岡山・瀬戸内産業芸術祭2026の現場へ。職人の手仕事と現代美術が交差する旅
穏やかに波打つ瀬戸内海と、青空に映える島々の稜線。その美しい情景とともに、海沿いの町へ足を踏み入れると、どこからともなく規則的な金属音や重機のうなり、乾いた溶接の匂いが潮風に乗って届いてきます。 2026年秋、この地に新たな息吹をもたらす「瀬戸内産業芸術祭2026」が開幕しました。従来の島々を巡る穏やかなアートフェスとは一線を画し、舞台となるのは今まさに稼働している本物の工場や産業プラント。職人の手仕事や先端技術、そして土地の記憶が幾重にも折り重なる現場に、現代アートが鮮やかに切り込んでいきます。 今回は時間の都合上、実際に現地を取材できたのは、玉野市に拠点を置く最先端の蓄電池メーカー「株式会社パワーエックス」のみ。しかし、そのひとつの会場に身を置くだけでも、本芸術祭が投げかける圧倒的な熱量と「産業芸術」の可能性を強く実感することとなりました。パワーエックスでの体験を主軸に据えつつ、なぜ今この芸術祭が必要とされたのか、そして瀬戸内各地に点在する注目の作品群の見どころを余すところなくお届けします。
ふかい