2026/09/30
暑さが少しずつやわらぎ、心地よい風を感じるようになった秋の連休。「たまには日々の忙しさを忘れて、ゆっくり贅沢に過ごしたいね」と友人と訪れたのが、淡路島にある「オーベルジュ フレンチの森」です。
オーベルジュとは、宿泊設備を備えたレストランのこと。食事を旅の目的にして、その余韻までゆっくり楽しめるのが魅力です。今回のお目当ては、『Grand Baobab(グランド・バオバブ)』で味わえる秋限定の『淡路島 秋の旬菜と実りの饗宴コース』。初めてのオーベルジュステイに胸を弾ませながら、淡路島の秋を味わう1泊2日が始まりました。
オーベルジュ フレンチの森
この記事の目次
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『オーベルジュ フレンチの森』は、『Prince Etoile(プランス・エトワール)』『Grand Baobab(グランド・バオバブ)』『La Rose(ラ・ローズ)』の3棟からなるオーベルジュ。それぞれに客室が設けられ、3棟合わせて全9室があります。
『La Rose』の1階には淡路島の食材を王道フレンチで味わうレストラン、『Grand Baobab』の1階にはフレンチとイタリアンを融合した料理を楽しめるレストランがあり、宿泊者は好みに合わせてディナーを選択できます。一方、『Prince Etoile』は宿泊者専用のボタニカルラウンジとして、チェックインや朝食など滞在中の憩いの場になっています。
私たちもまずは『Prince Etoile』でチェックイン。ウェルカムドリンクや焼き菓子、ナッツなどを自由に選び、ソファーに腰かけます。窓の向こうに見えるのは、ウッドデッキと淡路島の豊かな緑。到着してまだ間もないのに、仕事や街の喧騒が少しずつ遠ざかっていくようでした。
ラウンジでは、季節の花やハーブを使ったワークショップも自由に体験できます。今回は、好みのドライフラワーと香りを組み合わせるサシェ(香り袋)作りに挑戦。食事だけではなく、何も急がずに過ごす時間そのものを楽しめるのも、ここでの滞在の魅力です。
『Grand Baobab』でのディナーはピアノの生演奏付き。なんて優雅なひととき
そして、今回の旅で一番楽しみにしていたディナーへ。
向かったのは、素材の持ち味をシンプルに引き出すフレンチを提供する『Grand Baobab』です。秋限定の『淡路島 秋の旬菜と実りの饗宴コース』では、淡路島の魚介や淡路牛をはじめ、秋茸、栗、無花果(いちじく)など、島の秋を感じる食材が次々と登場します。
コースはランチ13,200円、ディナー18,700円で楽しめるほか、1室2名・1泊2食のオールインクルーシブプランは89,200円~。今回は宿泊付きのプランを選んだので、ディナーではワインや地酒、カクテル、ノンアルコールドリンクなども自由に楽しめます。お酒が好きな私たちにとって、帰りの時間を気にせず料理と一緒にワインを楽しめるのはうれしいポイントです。
以下、全8品を実食レポートしていきます!
淡路牛と林檎のテリーヌ
最初に登場したのは、2日間かけて煮込んだ淡路牛のすじ肉に紅玉りんごを合わせた『淡路牛と林檎のテリーヌ』。
淡路牛ときいて、肉の旨みが際立った力強い肉料理のような味わいを想像していましたが、りんごの酸味が組み合わさって新鮮な味わい。単品としての楽しさもさることながら、「これからどんな料理が続くのだろう」と自然と期待が高まるような、コースの幕開けにぴったりな一皿でした。
淡路産旬の魚介のカルパッチョ 焼き茄子仕立て
続いては、淡路島の旬の魚介を使ったカルパッチョ。かぐわしい焼き茄子に柿や和山椒を合わせることで、海の幸だけではなく秋の味覚も一緒に楽しめる前菜です。
魚介と果物と香味の足し算に、季節の移ろいを感じますね。まさに、「淡路島に秋を食べに来た」という今回の旅の目的を実感させてくれる一皿でした。
里芋のブルーテ 淡路玉葱のエスプリ
淡路島の代表的な食材であるタマネギが、ここで登場。すっかり涼しくなった秋の夜にこそうれしい、温かな一皿です。
里芋のコクに、淡路島の代名詞ともいえるタマネギを合わせたスープです。
お皿に添えられているのは、ローストしたタマネギのチュイル(パリパリに仕立てたウエハースのようなクッキー)で、スープにはタマネギのクルトンも。
この一皿で、淡路産タマネギの様々な表情が楽しめます。
特に印象に残ったのが、『秋茸と栗のモンブラン仕立て』。その名前だけでも気になりますが、目の前で、ポーチドエッグの上に栗のペーストを絞ったあとトリュフを削り落とす演出まで楽しめます。
モンブランと聞くとスイーツを思い浮かべますが、こちらは秋茸と栗を組み合わせた温前菜。食べると秋茸やトリュフの旨みガツンと押し寄せ、栗の柔和な味わいが追いかけるように広がります。
仕上がっていく様子を眺める時間も含めて一つの料理になっていて、思わず友人と顔を見合わせてしまいました。
味覚だけでなく、目の前の演出でも秋を楽しませてくれます。
淡路牛と秋野菜のボロネーゼ
続いて登場したのは、『淡路牛と秋野菜のボロネーゼ』。淡路牛の旨みを生かしたソースに、秋野菜を合わせたパスタです。
フレンチだけにとらわれず、イタリアンの要素も楽しめるのが『Grand Baobab』の特徴ですね。
コースの途中にパスタが登場することで、それまでとはまた違った表情を見せてくれます。
ワインとの相性もばっちり。このころになると、食事が楽しすぎて、会話も盛り上がり、「食べたいけど話したい」というジレンマに陥っていた記憶があります・・・。
炭火焼き鮮魚 蕪とサフランのナージュ。この日のお魚はマナガツオ
魚料理は『炭火焼き鮮魚 蕪とサフランのナージュ』。炭火で焼いた地魚を、蕪(かぶ)とサフランが香るスープ仕立てのソースでいただきます。
なお、お魚は仕入れや時期によって最も状態がよいものが登場するとのこと。この日のお魚はマナガツオでした。
南淡路 鹿肉の薪火焼き 無花果とマルサラ
メインは『南淡路 鹿肉の薪火焼き 無花果とマルサラ』。南淡路産の鹿肉を薪火で焼き上げ、無花果(いちじく)とマルサラワインのソースを合わせた一皿です。
鹿肉をメインに据えながら、秋の果実であるいちじくを組み合わせるのが印象的。さらに薪火を使うことで、味わいだけではなく香りまで楽しめます。
鹿肉は柔らかでありながらぎゅっと繊維が詰まったような噛み応えで、かみ締めるたび、牛肉や豚肉とはまた違った、どこか野趣のある旨みがあふれ出すよう。
一方のいちじくはキャラメリゼで仕上げられていて、思わず笑みがこぼれるほど芳醇な甘みです。火が入ったキャラメルの香ばしい味・香りが全面に出ているかと思いきや、すぐさま、いちじくのふくよかな甘みが覆いかぶさるようなイメージ。なんて贅沢な味覚・・・。
黒豆と金木犀のティラミス 黒豆ときな粉のグラス添え
最後は、『黒豆と金木犀のティラミス 黒豆ときな粉のグラス添え』。
コースの締めくくりにも、秋を象徴する金木犀(きんもくせい)が登場します。ティラミスに黒豆やきな粉といった和の食材を取り入れた、最後まで意外性のあるデザートです。
黒豆茶がふんだんに使用されたスポンジに、上品な和のテイストが感じられますね。
締めにふさわしい、落ち着いたデザートでした。
お腹も心も満たされたら、そのまま敷地内の客室へ戻れるのがオーベルジュの醍醐味(だいごみ)。
『オーベルジュ フレンチの森』には3棟合わせて9室の客室があり、『Prince Etoile(プランス・エトワール)』に3室、『Grand Baobab(グランド・バオバブ)』に4室、『La Rose(ラ・ローズ)』に2室が用意されています。
レストランでゆっくり食事をしていると、「そろそろ帰りの時間を気にしなくちゃ」となることもありますが、今日はその必要がありません。ディナーで味わった料理について友人と話しながら、あとは眠るだけ。食事の余韻まで旅の一部にできるというのは、初めて体験してみると想像以上に贅沢でした。
お部屋にはクラフトビールやスイーツもあり、私たちは結局、夜遅くまでお話に夢中になってしまいました。
宿泊客は、『Prince Etoile(プランス・エトワール)』で朝食をいただきます。天気の良い日はウッドデッキで、淡路島の自然を感じながら優雅な朝の時間を過ごせます。
まずいただいたのは、敷地内のガーデンで摘んだハーブを使ったフレッシュハーブティー。昨日のディナーとはまた違い、朝は爽やかな香りから一日が始まります。
ポタージュや自家製パンなどとともに、主菜に選んだのは北坂たまごを使ったガレット・コンプレット。主菜はほかにも、エッグベネディクトやプレーンオムレツから選ぶことができます。
昨夜は秋の味覚を盛り込んだコースをゆっくり堪能し、翌朝は緑を眺めながら朝食を味わう。
食事の前後にまでゆとりがあるからこそ、一泊した満足感もしっかりと感じられました。
ハーブをはじめ、たくさんの植物が自生しているお庭も魅力です。
庭には季節の花々が咲き、朝の澄んだ空気のなかを歩くだけでも気分がすっきりします。
敷地内には、鐘が設置された真っ白なガゼボも。恋人の聖地にも選ばれており、プロポーズの場所としてカップルが訪れることもあるそうで、緑に囲まれて立つ姿は思わず写真に収めたくなる美しさです。
今回、初めて体験したオーベルジュステイ。
訪れる前は「おいしいディナーを食べて、そのまま泊まれる場所」というイメージでしたが、実際にはそれだけではありませんでした。
ラウンジでのんびり過ごしたり、ワークショップを楽しんだり、ディナーの余韻に浸りながら客室へ戻ったり、朝の庭を歩いてから朝食を味わったり――。食事を中心に、滞在する時間すべてがゆったりとつながっているのが印象的でした。
大阪から少し足を延ばして、いつもより贅沢な休日を過ごしたい。そんなときに、淡路島まで「食べるために泊まりに行く」という旅も素敵ですね!
参考になりましたか? 旅行・おでかけの際に活用してみてください。
記事企画・監修:旅色編集部 おおもと
ライター:おおもと