大海老や自家農園「あなぞう農園」の野菜を揚げた天ぷらなどがひとつになり、ほかにはない贅沢な麺料理に仕上がっています。木目調の落ち着く店内からは緑豊かな景色が望め、看板犬ならぬ“看板ヤギたち”を見ながらの食事も楽しみ。また、自家農園の果物や野菜を使った手作りスイーツもあるので、こちらも要チェック。
DATA
住所/島根県松江市乃木福富町731-80
電話/0852-67-2290
時間/ランチ11:00〜15:00(天ぷらLO14:00)、カフェタイム14:00〜16:30(LO15:30)、夜 金〜日曜日17:30〜21:00(LO20:00)
定休日/火曜日
「udon dining café 安菜蔵」の隣にあるジェラート店。「あなぞう農園」で育てたイチジク、キウイ、ブルーベリー、サツマイモ、カボチャを使い、自然の甘味を生かしたジェラートを提供しています。季節ごとに旬の果物を使っているので、訪れるたびに新しい味に出会えるのも魅力。ミネラル分を多く含む未精製の、種子島産の粗糖(そとう)の甘さと、地元の抹茶や酒粕などによるフレーバーが、体にやさしい、それでいて後を引くおいしさを作り出しています。パフェやドリンク類などもあるので、ゆったりカフェタイムを過ごすのにぴったり。
DATA
住所/島根県松江市乃木福富町731-80
電話/070-9075-6990
時間/10:00〜17:00
定休日/月曜日
慌ただしい毎日から抜け出したいなら、一棟貸宿でのステイを。
格子の向こうに広がる街並みに、思わずほっとできます。


懐かしい風情が残る松江市南田町に佇み、暮らすように過ごせる一棟貸の宿。木の香りが心地いい3階建ての施設内にはリビングダイニングのほか、洋室を2室、和室を1室完備。1階の玄関土間には観光名所を記載した「sansaku card(サンサクカード)」があるので、好きなカードを組み合わせてオリジナルの観光を楽しみましょう。夕食はしゃぶしゃぶ・すき焼きの名店「ろんぢん」の料理を部屋でゆっくりと味わえます。また、日本最古の美肌温泉といわれる玉造温泉水を配合したスキンケア商品がアメニティとして用意されているのもうれしいところです。
DATA
住所/島根県松江市南田町36
電話/080-4911-7269(10:00〜17:00)
料金/1泊2食付き1名55,000円〜
![[月刊旅色]2025年12月号](https://tabiiro.brimgs.com/book/monthly/202512/images/common/cover.jpg)




