【期間限定】憂き世を忘れて宵い酔い良い〜「べらぼう江戸たいとう大河ドラマ館」とゆかりの地を訪ねて〜

東京都

2025.03.08

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【期間限定】憂き世を忘れて宵い酔い良い〜「べらぼう江戸たいとう大河ドラマ館」とゆかりの地を訪ねて〜

現在、話題を呼んでいる大河ドラマべらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(以下、べらぼう)。それにちなみ、今年2月オープンしたばかりの大河ドラマ館や主人公ゆかりの地、主人公が開業した本屋を模した施設(期間限定)などを、旅色LIKESメンバーで東京シティガイド検定の資格を有するてぃまらんさんが紹介します。旅の最後には、夜の浅草を見て「この世の憂き世はここにあるかもしれない……」と感じたそうです。

目次

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挑戦的な演出が話題! 『べらぼう』とは

「耕書堂(こうしょどう)」や浮世絵、花魁の着物など、ドラマの世界や江戸文化が体感できる「べらぼう江戸たいとう大河ドラマ館」

かつての吉原を探しに、台東区を歩いてみる

これが今の憂き世の眺め? 夜の浅草で旅を振り返る

一足延ばして秘蔵の浮世絵が初公開されている丸の内もおすすめ

おわりに

◆この記事を書いたメンバー

挑戦的な演出が話題! 『べらぼう』とは

『べらぼう』は、俳優・横浜流星さんが演じる“江戸の出版王”といわれた蔦屋重三郎(以下、蔦重)が主人公で、彼が育った吉原の様子や、東洲斎写楽や歌川広重といった浮世絵師たちにより日本のポップカルチャーの礎が築かれていく姿を中心にストーリーが進行中です。合戦もなく天下もとらないけれど、ごく普通の庶民が奔走する姿や、これまでの大河ドラマでは取り上げられなかった江戸時代中期や遊郭・吉原の様子が詳細に描かれているため、挑戦的な作品として注目されています。

「耕書堂(こうしょどう)」や浮世絵、花魁の着物など、ドラマの世界や江戸文化が体感できる「べらぼう江戸たいとう大河ドラマ館」

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贅沢禁止の時代にあって、派手さはないけれど小粋な庶民の着流し。蔦重の衣装です

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20代で耕書堂を立ち上げ、吉原のガイドブックともいえる『吉原細見』などを世に出していく

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スタッフさんが「シャッター押しますよ」と声をかけてくれたので、珍しく撮ってもらった

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唐丸の成長した姿が楽しみ……

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昨年の大河『光る君へ』の十二単も素晴らしかったが、花魁衣装もまた違う良さを感じる

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これはこれで、結果を受け入れよう

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江戸新吉原耕書堂の外観

台東区浅草に2月1日、浅草寺の東側にあるビルの9階に「べらぼう江戸たいとう大河ドラマ館」が開館しました。館内には登場人物の衣装や小道具、セットの一部が展示されています。なかでもわたしが注目したのは、作中で平賀源内(※1)から蔦重へ送られる堂号(※2)「耕書堂」が書かれた筆書きの半紙。

書を持って世を耕し
日の本をもっと豊かな国に

という願いが込められた堂号です。

館内ではほかにも、ストーリー内でたびたび登場する浮世絵の下絵や、花魁たちの豪華絢爛な衣装などが展示されています。下絵を見た際は「こんなふうなんだ」とガラスケースに額がつくほど見入ってしまいましたし、華やかな衣装にも目が釘付けになってしました。出口には来館記念のスタンプコーナーがあり、四隅を揃えてきれいに押せば一枚の浮世絵になるようになっています。が、これが難しい、ずれてしまいました……。なお、入館者は半券を見せるとドラマゆかりの地を巡る巡回バスに無料で乗れます。

※1 平賀源内:本草家、戯作者、鉱山開発者、発明家……先進的なアイデアを次々と思い浮かべては、その実現のため日本各地を巡り、成功と失敗を繰り返し、ときに山師とも呼ばれる。ドラマでは俳優の安田 顕さんが演じている。

※2 堂号:版元としての名前。

◆べらぼう 江戸たいとう 大河ドラマ館
住所:台東区花川戸2-6-5(台東区民会館9階)
電話番号:03-4330-1409(受託事業者:株式会社JTB東京中央支店)
営業時間:2025年2月1日(土)~2026年1月12日(祝) 9:00~17:00 ※最終入館16:30
定休日:第2月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始等
料金:大人(中学生以上)800円、小人(小学生)400円

べらぼう 江戸たいとう 大河ドラマ館 公式HP
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ちなみに、耕書堂は当時の遊郭の入り口(現在の東京都台東区千束4丁目11番地付近)にあったとされ現存していませんが、今年の1月18日(土)から来年の1月12日(祝)までこの近所に「江戸新吉原耕書堂」がオープン。観光案内やお土産販売なども行うそうです。

◆江戸新吉原耕書堂
住所:台東区千束4-24-12
営業時間:2025年1月18日(土)~2026年1月12日(祝)10:00~17:00
定休日:第2月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始等



かつての吉原を探しに、台東区を歩いてみる

見学を終えると17時過ぎ。夜の吉原はどんなところだったのか、想像の翼を広げながら当時の名残が感じられるエリアを散策しつつ「浅草寺」を目指してみます。

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1994(平成6)年にビル型の寺院となった

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公式HPでは蔦重にまつわるエピソードの紹介もしている

大河ドラマ館から徒歩約15分の大通り沿いにあるのが蔦重の菩提寺である「誠向山 正法寺(じょうこうざん しょうぼうじ)」です。蔦重の墓は焼けてしまったので、現在は再現されたお墓が境内にあるそう。ドラマのキャストに決まった際、横浜流星さんも訪れていました。

◆誠向山 正法寺
住所:台東区東浅草1-1-15
電話番号:0338734488

誠向山 正法寺 公式HP
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そこからさらに徒歩約5分の場所にある「山谷堀(さんやほり)」は、かつて江戸中心部から吉原までをつなぐ通い道(水路)でした。当時、吉原は堀に囲まれておりその中を客を乗せた舟が行き交っていたのでしょう。現在は埋め立てられ、暗渠(※3)になっています。

※3 暗渠(あんきょ):地下に設けた水路。

◆山谷堀(山谷堀公園)
住所:台東区浅草7-9

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さらに歩くこと約15分。吉原への入り口「見返り柳」が見えてきます。かつて、夜を明かし遊び呆けた紳士たちが名残を惜しみつつ帰る際に振り返る場所でした。いまの見返り柳は再現されたもので、吉原の様子を偲ばせる数少ない遺構です。柳の先にある道路は違和感があるくらいS字にくねっています。一説によると、あえて見通せないようにすることで、この先にある吉原への高揚感を高める演出になっていたとか。

◆見返り柳
住所:台東区千束4-10-8

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S字の先にあるのが「吉原大門跡」ここより奥が遊郭になります。現在は歓楽街になっていますが、昔はここに春は桜並木、秋は紅葉を植え替え、さながらテーマパークのように俗世間からかけ離れた浮世を演出していました。ちなみに、遊郭の入り口はここのみ。治安のためだけでなく、遊女の逃亡を防ぐことを目的としていたそうです。

◆吉原大門跡
住所:台東区千束4丁目15仲之町通り

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吉原神社 外観

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吉原弁財天本宮 外観

大門から歩いて約5分すると「吉原神社」と「吉原弁財天本宮」が見えてきます。「吉原神社」は「九郎助稲荷(くろすけいなり)神社」とも呼ばれ、縁結びや所願成就などの神様をあがめるべく遊女たちが連日連夜詰めかけたといいます。ドラマ初回では俳優・綾瀬はるかさんが吉原を見守る「九郎助稲荷」として登場していましたね! 「吉原弁財天本宮」は「吉原神社」の飛地境内で、1926(大正15)年に建立された立派な吉原観音像がいるほか、社殿には弁財天の仏像が納められています。

◆吉原神社・吉原弁財天本宮
住所:台東区千束3丁目20番2号
電話番号:03-3872-5966
拝観時間:10:00~16:00 ※1月1日から1月7日までは~18:00

吉原神社 公式HP

これが今の憂き世の眺め? 夜の浅草で旅を振り返る

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日没から23時までライトアップされている

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全長380メートルのシャッターを壁画に見立て、『浅草絵巻』を表現している

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「三社祭」「ほうずき市」「浮世絵」「金龍の舞・白鷺の舞」などをテーマにしている

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かつての吉原も、こんな風に輝いていたのかしら……

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テラスにも海外からのお客さんが

吉原神社から徒歩約15分歩くと、ようやく「浅草寺」に到着。すでに参道の店がシャッターを下ろし始める18時30分を回っており、インバウンドのお客さんでごった返す昼間の混雑は緩和されていました。社務所は閉まっていますが落ち着いてお参りできるほか、浅草の風物詩である「シャッター壁画」も見られます。江戸で最も古い歴史がある「浅草寺」。その起源は、本尊の観音様が漁師によって海から引き上げられ、その場にお祀りしたことだとされています。
寺から道路を挟んで向かいに建っている「浅草文化観光センター」の8階にはテラスがあり、無料で夜景が見られます。隅田川や東京スカイツリー、境内が一望でき、お手洗いも綺麗なので休憩にぴったり。時計はすでに19時。ベンチに座ってライトアップされたスカイツリーを眺めることに。スカイツリーは日によって色が異なり、この日は「幟(しょく)」という色。ほかにも、「粋」「雅」の計3色があります。テラスで夜景を見ながら、昼間の大混雑を思い返してみると、周りは外国人観光客ばかりで、まるで自分が異邦人になったかのよう。ある意味、非日常=憂き世を離れて観光できたのかもしれません。

◆浅草寺
住所:台東区浅草2-3-1
電話番号:03-3842-0181
拝観時間:6:00~17:00 ※10月から3月までは6:30~

◆浅草文化観光センター 展望テラス
住所:台東区雷門2丁目18-9
拝観時間:9:00~22:00

浅草文化観光センター 展望テラス 公式HP
東京スカイツリーのライティングはこちらでチェックできます

一足延ばして秘蔵の浮世絵が初公開されている丸の内もおすすめ

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もっと『べらぼう』の世界観について知りたい! となったら足を延ばして「静嘉堂(せいかどう)@丸の内(静嘉堂文庫美術館)」に行ってほしいです。この美術館は三菱の創業者・岩崎彌太郎の弟の彌之助と、息子の小彌太によって創設・拡充された「静嘉堂」の東洋古美術品などのコレクションを展示。3月23日(日)までは初期浮世絵から錦絵時代、明治錦絵まで、静嘉堂所蔵品のみで役者絵の歴史を振り返られる展示会「とよはらくにちか生誕190年 歌舞伎を描く―秘蔵の浮世絵初公開!」を開催中です。静嘉堂所蔵品のみで役者絵の展覧会をするなんて、岩崎家、三菱財閥の財力に脱帽です。しかも色鮮やかで、今刷ったばかりのような色鮮やかな錦絵ばかり。どれも美しく惚れ惚れしてしまいます……。

◆静嘉堂@丸の内(静嘉堂文庫美術館)
住所:千代田区丸の内2-1-1 明治生命館1F
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
営業時間:10:00~17:00 ※最終にゅかん16:30
定休日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、展示替期間、年末年始など
料金:一般1,500円、大学・専門学校・高校生1,000円、中学生以下無料

静嘉堂@丸の内(静嘉堂文庫美術館) 公式HP

おわりに

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元々、国文学や錦絵など好きだったのですが、『べらぼう』をきっかけに浮世絵だけでなく、粋な江戸文化をもっともっと気軽に楽しみたいなと感じた旅でした。みなさんもぜひ、放送期間中にゆかりの地を巡ってみてくださいね。

◆この記事を書いたメンバー

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てぃまらんさん
元国内外のホテリエで、京都文化観光検定2級、東京シティガイド検定、国内旅行業務取扱管理者、全国通訳案内士(英語)を取得。

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