岐阜県南東部に位置する東濃エリア(恵那、多治見、中津川、土岐、瑞浪)。江戸時代に整備された五街道の一つで、江戸(日本橋)と京都(三条大橋)を結ぶ中山道の宿場町として栄えてきました。今日でも古い街並みが残り、江戸の風情を感じることができます。奈良時代から続く美濃焼が盛んで、日本最大の陶磁器の産地になっています。さらに、多治見市はモザイクタイルの生産量日本一、恵那市は細寒天の生産量日本一、中津川市は栗きんとん発祥の地など、知る人ぞ知る魅力も。自然に目を向けると、恵那山や木曽山脈に連なる山地や渓谷が作り出す里山の風景もこのエリアの醍醐味です。新緑の季節を迎え、生命力にあふれた東濃エリアは、これからの季節にこそ訪れたい場所。そこで、旅の目的にプラスしたい地元で愛され続ける隠れた名所やブランド食材などの逸品を紹介します。
文/近藤由美
岐阜県南東部にある恵那市、多治見市、中津川市、土岐市、瑞浪市の5市エリアを東濃といいます。かつての「美濃国(みののくに)」の東に位置したことがその名の由来。山々と清流に囲まれた自然の恩恵が豊かなエリアながら、JR岐阜駅や名古屋駅からアクセスしやすく、中央自動車道が伸びているので車での移動も便利。リニア中央新幹線の駅が中津川市に開設されることでも注目が高まっています。

- ●東京駅 ⇒ 新幹線で約1時間30分 ⇒ 名古屋駅 ⇒ JR特急で約25分 ⇒ 多治見駅 JRで約5分 ⇒ 土岐市駅 ⇒ JRで約20分 ⇒ 恵那駅 ⇒ JRで約10分 ⇒ 中津川駅
- ●新大阪駅 ⇒ JR東海道新幹線 約50分 ⇒ 名古屋駅 ⇒ JR特急で約25分 ⇒ 多治見駅
景勝地・恵那峡で有名な恵那市は、東濃エリア屈指の観光のまち。江戸の面影を今に伝える町並みが残る岩村町、「日本の棚田百選」に選出された坂折棚田のある中野方町、10万本のつつじが咲く東野エリアの根の上高原ではGWにつつじ祭りが開催されるなど、見所がたくさんあります。
1924年に電力王と呼ばれた福澤桃介氏(後の関西電力初代社長)が建設した大井ダムにより、木曽川を堰き止めて造られた人造湖と周辺の渓谷が恵那峡です。国指定天然記念物の傘岩をはじめ、屏風岩、軍艦岩、獅子岩など、奇岩・怪岩が連なります。唯一無二の自然美を満喫するなら「恵那峡クルーズ」(約30分、大人1名1,500円)がおすすめ。遊覧船からしか見られない迫力ある景色は旅のハイライトになるはず。恵那峡観光の後は、車で20分ほどの場所にある道の駅「そばの郷らっせぃみさと」へ。「そば処 らっせぃ庵」の蕎麦は行列ができる人気グルメです。
恵那峡ビジターセンター
住所/岐阜県恵那市大井町2709-79
電話/0573-32-1790
時間/9:00~17:00、12~3月は10:00~16:00
定休日/年末年始

豊かな土に恵まれ、1300年以上の歴史がある陶磁器(美濃焼)の文化を受け継ぐまち。「多治見市美濃焼ミュージアム」では人間国宝が手がけた抹茶碗で抹茶をいただくことができ、「こども陶器博物館」では絵付け体験ができます。最近は、国内最高気温を記録する暑いまちとしても有名に。
南北朝時代の創建と伝わる「笠原神明宮」。昭和46年に現在の姿へと再建されたときに、伊勢神宮から御神宝をいただき、昭和61年に現社名へと改称した歴史があります。主祭神は、伊勢神宮の内宮と同じ天照皇大御神で、五穀豊穣、家運隆盛、商売繁盛、交通安全や厄除けなどのご利益があるそう。6月30日の大祓では、半年間で溜まった穢れを清め、茅の輪をくぐることで残りの半年の厄払いを願いましょう。境内にも作品があるモザイクタイルの美しさに惹かれたなら、すぐ近くにある「多治見市モザイクミュージアム」に立ち寄ってみては。
住所/岐阜県多治見市笠原町2900-1
電話/0572-43-6358
時間/終日開放(社務所受付は9:00~15:00)
定休日/無休
住所/岐阜県多治見市宝町2-48
電話/0572-21-4631
時間/10:00~18:00
定休日/月曜日
「優しいおいしさで、ほっとできる時間を届けたい」という思いから生まれたシフォンケーキ専門店。空気をたっぷり含ませた生地を23cmの大きな型でじっくり焼き上げるのが、きめ細かく軽やかな食感に仕上げる秘訣だそう。素材の風味を活かすため、生地もクリームも甘さ控えめ。そのため、幅広い世代に親しみやすく、大きな1ピースもペロリと完食できてしまうのが魅力です。カラフルなラインナップは、眺めているだけで気分が上がります。オンラインで購入できるアイテムもあるので、お気に入りのリピートや、大切な人へのギフトにも。
森の小道を進むと現れるレストラン、カフェ、バウムクーヘン工房、ギャラリーからなる複合施設。どの店舗も森に溶け込むように造られていて、ありのままの自然を身近に感じながらリラックスして過ごすことができます。早起きした朝や午後のティータイムをカフェで過ごせば、日常が豊かで特別な日に。ハレの日にもおすすめのレストランでは、イタリア料理と日本の伝統食を融合させたモダンイタリアンを楽しめます。バウムクーヘン工房が手がける自然派のバウムクーヘンは、多治見市観光協会推奨品に認定されていてお土産にぴったり。
住所/岐阜県多治見市小名田町小滝5-6
定休日/火曜日、第2・3水曜日
東濃エリア随一の宿場町として栄えたまち。なかでも馬籠宿は、詩人・小説家である島崎藤村の故郷としても有名で、今も石畳の坂道に沿って古い街並みが残っています。良質な東濃桧の産地でもあり、独自の技術を活かした木工製品づくりや関連イベントも開催されています。
1864年に桂小五郎が藩主・毛利慶親を倒幕へと説得し、明治維新のきっかけとなった「中津川会談」の舞台「やけ山」。この由緒ある歴史的建造物で、中津川の伝統と食の豊かさが詰まった郷土料理を。「地元の食材で調理した、ここでしか食べられない料理をご堪能ください」と店主が話す通り、食材から調味料に至るまで地産にこだわり、甘味は地元の酒蔵の甘酒、塩分は鮎の魚醤を使用。春は山菜、夏は鮎や鰻、秋は松茸をはじめとする天然きのこ、冬は猪、熊、鹿などのジビエと、その時々の里山の恵みが並びます。ランチ、ディナー共にストーリー性のあるコースで、食を通して中津川の魅力に触れられます。
住所/岐阜県中津川市新町4-11
電話/0573-64-2882
時間/ランチ要予約、夜は18:00〜※要予約
定休日/不定休
境内から恵那峡の美しい風景を一望できる「高徳寺」。平和と幸せを願う本尊の「十一面観世音菩薩」は恵那三十三観音霊場第30札所、第2本尊「蛭薬師瑠璃光如来」は中部四十九薬師霊場第35札所になっていて、心身を癒し、願いを叶えてくれると伝わっています。「時代に合ったお寺の在り方を知っていただきたい」と住職の古谷さんは言い、不定期で坐禅会やヨガのイベントを開催。タイミングが合えば、禅の世界に触れてみては。参拝後はお寺の裏山の散策へ。七福神弁財天の池、蛭薬師、穴岩観音、立弘法などが点在していて見応えがあります。
住所/岐阜県中津川市蛭川5349
電話/0573-45-2608
時間/終日開放(寺務所受付は8:00~17:00)
岐阜が誇るブランド牛・飛騨牛を、このエリアでは珍しい焼肉で。店主は「部位やお客さまのお好みに合わせて包丁を入れています。舌触りの違いを感じていただけると思います」と話し、オーダーが入る度に手切りで提供するのがこだわり。切り立てという鮮度の高さやなめらかな舌触りは、贅沢な食体験になるはず。いちおしは完全オリジナルメニューの「WBステーキ」。飛騨牛の赤身ステーキを軽く炙ったもので、飛騨牛ならではの肉々しさが楽しめます。飛騨牛をメインに、さまざまな部位を少しずつ味わえるコースも評判。
住所/岐阜県中津川市新町8-5
電話/0573-89-0054
時間/17:00~23:00、土・日曜日は15:00~23:00
定休日/火曜日
毎年ゴールデンウィークに日本三大陶器祭りの一つ「土岐美濃焼まつり」が開催されるなど、1300年以上の歴史を受け継ぐ美濃焼のまち。市内の70%以上が丘陵地という豊かな自然環境に、東海エリア有数の大型アウトレットモールがあり、観光、ショッピングも充実しています。
飛騨牛料理指定店、焼肉協会加盟店であり、「気取らない雰囲気の中で、上質な肉をリーズナブルに提供したい」という思いで、信頼できる精肉店から飛騨牛を一頭買い。定番のカルビやロースは気前よく厚切りで。噛むほどにうまみがあふれ、ご飯やお酒が進みます。また、きめ細かな霜降り肉をさっと炙り、卵に絡めていただく名物「飛騨牛サーロイン 焼きすき」もオーダーしたい一品。塩、タレ、味噌の3種類の味付けと、ポン酢、昆布塩、マヨネーズソース、醤油だれの4つのつけだれがあり、味変をしながら自分好みの味を探すのも楽しそう。
住所/岐阜県土岐市泉明治町4-24
電話/0572-55-8790
時間/17:30~24:00(LO22:30)、土・日・祝日17:00~24:00(LO22:30)
定休日/月曜日※不定休あり
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