【京都在住ライターのご近所さんぽ】暑さを避けて大原へ。歴史を辿りながらハイキング

京都府

2024.08.17

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【京都在住ライターのご近所さんぽ】暑さを避けて大原へ。歴史を辿りながらハイキング

京都の夏は祇園祭(7月1日〜)と一緒にやってきて、送り火(8月16日)と一緒に終わると言われています。が、近年の京都は8月の半ばすぎてもまだまだ暑い日が続きます。ちょっと歩くと汗が噴き出してくる、そういう日々がまだ続いています。ほんま、暑い、暑い。そこで、今月も前回同様、暑い暑い街中から涼を求めて市街地から車で20分ほどの緑豊かな大原へ行ってみる事に。大原の最高気温は市内中心部と比べて3〜5℃低いと言われているんですよ。

目次

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鯖街道を辿って、大原へ

“呂律(ろれつ)”の語源となった川に挟まれた「三千院」

「京の民宿 大原の里」を横目にハイキング

平清盛の娘・建礼門院(けんれいもんいん)が暮らした「寂光院」

終わりに

鯖街道を辿って、大原へ

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福井県若狭熊川宿には鯖街道ミュージアムがある

鯖街道っていうのは、福井県の小浜(おばま)から京都へと魚介類を運ぶために戦国~江戸時代に昔の人が使たはったルートです。荷物の中身で一番多かったんが鯖やったさかい、鯖街道と呼ぶようになったんやそうです。
その、鯖街道にはいくつかルートがあって、途中で峠を経由し大原に至り高野川で舟運に代わるルートが京都小浜間最速ルートやったんやそうで、大原は拠点となっていました。
この街道は今でも京都から滋賀県へ行くのによく使う道で、夏になると琵琶湖や小浜に泳ぎに行く人たちがよう使こてる道です。大原からもうちょっと滋賀県のほうへ向かってドライブすると、道の両側に鯖寿司のお店がぎょうさん並んでいて鯖寿司好きの京都人はわざわざ買いに出かけたりしてます。

“呂律(ろれつ)”の語源となった川に挟まれた「三千院」

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川のせせらぎが気持ちよい風を運ぶ

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赤紫蘇の畑。ちょうどいい色付きの頃

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呂川と律川の説明

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三千院へと続く

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門前の道は青緑が映えていた

道路に面した駐車場に車を止めて大原にある三千院への道を登っていくと、右手の清流から吹く風が冷たくていい気分です。道の途中には大原の名産の赤紫蘇の畑があったり、お漬物屋さんがあったり、最近できたおしゃれなカフェがあったりします。
三千院を挟んで流れる二つの川の名前は呂川(ろせん)と律川(りっせん)。そやけど地元の人は呂川を「ろがわ」と呼んだりしたはるそうです。この二つの川の名前は、声明(※)の時に使われる音階を示す言葉の呂と律から来ていて、「呂律が回らない」の「呂律」の語源なんやそうです。
そんなこんなを考えながら、けっこうな坂道を登った先にやっと三千院の山門が見えてきました。

※声明(しょうみょう):法要の時にお坊さんが唱えはる声楽のこと。

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堂々とした山門

三千院は天台宗のお寺さん。代々、皇族や公家が住職を務めてきはった格式高い門跡寺院のうちの一つです。京都にはほかにも仁和寺(にんなじ)さん、青蓮院(しょうれんいん)さん、聖護院(しょうごいん)さんとか有名な門跡寺院があります。
苔むす美しい庭は緑の時期だけではなくて、紅葉や桜や雪景色も見事です。金色のお不動さんが居はりますけど普段は公開してはりません。

◆三千院
住所:京都府京都市左京区大原来迎院町540
電話:075-744-2531
拝観時間:9:00~17:00 ※11月 8:30~17:00、12~2月 9:00~16:30
休観日:無休
拝観料:一般700円、中高生400円、小学生150円

三千院

京都府京都市左京区大原来迎院町540

三千院

「京の民宿 大原の里」を横目にハイキング

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大原のバス停から寂光院まで約1km

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冬になると雪深い里なので屋根の形が街中と異なる

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時々、小鳥のさえずりも聞こえる

三千院を堪能してから、反対側の寂光院(じゃっこういん)へ足を延ばしてみました。寂光院へは大原停留所から裏へ延びる道を歩きます。畑と民家が立ち並ぶ田舎の道をぶらぶら。雨と湿った土の匂いが混じった懐かしい香りをかぎながら。夏の初めの緑が揺れて、川のせせらぎが安らぎを運んできて気分のいいハイキング。

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のれんが風情を感じさせる

しばらく行くと、のれんがかかった建物が見えてきました。ここは、大原で昔から民宿を営んではる宿屋さん。温泉があって、ゆっくり泊まることももちろんできますけど、さっくり日帰り入浴してご飯を食べて帰ることもできます。100年前から作ったはるお味噌を使ったお鍋が一押しですけど、暑い時期は鮎の塩焼きも夏らしいていいなぁって思います。

◆京の民宿 大原の里
住所:京都府京都市左京区大原草生町41
電話:075-744-2917

京の民宿 大原の里 公式HP

平清盛の娘・建礼門院(けんれいもんいん)が暮らした「寂光院」

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この辺りは大原女(※)の発祥の土地と言われています

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石段の先に小さい庵がある

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門の奥が本堂

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この庭を眺めながら建礼門院は我が子を思ったはんたんやろか

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安徳天皇が祀られている赤間神社(下関)

大原の里を通り過ぎてすぐ、寂光院への石段があります。石段の前にはお漬物屋さんがあって、店先に何種類もお漬けもんや佃煮が並べてあります。おじさんが「見て行ってや」って声をかけてくれはったんで「どれがおすすめ?」って聞いてみたら「よそから来はる人は、よう柴漬け買うて行ってくれはるけど、おすすめはすぐきかな。」って事なんで、すぐきを買いました。すぐきっていうんは、かぶらの一種のすぐきってお野菜を塩で付けたお漬けもんです。ちょっとすっぱくてご飯によう合うし、お漬けもん屋さんで見つけたら試してみてくださいな。
おじさんにお別れを告げて、寂光院への石段を上がります。石段の先にあった寂光院は、さっき行った三千院とは対照的にこじんまりとしたお寺でした。壇ノ浦の戦いで平家の敗北が濃厚になった際、平清盛の娘で、海に身投げした建礼門院が死にきれず助け出され、残りの人生を平家と我が子である安徳(あんとく)天皇の菩提を弔って過ごした場所です。門をくぐると正面に本堂があって、美しく彩色された仏さんが居はります。残念ながら写真撮影は禁止やったから撮れへんかったけど、袖と裾のところにエスニックな花の文様がある衣をまとったお姿は、やっぱり尼寺の仏さんやから華やかな衣を着たはるんかなと感じたり。
お参りしていたらお寺の人が出てきて「このお堂は20年ほど昔に火事で焼け落ちて仏さんも焼けてしまわはったから、目の前に立ったはる仏さんは近年新しくしはったもんなんや」と説明をしてくれはりました。焼けた仏さんの中には小さい仏さんが3,000体も収められてて、一部は焼け残って宝物庫に展示してあります。

◆寂光院
住所:京都府京都市左京区大原草生町676
電話:075-744-3341
拝観時間:3月1日~11月30日 9:00~17:00、12月1日~12月31日/1月4日~2月28日(29日) 9:00~16:30、1月1日~1月3日 10:00~16:00
休観日:無休
拝観料:大人(高校生以上)600円、中学生350円、小学生100円

※大原女(おはらめ):大原から京都市内に黒木(たきぎ)や木工品などを売りに来る女性のことで、鎌倉時代から昭和初期まで約800年にわたって続いてきた大原の風習。荷を頭上にのせて歩く。

寂光院 公式HP

終わりに

今回は、暑い暑い京都の街中を離れて郊外へやって来ました。大原は比叡山の麓にあるため信仰の地でもあり、古くから歴史の要所でもありました。現在もその名残を垣間見ることが出来るしっとりとしたオトナな雰囲気が漂う場所です。いつかまた、雪の降るころにゆっくり温泉に来たいなぁ~。

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#散歩 #体験レポート #京都府 #夏のおすすめ

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京都に住んでいます。素敵なものを求めて日々ふらふら。四季折々の京都の町をお散歩したり、出会った人とお話ししたり、時々旅に出たり……そんな京都の日々をお届けします。

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