金色の蛇神様をお祀りする平安京最古の史跡・神泉苑へ。車なしで京都JR二条駅からのお散歩3時間コース
新年おめでとうございます。去年はいつまでも暑うていつになったら秋が来るんやろと思てたら、あっという間に寒い寒い冬がやってきました。京都の冬は雪はあんまり降らへんけど、底冷えがして足元からじわぁっと体の芯まで冷えてきます。そやから、あったこうしておこたに入って、お茶を飲みながらテレビでも見て過ごすんがおすすめです。そやけどそんなことしてたら運動不足になってしまいますさかい、小説の舞台になったレトロな喫茶店や今年らしい蛇の神さんがいる史跡、近年大人気の神社までを巡ります。今回はJR嵯峨野線に乗って京都駅から3つ目の駅の二条駅あたりを車なしでお散歩約3時間コースです。
目次
わかりにくい。二条駅? 二条城前駅?
今回のお散歩の出発点はJR二条駅です。
地元の人ならよう知ったはるけど、「二条駅」は旅で来はる人は気をつけなあきません。
なんでかっていうと、JR嵯峨野線の二条駅、京都市地下鉄東西線の二条駅、ほんでもう一つ京都市地下鉄東西線の二条城前駅っていう3つの駅があるからです。その3つの駅は立地的にも微妙に近いし、JR二条駅と地下鉄の二条駅は乗換駅になってるさかい、近いと言えば近いけど、地下鉄二条城前駅はちょっと歩かなあかん。改札でお友達と待ち合わせしてはる時は駅を間違えて会えへんかったり遅れたりしがちやさかい、ちょっとだけ気を付けてみてくださいね。
今回のおさんぽは、JR二条駅が起点。まず、京都駅から嵯峨野線に乗って二条駅に降り立ったら、改札を出る前にホームで上を見上げてみてください。ドーム型の屋根がかかっているんがわかるでしょ。これは接着剤で木材を引っ付けて一つの部材にしあげたもので高度な技術がないとできひん物なんやそうです。ところどころに空いている灯り取り(光をいれるための窓)からお日さんの光が漏れて暖かい印象を受けます。二条城の駅舎が建つ前は立派なお屋敷みたいな建物があって、どっちかというと皆さんがイメージするような京都にピッタリやったのかもしれません。実物を見たい人は、二駅先の梅小路京都西駅のそばの京都鉄道博物館の中に移築されてますさかい、帰りによってみてくださいね。
ほな、改札抜けて駅の前の銀杏並木をまっすぐ東へ歩いていきましょか。
◆JR二条駅
住所:京都府京都市中京区西ノ京東栂尾(とがのお)町3番地
山小屋風喫茶店「喫茶チロル」で「カレースパゲッティ」を
JR二条駅の前をまっすぐ伸びる道を東に向かっててくてく歩いていくと、何個目かの角に「喫茶チロル」が見えてきます。お店の前には「コーヒーとカレーのお店」って書いてあります。
カランカランとベルを鳴らしてドアを開けると、レトロな空間。茶系のインテリアも素敵。流行りのカフェではなくて喫茶店。
「一人ですけど……」って言うと、案内されたのはひとり席です。学校の机みたいに窓に向かって並んでます。お客さんは常連さんが多いみたいやけど、SNSにときどきでてくる分厚い卵の入った「ハム玉子サンド」を食べに来たような若い娘さんもいはりました。
有名な「ハム玉子サンド」を頼もうかとも思ったけど、お店に入ってきた時から店内に漂うカレーのいい香りの誘惑に負けて「カレースパゲッティー」をオーダー。しばらくするとオーバルのカレー皿に盛り付けられたけっこう大盛りのカレースパゲッティが運ばれてきました。福神漬けは別盛。紙ナプキンに一つひとつ丁寧に包まれたフォークもレトロでいい感じです。アルデンテとかではなく、むっちりしたソフト麺と甘めのカレーが程よく絡み、THE喫茶店のカレースパ。なんか、懐かしくてちょっと切ない青春の味がしました。
ここ、「喫茶チロル」さんの店内には『京都府警あやかし課の事件簿』のポスターが貼ってありました。京都府警の化け物から神仏まで、あやかしを扱う部署を舞台にした小説で、第7回本屋大賞を受賞しているベストセラーなんやそうです。出版元はPHP研究所、京都にある大きい出版社さんです。ヒロインが働く喫茶店のモデルが「喫茶チロル」さんやそうですさかい、興味がわいてきました。帰りに本屋さん寄って帰ろうって決心しつつランチを食べ終え、神泉苑に向かいます。
◆喫茶チロル
住所:京都府京都市中京区門前町539-3
電話:075-821-3031
営業時間:8:00~16:00
そういえば、駅に向かう途中でちょっと面白い自動販売機を見ました。舞子さんやろか。インバウンドさん向けの珍しい商品が売ってあるんかな、と思って商品を見てみたら、普通の飲み物でした。日本に自販機が多いことに外国の人らが驚かはるってことと、種類の多さにも驚かはるってことはよう知られてますけど、実際どうなんやろなぁって、しばらくそばで観察してたら何組かの外国人観光客らしきみなさんが写真撮ったはりました。やっぱり珍しいみたいです。ここに書いてある「おこしやす」は京都では常連さんや大事なお客さんを迎える時に使う言葉です。対して「おいでやす」はもうちょっと広い人に使う感じ。そういうちょっとした気遣いを優しさやと思わはるか、いけずやと思わはるかは皆さんの気持ち次第……ってことにしときましょか。
蛇の神様がいる? 平安京最古の史跡「神泉苑」
喫茶チロルを出て、神泉苑に向かいますってたいそうな感じで書いたけど、実は神泉苑は喫茶チロルのすぐそばにあります。ん? 本当は喫茶チロルが神泉苑のそばにあるって書くほうが正しいんやろか。
神泉苑は、京都に都を移さはった桓武天皇がお造りになった荘厳な庭園の名残の地です。創建当時は、平安京の平安京(大内裏)の南東隣りに位置し今よりももっとずっと大きい庭園やったそうです。庭には池、泉、小川、小山、森などが配置されていて平安時代当初にはきらびやかな宴が開かれていたのだそう。今は、秘仏宇賀神弁財天をお祀りしはる真言宗のお寺になっています。
お庭は、壮大な庭園の一角が残るのみですけど、池にかかる朱の色の橋やそれを取り囲んだように点在する神さんの祠があって、当時の華やかな様子が忍ばれます。
真ん中にある大きい建物は善女(ぜんにょ)竜王さんがお祀りされています。善女竜王さんは、仏教でいうところの八大竜王のうちの一人。都に雨が降らず苦しむ京の人々のために、弘法大師が雨乞いの儀式を行って御住いの無熱池(むねっち)から雨を降らせていただくために呼び寄せたという神さんです。中国の衣をまとった男性の姿で描かれた画が有名ですけど、高野山にある『高野(こうや)大師行状図画』では大蛇の頭の上に乗った小さい金色の蛇の神さんとして描かれているそうです。今年の干支は己さんやさかい、今年の神さんといってもええやろか。本堂から池にかかる朱い橋を渡って善女竜王さんの前でお願いをすると、一つだけお願いを聞いてくれはると言い伝えられてるさかい、お参りを忘れずに。それから、善女竜王さんのそばには日本唯一の恵方の神さんがいはります。恵方の神さんやさかい、この祠は毎年恵方の方へ向けて向きを変えられるんやそうです。来年の恵方は西南西やさかい、節分には西南西に向きを変えはるんやろね。
◆神泉苑
住所:京都府京都市中京区門前町539-3
電話:075-821-1466
参拝時間:7:00~20:00
住宅地に現れる金色の鳥居「御金神社」
美しい神泉苑のお庭を北へ抜けると、二条城のお堀と大きい石垣が見えます。お庭も建てもんも見事ですけど、今日は素通り。一番きれいな花の季節にご案内することにしましょか。
二条城の前を通る道は、堀川通り。市内を南北に通る大きい道路です。せっかくやさかい、この堀川通りと交差する御池通りをもうちょっと東へ行って有名な神社をお参りして、今日のお散歩を締めくくりましょ。
御池通りは祇園祭の山鉾が巡行する道やさかい、テレビとかで見たことがある人もぎょうさんいはるやろかと思います。しばらく東へ進んで、西洞院をちょっと上がったら目印の鳥居の頭が見えてくるんです。鳥居のイメージは朱色やけど、ここの神さんの鳥居は金色。その名も「御金神社」といいます。おかねじんじゃと違いますえ。「御金」と書いて「みかね」と読むんです。
御金神社は、金属や鉱物、金・銀・銅などを護る金山毘古命(かなやまひこのみこと)という神様をお祀りされていることから、お釜や鋳造に関する職業の人たちが多くお参りに来たはったそう。近年投資やお金の神さんとして金運祈願の人がぎょうさん訪れる神社となりました。境内には銀杏の木があり、銀杏の葉を模った絵馬にお願いを書いて奉納すると金運に恵まれるそうです。今年もお正月にはお参りをするための長い長い列が出来てニュースになっていました。
◆御金神社
住所:京都府京都市中京区西洞院通御池上ル 押西洞院町614
電話:075-222-2062
参拝時間:10:00~16:00 (境内自由)
終わりに
さて、今年の最初のおさんぽ、いかがでしたでしょうか。1月も2月もまだまだ寒い京都やけど、多分一番人が少ない季節。ほんまに寒いけど、あったかいコートを着込んで街の中を歩いたらおもしろいもんがぎょうさん発見できると思いますえ。












