【群馬・栃木】わたらせ渓谷鐵道で行く秋のトロッコ列車旅

群馬県

2024.11.20

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【群馬・栃木】わたらせ渓谷鐵道で行く秋のトロッコ列車旅

愛読書は時刻表、旅色LIKESライターの鉄道旅担当・なおです。今回訪ねたのは群馬県桐生市から栃木県日光市足尾地区を結ぶローカル線「わたらせ渓谷鐵道」。土日祝日に走るトロッコ列車に乗って風を感じながら渓谷に沿って走る列車の旅をご紹介します。例年は11下旬ころまで紅葉を見られるので、ぜひおでかけの参考にしてみてください。

目次

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「わたらせ渓谷鐵道」のあらまし

風情ある木造駅舎に寄り道を

大間々駅からいよいよトロッコ列車の旅へ

渓谷を眺めつつ、お弁当をいただく

トンネルの中も飽きさせません!

旅はクライマックスへ

おわりに

旅はつづく、日本の発展を支えた足尾銅山へ寄り道

わたらせ渓谷鐵道の起点でもあるJR桐生駅。

わたらせ渓谷鐵道の起点でもあるJR桐生駅。

こんにちは、なおです。今回、わたしは群馬県東部の桐生駅に来ています。ここから渡良瀬川に沿って川の上流に向かう「わたらせ渓谷鐵道」のトロッコ列車に乗って県境を越え、栃木県日光市の足尾駅まで向かいます。

「わたらせ渓谷鐵道」のあらまし

モミジの葉がトレードマーク。

車内も温かみのある紅葉カラー。

わたらせ渓谷鐵道は、群馬県桐生駅から栃木県間藤(まとう)駅までを結ぶ全長約44.1キロメートルのローカル線です。明治時代に足尾銅山で採掘された鉱石を運ぶために、足尾鉄道が開業させました。のちに国有化され、足尾銅山閉山後は旅客輸送のみにシフト。1989(平成元)年に、わたらせ渓谷鉄道へ経営が移管されました。それ以降、通称「わ鐵」として地域の方に親しまれています。
渡良瀬川に沿って走るため、車窓から眺めることができる渓谷の景色が美しいことが特徴で、その渓谷美をより堪能できるようにトロッコ列車が走り、紅葉シーズンは特に多くの観光客で賑わっています。

風情ある木造駅舎に寄り道を

山が霧で煙るあいにくのお天気。

山が霧で煙るあいにくのお天気。

トロッコ列車をご紹介します、といいながら桐生駅から乗ったのは普通の車両。私の乗る「トロッコわたらせ渓谷3号」はこの先の大間々(おおまま)駅からの発車なのでそちらに向かいます。まだ時間があるのでトロッコ列車は通過してしまう駅に立ち寄ることにしました。

大間々駅のひとつ先の駅。

あじさいのドライフラワーが飾られています。

改札の傾き感が何ともいい味出してます。

9月末は、コスモスが美しかった。

木造の椅子に座って列車を待つどこかのおじさん、もとい筆者。

私が下車したのは「上神梅(かみかんばい)駅」。開業した1912(大正元)年に建てられた木造駅舎が今もそのまま残る駅です。その貴重性が評価され、2008(平成20)年に登録有形文化財に指定されています。この日はあいにくの雨でしたが、しっとりと濡れた木造駅舎は晴れた日とはまた違った風合いを見せてくれるので私は好きです。誰もいない待合室で雨の音を聞き、古い木造駅舎の独特の匂いを楽しみながら、次の電車までの約50分があっという間に過ぎていきました。

大間々駅からいよいよトロッコ列車の旅へ

上神梅駅から大間々駅に戻りました。すでに「トロッコわたらせ渓谷3号」はホームで待っているようですので、そちらに急ぎます。

トロッコ列車は、最後尾から乗り込みます。

風を目いっぱい感じられそうなトロッコ車両。

窓のある車両もあります。

トロッコ列車をけん引する機関車の姿も垣間見えます。

指定券は懐かしの硬券タイプ。

「トロッコわたらせ渓谷3号」は、4両編成の車両のうち、2、3号車がトロッコ車両となっていて窓のないオープン座席となっています。残念ながら先頭の機関車の方には行けないようで、お尻しか見ることができません。

ちなみに今回は、「一日フリーきっぷ」を利用しました。1,880円で桐生~間藤間を自由に乗り降り可能。桐生駅から足尾駅までは普通乗車券だと往復2,260円なので往復するだけでもとが取れてしまいます。ほかにも沿線のいくつかの施設で使える割引特典もあるのでお得です。

渓谷を眺めつつ、お弁当をいただく

トロッコから見える疾走感溢れる光景。

10:54、トロッコ列車は足尾駅に向かって出発しました。大間々駅を出てすぐ、渡良瀬川が作る渓谷の姿をこれでもかと見せつけてくれます。

手ぬぐいつきの「やまと豚弁当」。

醤油ベースのタレがうまい!

手ぬぐいはこんなデザイン。トロッコ列車がなかなかリアル。

11:00を回ったので早めのお昼に。事前に予約をしておくことでトロッコ列車の中で、お弁当をいただくことができます。数に余裕があれば当日車内でも販売してくれますが、事前予約が安全です。メニューは「トロッコ弁当」と「やまと豚弁当」の2種類で、どちらも1200円。「やまと豚弁当」は、群馬県産のやまと豚をしょうゆベースのたれで仕上げ、ご飯の上に載せた弁当です。お肉がとても柔らかく、醤油の風味が鼻を抜けてとてもおいしい。旅のお供に最適です。

トロッコ列車はゆっくりと渓谷に沿って山の中を走っていきます。11月には緑の景色も茜色に染まっていることでしょう。風が心地いいのですが、標高が上がってくると段々と寒さを感じます。9月の下旬でも、やや天気が悪いと気温は20℃を切っていました。平野部とは気温の差も随分とあるので服装には注意が必要です。

“こうべ”ではなく“こうど”。

こちらの駅舎も登録有形文化財。

中間駅、神戸(ごうど)駅に到着すると、ホームに古い車両が見えてきます。実はこちら、東武鉄道の「けごん」特急用車両を転用してレストランとしたもの。さきほど車内で食べたお弁当もここで営業する「レストラン清流」が作って車内で販売してくれたものです。ほかにも、そばやうどん、舞茸ごはんなどの食事も食べることができます。

◆レストラン清流
住所:群馬県みどり市東町神戸891番地 神戸駅構内
電話番号:0277-97-3681
営業時間:11:00~16:00
定休日:4月~11月 無休、12月~3月 月曜日 ※祝日の場合は翌平日
※予約は前日までに

トンネルの中も飽きさせません!

神戸駅を過ぎてしばらくすると、トロッコ列車は長いトンネルに入ります。暗いトンネルは車窓も楽しめずに退屈してしまうものなのですが、わ鐵のトロッコ列車は違います。

天井を彩る無数の星たち。

トロッコ列車の天井に星が輝きます。

誰もがこの夜空を写真に収めていました。

トロッコ車両に装飾された青色発光ダイオードが、さながら夜空の星のように輝き出します。渡良瀬川の上流は民家も少なく、空気も澄んでいるので実際にこのようなきれいな夜空が見えるんだろうな……。

旅はクライマックスへ

トンネルを抜けたら一気にダイナミックな景観に。

カーブを曲がるごとに先頭機関車も少しだけ見られます。

車窓から見える渡良瀬川も上流に入り、川に転がる石の大きさがかなり大きくなってきました。列車は群馬県から栃木県に入り、トロッコ列車の旅ももうすぐ終わりを迎えます。

列車は間もなく、足尾銅山の玄関口・通洞(つうどう)駅に到着しようというところ、乗客は左側に見える景色を写真に収めます。足尾銅山の通洞選鉱場跡です。かつてここで採掘した銅鉱を砕いて泥状にして撹拌するなどの作業を加えて、一定の品位の銅鉱石にして製錬所に運んでいました。銅山が閉山して以降使われることはありませんが、巨大な施設のあとが日本の産業を支えた歴史を静かに物語っています。

通洞駅も登録有形文化財。多いですね。

12:24、トロッコ列車は通洞駅に到着し、ほとんどの乗客が下車しました。日光市足尾地区の中心駅であり、足尾銅山に向かう方やバスに乗り換えて中禅寺湖、日光方面に向かう方などそれぞれの目的地に向かっていきます。

おわりに

やっと顔を見せてくれた機関車。でも正面からはホームが狭くて撮れず。

楽しい旅行にしてくれたトロッコ列車にバイバイ。

「トロッコわたらせ渓谷3号」での渡良瀬渓谷の旅は、車内にいながら渡良瀬渓谷の景色と自然の風もを堪能できる、とても楽しいものでした。トンネルの中も星空を演出するなど乗客を飽きさせることがありません。観光案内などは少なめでしたが、その分思い思いに渓谷美を楽しむことができるいい旅になりました。「トロッコわたらせ渓谷3号」と折り返し運転となる「トロッコわたらせ渓谷4号」は、11月末までの運転です。その後は気動車の「トロッコわっしー号」が走ります。冬期はガラスが張られ外が見えにくくなりますが、寒さを感じることはありません。

例年10月下旬から11月下旬まで紅葉を見ることもできます。日本の産業を支えた足尾銅山とともに歩んだわたらせ渓谷鐵道の旅をぜひ楽しんでください。

◆トロッコわたらせ渓谷3・4号
運行区間:大間々駅~足尾駅(1日1往復)
運行日:3月下旬から11月末までの土・日・祝日及び紅葉シーズンなどの多客期運転
料金:トロッコ車両は運賃のほかに520円の乗車整理券が必要
※12~3月の日・祝日は桐生駅から間藤駅間でほぼ同時刻に「トロッコわっしー号」が運行

「わたらせ渓谷鐵道」公式HPはこちら

旅はつづく、日本の発展を支えた足尾銅山へ寄り道

大正元年大晦日開業の足尾駅。

タラコと呼ばれたキハ35列車。

歴史を感じさせるキハ30列車も。

せっかくですので足尾銅山を観光しましょう。通洞駅からは徒歩12分ほどで、最寄りの足尾駅に到着します。この駅舎やタラコが停まっている線路の隣の貨物線上屋も登録有形文化財となっています。わたらせ渓谷鐵道は歴史が長いだけにこのほかにも多くの登録有形文化財を持つ文化的価値の高い路線なのです。

トロッコ列車でここまできて、銅山観光のためにまたトロッコ列車に乗ります。

明治、大正、昭和それぞれの鉱石の採掘の仕方をマネキンをつかってわかりやすく説明しています。

寛永通宝一文銭もここで鋳造されました。足字銭と呼ばれ、お金のことを「お足」と呼ぶのはこれがきっかけだそう(諸説あり)。

足尾銅山は16世紀半ばに2人の百姓が鉱脈を発見したことから、その歴史がはじまりました。江戸時代初期に最盛期を迎えますが、産出量が減って衰退、閉山の危機に見舞われます。その後古河財閥によって再興され、明治の近代化の時代に日本の産業を支える原動力となってきました。戦後はエネルギー革命の影響や産出量の減少もあり、鉱山は衰退し1973(昭和48)年に400年の歴史を終えています。一方で渡良瀬川流域を中心に鉱毒被害をもたらし、日本初の公害である足尾鉱毒事件も起こし公害対策の必要性がクローズアップされるきっかけになりました。

◆足尾銅山観光
住所:栃木県日光市足尾町通洞9-2
電話番号:0288-93-3240
営業時間:9:00~17:00(最終入場16:15)
入坑料:大人(高校生以上)830円、小中学生410円、未就学児無料 ※団体割引あり 

「足尾銅山観光」についてはこちらから

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とにかく旅好きで暇さえあればリュックひとつでどこかに出かけています。鉄道をこよなく愛し、時刻表はわたしの愛読書。温泉も大好きなので鉄道を使って温泉巡りする、そんな記事が多いかもしれません。最近は絶景めぐりも旅のポイントにしています。みなさんオススメの絶景情報求む!

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