
2026/09/15
「ニセコ」と聞くと、真っ白なパウダースノーを滑るウィンタースポーツのイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。世界中からスキーヤーが集まる冬の賑わいは確かにすごいですが、それだけで語るのはもったいないんです。実際に8月末のニセコビレッジを訪れてみると、そこにあったのは緑深い山々と澄んだ空気、雪のない季節だからこそ楽しめるアクティビティの数々でした。
空から羊蹄山を見下ろす気球体験、森を駆け抜けるアスレチックとジップライン、名物ピザのランチ、丘陵コースのゴルフ。朝から夕方まであっという間に過ぎるほどの充実ぶりで、「オールシーズンニセコ」の魅力を実感した一日を、体験レポートとしてお届けします。
ニセコビレッジ
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この日のスタートは朝5時。正直、前夜は「そんなに早く起きられるかな」と少し不安でしたが、いざ気球のバスケットが地面を離れた瞬間、その眠気は一気に吹き飛びました。
ぐんぐん高度を上げていくにつれ、視界いっぱいに広がったのは、蝦夷富士とも呼ばれる羊蹄山の堂々とした姿。空気が澄んでいる朝だからこそ見られる、輪郭のくっきりとした山肌と、その裾野に広がるニセコの町並み。地上では絶対に味わえない角度から見る景色に、思わず言葉を失ってしまいました。風はほとんどなく、バスケットの中はしんと静かで、聞こえてくるのはバーナーの音だけ。日常の喧騒から切り離されたような感覚の中で、ただただ景色に見入る贅沢な時間が流れていきました。早起きは三文の徳とはよく言ったもので、これは間違いなくその「徳」の部類に入る体験でした。
続いては、森の中に張り巡らされた「自然体験グラウンド『ピュア』の“アスレチックコース”へ。ここは初級・上級とレベル分けがされていて、体力や経験に合わせて段階的にステップアップできるのが嬉しいポイントです。ただし上級コースは一度スタートすると途中でのリタイアができない設計なので、そこは要注意。ここぞという集中力と体力が求められるからこそ、クリアしたときの達成感もひとしおでした。
たまたま後ろについたのが、このコースを何度も経験しているという地元の小学生の男の子。「ここはこう掴むといいよ」「この足場は思ったより安定してるから大丈夫」と的確なアドバイスをくれるおかげで、通常30分ほどかかるコースを約20分で駆け抜けることができました。子どもの方が身のこなしも判断も早くて、思わず苦笑いしてしまう場面も。緑に囲まれながら夢中で体を動かしているうちに、気づけばしっかり体幹まで鍛えられていて、運動不足の解消にもなる一石二鳥のアクティビティでした。
ツリートレッキングは、単品利用の場合は大人2,500円、子ども2,000円(税込)。せっかく一日たっぷり遊ぶなら、「ピュア」スーパーパスポートを利用するのもおすすめです。料金は大人5,000円、子ども4,000円(税込)で、ツリートレッキングのほか、レールスライダーやクイックジャンプ、バドミントンなど対象のアクティビティを楽しめます。いくつかのアクティビティを組み合わせて遊びたい人なら、こちらを選んだ方がお得感がありそうです。
汗ばむくらい体を動かした後は、ランチタイムです!
アクティビティではしゃいだ後は、ニセコ世でゆっくり休憩。実はニセコ、ピザの名店が多いことでも知られています。今回訪れた『CHUYA』も注文を受けてから生地を仕込み、店内の窯で一気に焼き上げるスタイル。運ばれてきたピザは表面がこんがりと香ばしく、それでいて生地の中はもっちりとした食感で、噛むほどに小麦の風味が広がりました。
注文したのは、ニセコサンシャインピザ、クワトロピザ、そしてチョップドサラダの3品。耳が厚いタイプのピザはボリューム満点で、少し多く頼みすぎてしまった感じだったので、女性2人であればピザ1枚とサラダ、他のアラカルトを少々頼むくらいの組み合わせが良いかもしれません。ニセコビレッジ内には複数レストランがあり、店舗によって営業日や営業時間が変わるため、事前に営業状況を確認してから向かうことをおすすめします。
ニセコビレッジといえばゴルフも外せません。広大な土地を生かした丘陵コースはフェアウェイが比較的ストレートで、初心者でも狙いを定めやすいのが特徴です。グリーンの手入れが行き届いていて、パットの転がりも素直で気持ちよかったです。
今回はニセコならではのスケール感を象徴するかのような、長いPar6のホールにも挑戦しました。ドライバーからセカンド、サードショットまでしっかり戦略を組み立てる必要があるロングホールで、これまでのゴルフ経験にはなかった新鮮な緊張感を味わえました。ロングホールを攻略する達成感は格別でしたが、残念ながら途中で雨が強まり、最後までプレーしきることは叶いませんでした。芝や地形のコンディションはよかっただけに、天候だけが心残り。次にニセコを訪れる際は、ぜひ最後のホールまで攻略したいと思います。
そして今回一番テンションが上がったのが、合計6本のコースを滑走できるジップラインです。最初にハーネスの装着方法や滑り方をしっかりレクチャーしてもらえるので、未経験でも安心してスタートできます。
そして今回初めて知ったのが、ジップラインは滑っている最中以上に「着地」が大切だということ。着地するときは、止まろうとするのではなく、走るようなイメージで足を動かすのがポイントなのだそう。うまく着地できないと足に負担がかかることもあるので、スタッフさんの説明をしっかり聞いておくことが大切です。実際に滑り始めてみると、想像していたよりも安定感がありました。もちろん高さやスピード感はありますが、ジェットコースターのような激しい上下運動ではないので、「絶叫系がちょっと苦手」という人でも意外と楽しめるかもしれません。
さらにワクワクしたのが、コースごとにガイドさんが用意してくれる遊び心たっぷりのミッションです。滑りながら向かい合ってハートの形を作ったり、的をめがけてボールを投げてみたり。ガイドさんの声かけやタイミングの取り方が絶妙で、成功しても失敗してもその場が自然と盛り上がります。ただ滑走するだけでなく、仲間とわちゃわちゃ盛り上がりながら楽しめる工夫が随所にあり、写真や動画に残したくなる瞬間がいくつも生まれました。
所要時間は約2時間で、料金は大人5,500円、子ども5,000円(税込)。「ピュア」のスーパーパスポートには含まれず別料金となりますが、ガイドと一緒に森の中を巡りながら複数のコースを滑走できるので、ひとつのアトラクションというより、ひとつのツアーとしてしっかり楽しめる内容です。

気球、アスレチック、ピザランチ、ゴルフ、ジップライン。夏のニセコビレッジは、冬のイメージからは想像できないほど多彩なアクティビティで一日を満たしてくれる場所でした。澄んだ空気の中で体を動かし、羊蹄山を見上げながら過ごす時間は、都会の喧騒を忘れさせてくれる贅沢そのものです。一つひとつのアクティビティが独立して楽しいのはもちろん、2泊3日の行程にもちょうどよく収まるボリューム感も魅力です。早朝の気球とゴルフを一日、アスレチックとジップラインをもう一日に分ければ、体力的にも無理なく、それぞれをじっくり楽しめます。この、日をまたぐごとに気分が切り替わっていく流れこそが、ニセコビレッジ滞在の醍醐味だと感じました。
旅の計画を立てる際は、アクティビティごとの所要時間や天候による中断の可能性、そして立ち寄りたい飲食店の夏季営業状況などを事前にチェックしておくと、より効率よく一日を満喫できるはずです。次にニセコへ足を運ぶときはぜひ、白い季節とはまた違う、緑と澄んだ風が広がる夏のニセコを味わってみてください。
参考になりましたか? 旅行・おでかけの際に活用してみてください。
記事企画・監修: 旅色編集部
ライター:ふるおや