博多~由布院は特急「ゆふいんの森」がおもしろい! 大満足のおすすめ日帰りコース

JR九州が運行する「D&S列車(デザイン&ストーリー列車)」のひとつである特急「ゆふいんの森」。1989年に運行を開始した、メタリックグリーンのヨーロピアンスタイルの車両がトレードマークの列車です。車窓に広がる雄大な景色や、特別感あふれる車内サービスを満喫しながら、由布院の魅力が堪能できる日帰りコースをご紹介します。
目次
レポータープロフィール
地域プロデューサー・田中

九州や沖縄の魅力を発見・拡散すべく奮闘中。仕事が終わったら、現地に暮らす人達のなかに入れてもらい、その土地のモノを食べて、二次会へ行くのが楽しみ。
由布院とは
大分県由布岳の麓に広がる自然も水も豊かな街。アートやカフェ巡りも楽しめる癒しの観光地です。また、環境大臣が指定する“温泉利用の効果が十分期待される71の国民保養温泉地”の1つで、湧出量は全国第2位を誇ります。
10:11 博多駅から特急「ゆふいんの森」で出発
JR九州が運行するD&S列車。メタリックグリーンの車両が特徴で、博多~由布院・別府間を結ぶ人気の列車です。車内は木の温もりを感じるデザインで、全ての車両で車窓が高く、景色が見やすいハイデッカー構造に。列車最前部は、前面展望が望め、とても好奇心をくすぐられました。特にサロンでは、大きな窓から景色がダイナミックに流れるので、記念撮影をされる方が多かったです。真横で景色が通り過ぎる感覚は、他の乗り物でも体験したことがないので、個人的にはずっとサロンで景色を楽しみたかったです(笑)。一般の列車にはない、客室乗務員の方との会話も、乗車時間を楽しめた要因でした。
※特急「ゆふいんの森」の運行時刻は、2025年2月時点のものです。時刻は変更となる場合があります。
車内ではお弁当を食べながら、景観を楽しむ
由布院の野菜など食材にこだわり、幕の内弁当のように小分けのおかずがたっぷり詰まった「ゆふいんの森弁当(1,500円)」は食べ応えがあり、男性が食べてもちょうど良いぐらいで人気です。ひと口サイズのおにぎりが食べやすかった「ゆふいんわっぱ(1,000円)」も人気。特急「ゆふいんの森」でしか味わえない「柚子みつスカッシュ(400円)」の程よい甘さがちょうど良かったです。耳納連山(みのうれんざん)、慈恩の滝、伐株山(きりかぶさん)、豊後森駅、豊後森機関庫公園など、美しい景色を眺めながら、食べる味わいは特別な旅時間になること間違いなし。観光名所を通過する際には、アナウンスが流れるうえに、「慈恩の滝」を通る時は、滝がよく見えるように速度をかなり落とした走行でした。本当に乗車時間を楽しめる様々な仕掛けが詰まっています。
※価格は2025年2月時点のものです。
↓ 乗車時間2時間16分
12:27 由布院駅到着、駅前の絶景を楽しむ

由布院駅を出ると由布院温泉のシンボル・由布岳がお出迎え。迫力ある景色を楽しめます。正面に広がる風情ある町並みと合わせて、写真をとっておきたくなる景観です。
↓ 駅前通り徒歩すぐ
12:45 宇奈岐日女神社の鳥居から由布院の旅スタート

駅前通りを約2分ほど進むと、宇奈岐日女神社の鳥居が。こちらは由布院の観光名所のひとつ「宇奈岐日女神社」に続く参道の入り口。本殿はここから約1キロほど先ですが、鳥居をくぐるだけでも厳かな気持ちになれます。
↓ 参宮通り徒歩すぐ
13:00 城橋で由布岳を背景に記念撮影後、大分川沿いを散策
鳥居をくぐり、参宮通りを神社方面に少し進むと由布岳のベストショットが狙える「城橋」が。原風景を残したいという地元の意向で、あえて街灯をつけておらず、歓楽街の誘致も控えているのだそう。春は桜、夏はホタルが飛び交うなど、季節によって違った趣を感じられます。
◆城橋
住所:大分県由布市湯布院町川上
↓ 徒歩で約15分
13:30 金鱗湖の景観に癒される

湖面に浮かぶ鳥居が人気の由布院を代表する観光スポット。1884年(明治17年)に儒学者・毛利空桑が、湖を泳ぐ魚の鱗が夕陽で金色に輝く様を見てこの名をつけたそう。湖の周りには散策路が整備されているので、のんびり散策するにはぴったり。秋から冬の冷え込んだ早朝には、湖面が朝霧に包まれ幻想的な光景が広がります。
◆金鱗湖
住所:大分県由布市湯布院町川上1561-1
↓ 徒歩で約2分
14:00 「茶房 天井棧敷」でカフェタイム
江戸時代末期の造り酒屋を移築し1975年に開店。樽底で作った大きなテーブルや北欧ヴィンテージ家具が並ぶ店内は、どこか懐かしさも感じさせる佇まい。40年以上愛される定番メニュー「モン・ユフ」は、デンマーク産のクリームチーズと生クリームを掛け合わせた、さっぱりとした口当たりが特徴の名物。大人の嗜みやこだわりを感じさせ、このお店の雰囲気をまるで味で再現したようでした。他にもよく注文されるカツサンドやビーフシチューも次は必ず食べたいメニューです。
◆茶房 天井棧敷
住所:大分県由布市湯布院町川上2633-1
電話:0977-85-2866
営業時間:9:00~17:00(16:30LO)
定休日:不定休
↓ 徒歩で約10分
15:20 「COMICO ART MUSEUM YUFUIN」でアートにふれる
建築家・隈研吾が建築を手がけた美術館で、由布院の自然と調和する洗練されたデザインが魅力。日本の現代アート作品を展示し、訪れる人に静かで特別な体験を提供してくれます。なかでも、撮影は不可でしたが、草間彌生さんの作品は、幼い頃から悩まされていた幻覚や幻聴をアートにしたと知り、制作の背景を知ってから作品を見ることで、アートの見え方、感じ方が全く変わる刺激的な体験ができました。
◆COMICO ART MUSEUM YUFUIN
住所:大分県由布市湯布院町川上2995-1
営業時間:9:30~17:00(最終入場16:00)
定休日:隔週水曜日
入館料:一般1,700円、大・専門学生1,200円、中・高校生1,000円、小学生700円、障がい者手帳提示1,200円
↓ 徒歩で約10分
16:00 由布院駅にてアートホール&足湯でリフレッシュ
由布院駅の待合室を兼ねたアートホール。改札をくぐらず、ギャラリー鑑賞を楽しめます。町内外や県外はもちろん、海外などからの公募企画をはじめ、自主企画など、年間10~15のアートが展示されています。写真、絵画、工芸品、映像、書道、立体作品など、ジャンルも様々。さらに、改札をくぐり、1番乗り場には足湯が。旅の疲れを癒すのにぴったりなスポットです。帰路前にアートとお湯に癒されます。
◆由布院駅アートホール
住所:大分県由布市湯布院町川北8-2
電話:0977-84-4678
営業時間:9:00~18:00
定休日:無休
◆足湯
住所:由布院駅改札内
17:17 由布院駅から特急「ゆふいんの森」で帰路へ
特急「ゆふいんの森」を使えば日帰りで、移動時間も含めて由布院をたっぷりと満喫できます。ぜひ、D&S列車を使った、特別な旅時間を過ごしてみませんか?
もう少し欲張って! 宿泊したら行きたいおすすめスポット
今回は1日で巡るコースを紹介しましたが、由布院にはまだまだ魅力はたくさんあります。その一部をほんの少しご紹介します。宿泊した翌日の目的地の参考に。
歴史を深めたいなら「宇奈岐日女神社」
由布院の守護神を祀る歴史ある神社。古くより水害との戦いで治水に悩まされていたころに、「鰻」を精霊として祀ったことがこの名の由来だそう。由布岳の麓に鎮座し、由布院の自然と調和した、心落ち着くパワースポットとしても人気です。
◆宇奈岐日女神社
住所:大分県由布市湯布院町川上2220
電話:0977-84-3200
営業時間:8:30~16:00(社務所)※参拝は自由
定休日:無休
(写真提供/由布市商工観光課)
工芸品にふれられる「アトリエとき」
手作りの木工製品や雑貨が並び、温かみのあるアイテムが豊富に揃うクラフトショップ。木のぬくもりを感じる作品を見ているだけで、リラックスした時間を過ごせる場所です。自然に囲まれた店構えは、まるで、秘密のアートギャラリーのような雰囲気。
◆アトリエとき
住所:大分県由布市湯布院町川上2666-1
電話:080-9108-5387 、 0977-84-5171
営業時間:10:00~17:00
定休日:木曜日 ※臨時休業の場合有り
(写真提供/アトリエとき)
パワースポット巡りには「大杵社」
由布院を代表する歴史ある神社です。最大の見どころは、樹齢約1,000年ともいわれる大杉。静寂に包まれた境内は神秘的な雰囲気が漂います。四季折々の自然と調和し、訪れる人々に荘厳なひとときを提供してくれます。
◆大杵社
住所:大分県由布市湯布院町川南
電話:097-582-1304(由布市商工観光課)
定休日:無休
(写真提供/由布市商工観光課)