【岩手】冬の平泉を楽しむ旅 ~幸せのかたち、浄土を求めて~

岩手県

2025.01.04

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【岩手】冬の平泉を楽しむ旅 ~幸せのかたち、浄土を求めて~

平泉の朝。ホテルのカーテンを開けると、銀世界が広がっている。これぞ東北旅。いつもなら寒さに萎えてベッドから起き上がれないのに、今朝は違うぞ。平日は会社員、休日は外国人向けにガイドをしている旅色LIKESライターのふみこが、極暖ヒートテックを着込んで、さあ出発。

目次

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地元のガイドさんと平泉を歩く

極楽浄土を表現した庭園が広がる「観自在王院跡(かんじざいおういんあと)」

慈覚大師円仁が開山し、源頼朝も心を奪われた浄土「毛越寺」

東日本随一の平安美術仏教の宝庫「中尊寺」で奥州藤原氏の栄華を偲ぶ

平泉のソウルフードを楽しむ

おわりに

地元のガイドさんと平泉を歩く

まずはホテルのロビーで「古都ひらいずみガイドの会」の小野寺さんと合流。地元に住むプロのガイドさんによるツアーが楽しめる(有料)。平泉愛に溢れたガイディングで、何気ない風景が違って見える。約3時間のウォーキングツアーの始まりだ。

平泉は平安時代後期に藤原清衡(きよひら)、基衡、秀衡、泰衡の藤原四代によって独自の文化が花開いた場所。2011年には世界遺産に登録されている。平安末期の陸奥国・出羽国で起こった“前九年・後三年の役”の長きに渡る戦で多くの肉親を失い、骨肉の戦いを余儀なくされた清衡が求めた浄土はどんな姿だったのだろう。歴史好きの私はワクワクが止まらない。

「古都ひらいずみガイドの会」公式HPはこちら

極楽浄土を表現した庭園が広がる「観自在王院跡(かんじざいおういんあと)」

観自在王院跡にある横30m幅の大路には、雪がうっすら積もる

観自在王院跡にある横30m幅の大路には、雪がうっすら積もる

最初のスポットは、二代・基衡公の妻の建立と言われる観自在王院跡へ。今も水をゆったりとたたえる池が、浄土庭園だった当時の姿を思わせる。隣にある30mほどの広さに、小石が敷き詰められた道路。普通だと通り過ぎてしまうが、小野寺さんの「ここは平安時代の大通りで、牛車を留めた杭が残っています」と言う説明に、奥州藤原氏で栄えた都が見えるよう。私の脳内では大路に牛車が通り、平安装束に身を包んだ人々が往来している姿が……。いかんいかん。現実に戻り、次の目的地、毛越寺(もうつうじ)へ。

◆観自在王院跡
住所:西磐井郡平泉町平泉字志羅山地内
電話:0191-46-4012(平泉文化遺産センター)

慈覚大師円仁が開山し、源頼朝も心を奪われた浄土「毛越寺」

冬の風情がある毛越寺

冬の風情がある毛越寺

興奮状態のまま、雪の毛越寺へ。観自在王院跡から徒歩約3分。雪かき箒の跡が素敵すぎる。この風情は冬の旅だからこそ。奥州藤原氏二代・基衡、三代・秀衡により造営された。すべての伽藍は長い年月の中で焼失してしまったが、伽藍跡と庭園が残っている。浄土庭園を歩くだけで、心が落ち着いてくる。これこそが、清衡公が求めた幸せのかたちなのだろうか。完全に感化されている。

平泉愛に溢れる小野寺さんのガイディングで、脳内妄想は広がっていく

平泉愛に溢れる小野寺さんのガイディングで、脳内妄想は広がっていく

小野寺さんおすすめのフォトスポットで一枚

小野寺さんおすすめのフォトスポットで一枚

小野寺さんが在りし日の平泉を説明してくれた。私の脳内妄想がますます広がってくる。源頼朝が奥州征伐でこの地を見たとき、その美しさに驚き、感動したのだろう。だからこそ、奥州藤原氏を滅ぼさなければならなかった。多くの血を流してきた頼朝も浄土を求めて、鎌倉に永福寺を建てたのがわかるような気がする。暖かくなったら、永福寺跡にも行かないと。前回とはまた違う景色に見えるはずだ。

◆毛越寺
住所:平泉町字大沢58
電話:0191-46-2331

「毛越寺」公式HPはこちら

東日本随一の平安美術仏教の宝庫「中尊寺」で奥州藤原氏の栄華を偲ぶ

タクシーに乗って中尊寺へ向かう。毛越寺からの所要時間はタクシーで約5~6分。この旅のハイライト。奥州藤原氏初代・清衡によって造営された。浄土への思いももちろんだが、奥州藤原氏の巨大な富を反映している。

まずは讃衡蔵(宝物殿)で、仏像、仏典、装飾品等国宝級の仏教美術工芸品を見る。一番大きな仏様の前には木魚等が置かれていて、前のスペースで法要が行われていた。お経が聞こえてくる中で仏様を拝めるなんてラッキーすぎると思いながら、展示スペースへ移動する。法要を終えた僧侶が仏様の前で足を止め、一体ごとにお経を唱えている。この臨場感で仏様がますます素敵に見えてくる。お経は日本人の遺伝子に組み込まれた幸せのかたちなのかもしれない。

この世の浄土は中尊寺の中にある金色堂に

内部は撮影禁止の為、有名な角度から写真を撮ってみた

内部は撮影禁止の為、有名な角度から写真を撮ってみた

“五月雨の 降り残してや 光堂”(「人間の作った金色堂が、はかなく消え去らず、雨という自然にあらがって永遠に生き続けている」の意)。松尾芭蕉が奥の細道で読んだ句。冬は雪が降り残っているよな、と、ツッコみながら金色堂に向かう。堂内に入ると全てが黄金。藤原氏四代・泰衡が棺の中に葬られている。中央壇には阿弥陀如来。その両脇に観音・勢至両菩薩、外側に二天王と六地蔵を従えている。1壇に11体の仏様が安置されている。それが3壇あり、全部で33体の仏様が黄金に輝いている。柱や仏壇も金銀、蒔絵で装飾されている。美しい。そして荘厳。初代・清衡公が思い願った浄土の姿だ。建立から900年。その思いは現在にも受け継がれている。ただそこに立って見つめるだけ。言葉はいらない。極楽浄土を感じるだけ。

本堂にあるご本尊はイケメン

ご本尊

本堂に鎮座されるご本尊は、丈六の釈迦如来。像の高さは約2.7m、台座・光背を含めた5mの大きな仏様。金色堂の仏様はふくよかなのに、本堂にあるご本尊はシュッとしたイケメン。なぜに? と思ったら、こちらの仏様は2013年に造られ、開眼供養されたそう。平安のイケメンと平成のイケメン。時代が違うと顔もこんなに違うのね、と思う一瞬だった。

引き継がれる平泉の文化

能楽堂。私もここで奉納されるお能を見てみたい

能楽堂。私もここで奉納されるお能を見てみたい

中尊寺は神仏習合。神道と仏教の信仰を折衷し、融合・調和している。敷地内には白山(はくさん)神社も建立。能楽堂には今でも能が奉納されている。小野寺さんの孫もこの舞台に立っているとか。平泉の文化はこうやって受け継がれているのだ。私もいにしえの平泉の人々が楽しんだように、能をここで見てみたい。脳内妄想がますます広がりそう。

雪道が続く白山神社の参道。この自然が平泉の文化の源と感じた

雪道が続く白山神社の参道。この自然が平泉の文化の源と感じた

雪が残った月見坂を下り、3時間のツアーは終わり。質問に丁寧に答えて下さった小野寺さん、ありがとうございました。今の時代、情報は簡単にネットで収集できる。歴女のちょっとした疑問に地域の方だからこその回答をくださり、すっかり平泉ファンになった。また伺おうと決意した。私も外国人ゲストに「また日本に来るね」と言ってもらえるよう、ガイドを頑張ろう。

◆中尊寺
住所:西磐井郡平泉町平泉衣関202
電話:0191-46-2211

「中尊寺」公式HPはこちら
「平泉の文化遺産」公式HPはこちら

平泉のソウルフードを楽しむ

中尊寺から歩くこと約10分。お餅のためなら雪もなんのその。街歩きを楽しみながら向かうのもよし

中尊寺から歩くこと約10分。お餅のためなら雪もなんのその。街歩きを楽しみながら向かうのもよし

小野寺さん最後の仕事は、平泉のソウルフードの紹介。このあたりはお餅文化で、季節の行事には家族で必ずお餅を食べると聞いた。トッピングは300種類を超える。雪が激しくなってきた。これも冬の旅の醍醐味と、教えてもらった店「夢乃風」へ向うことに。

藤原三代お餅膳(1.210円)

藤原三代お餅膳(1.210円)

私がいつも食べるお餅はあんこと海苔ぐらい。しょっぱいお餅って、お雑煮以外ほとんど食べたことない。注文した「藤原三代お餅膳」にはずんだ、小豆餡、えごま、黒ごま、きのこ、お雑煮に箸休めの大根おろしが付いてきた。お餅にもいろいろな食べ方があるんだなぁと、平泉の食文化を楽しんだ。ところで、300種類ってどんなトッピングだろう。それは次回のお楽しみで。お腹も心も大満足で平泉をあとにした。

◆夢乃風
住所:西磐井郡平泉町平泉字花立11-2
電話:050-5868-1217
営業時間:10:00~18:00(LO17:30)

おわりに

小野寺さんのガイドにより、さまざまな寺社仏閣を巡ることができた。中尊寺では33体の黄金に輝く仏像を目の当たりに。衣が本当に風に舞っているような、精巧な彫刻に言葉を失う。だが、間近でみると一体一体が思ったより小さい。大きく見えるは、33体の仏様から一気にあふれ出るパワーなのだろう。いにしえの職人達はどんな思いでこの仏様を彫ったのだろうか。900年後の人々にも浄土を届けたいと考えていたのだろうか。またまた妄想は止まらない。いつの日か、また会いに来ようと心に決めた。

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#岩手県 #東北 #ガイド #平泉 #中尊寺 #体験レポート

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ふみこ

山口県出身。神奈川県在住。 平日は会社員。週末は全国通訳案内士(英語)。史子の名前のとおり歴史好き。交流が旅の醍醐味と、出会った方とおしゃべりを楽しむ。料理好きで、地元のお茶、塩、味噌はマストバイ。自宅で旅の余韻を楽しんでいます。

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