これまでに鳥取県を訪れたことは
ありますか?
今回が初めての鳥取です。アートが根付いているまちとのことで、私自身、普段から美術館へ行くことが多いので、アートをテーマに鳥取を巡ることができると聞いてとても楽しみにしていました。
アートへの関心はいつから?
祖母の趣味が「モラ刺繍」なんです。家にたくさん作品が飾ってあって、子どもの頃からそれを当たり前のように見て育ちました。もしかしたら、私のアート好きの原点はそこにあるのかもしれません。
最初に訪れた「鳥取県立美術館」は
どんな印象でしたか?
パンフレットに「みんなでつくる美術館」という言葉があって、館内に入ると子どもたちが描いたであろうパーツを使った大きな作品が展示されていました。とても美しくて、まさにその言葉通りの美術館だなと。作者の方が目を閉じて作られたという、触覚で楽しむ彫刻作品「抱きつき犬」も印象的で、私も目を閉じて触ってみたのですが新鮮な感覚でした。
ジャケット79,200円、カーディガン49,500円(アキラナカ|03-6379-4878)、パンツ33,000円(ロク|ロク アオヤマ 03-5413-6615)、バッグ50,600円(マリメッコ|ルック ブティック事業部 03-6439-1647)、その他スタイリスト私物
3階の展望テラスでは
熱心に景色を眺めていましたね。
鳥取のまちを見渡すことができ、本当にきれいでした。しかもテラスにもアート作品があって感動しました! 美術館のスタッフの方に、美術館の天井は、鳥取砂丘の風紋や伝統工芸である倉吉絣の織模様を思わせるデザインになっていることや、アートを通してさまざまな新しい取り組みをされていることも伺いました。作品展示という形だけでなく、アートがまちに深く根差していることを感じましたし、アートへの興味がさらに深まりました。
「倉吉ふるさと工芸館」では
倉吉絣(かすり)のコースターづくりを
体験しました。
一歩踏み込んだ貴重な体験でした。少しずつ紡いでいく作業がずっと続けていたいくらい楽しくて、夢中になっていました。実際に体験することによってアートへの理解が深まり、意識が変わりますね。私のファンクラブ名が「Cocoon(コクーン)」というのですが、「繭」とか「紡ぐ」がテーマになっているので、なんだか近いものを感じてうれしくなりました。
「アート格納庫M」では
現代アートを鑑賞しました。
古い工場をリノベーションして、現代アートを展示するという新旧が交わる空間がおもしろいなと思いました。広々としていて、余白を楽しみながら作品一つひとつをじっくり見られるレイアウトも美しかったです。廃油が入ったプールは実際よりも深さを感じて、吸い込まれるような感覚でした。自分の内側にある開けたくないパンドラの箱を見つめているような……不思議な体験でした。いろいろな解釈ができる作品ばかりで、特に印象に残っています。
よく美術館へ行かれるそうですが、
堀田さん流のアートの楽しみ方は
ありますか?
海外から来た名画はもちろん、デザインに特化した展示など気になる展示をいろいろ見に行っています。作品を見ることも好きですが、美術館のひんやりするような静かな空間も好きで。その場所自体に価値を感じます。アートと聞くと少し敷居が高いイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、日常の中にアートがあると思っているので、新しい扉を開くぞ!と意気込んでアート旅に出るのではなく、肩の力を抜いて楽しんでほしいなと思います。
プライベートでも
旅に出かけることは多いですか?
時間を見つけてちょこちょこ旅に出かけています。最近は、友人と日帰りで湯河原へ行ったのですが、「海鮮を食べに行く」という目的で目当てのお店だけ予約して、ほかはのんびりとノープランの旅です。行ってみると、夏目漱石にゆかりのある「不動滝」が近くにあることがわかったので、この機会に訪れてみたり、梅の時期だったので梅の名所にも立ち寄ったりしました。昔よりも視野が広がったので、友人と「私たち、滝や梅を選ぶようになったんだね~」と、旅先で選ぶスポットも、感性も、変わっていくんだなと実感しました。
宿泊された「依山楼岩崎」は
いかがでしたか?
お部屋に差し込む光がとてもきれいで、詩人や作家の方がここで着想を得て詩や小説を書かれていたのかな……と、想像が膨らみました。そこで過ごす作家の役を演じているような気分になって、その世界観も楽しめました。そして今回の旅は「ご飯を食べ過ぎた!」というくらいご飯がおいしかったです。特にお気に入りだったのは、朝ごはんのとろろと「三朝ヨーグルト」です。三朝温泉も内側からあたたまって、夜はぐっすりと眠れました。本当に幸せな時間でした。
2日目は鳥取市にある
「鳥取民藝美術館」から
スタートしました。
椅子やランプなどのインテリアにも踏み込んでみたいと思いつつも、どこかハードルが高いように感じていたんです。けれど、中国の椅子からヒントを得て作られたというお話を伺いながら、現物を見て、座らせていただくことで、いろいろな思いを巡らせることができました。2階の吉田璋也先生がコレクトされた作品も好きでしたし、民芸という言葉だけを聞くと昔ながらというイメージがあったのですが、実際は生活の中で使うことを前提にした手仕事の工芸品だと知り、新しい発見になりました。
「いなば西郷工芸の郷
ギャラリー&カフェ okudan」では、
気になる作品があったそうですね。
とてもかわいい器との出会いがありました! 旅行先で出会ったものを買って帰ると、その思い出も持ち帰れる気がして、こういった出会いが本当に楽しいです。撮影時にいただいたパフェのソーサーも因州・中井窯の作品と教えていただき、その器の美しさや職人さんの温もりを感じました。また、okudanさんのような古民家カフェがすごく好きで、地元の滋賀にある古民家カフェにも母とよく一緒に行くので、今回、鳥取旅で訪れることができたのもうれしかったです。
ジャケット73,700円(マリメッコ|ルック ブティック事業部 03-6439-1647)、パンツ41,800円(トゥ エ モン トレゾア|エドストローム オフィス 03-6427-5901)、その他スタイリスト私物
これからどんな旅に出かけたいですか?
29歳のタイミングで記念の旅をしようと友人と話しています。20代の最後に、はっちゃけたいんです(笑)。琵琶湖を見て育ったからかもしれませんが水を見るとホッとするので、滝や温泉があるところに行きたいですね。30代に入る前に、素敵な思い出や言葉を自分に贈れるように。そして、旅に出ると「旅ってやっぱり楽しい!」と毎回改めて思うので、これからも旅をし続けたいと思います。
ジャケット79,200円、カーディガン49,500円(アキラナカ|03-6379-4878)、パンツ33,000円(ロク|ロク アオヤマ 03-5413-6615)、バッグ50,600円(マリメッコ|ルック ブティック事業部 03-6439-1647)、その他スタイリスト私物

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