世界を旅する鳥たちの楽園「谷津干潟」と周辺の息抜きスポットお散歩旅【千葉・谷津】
2月2日は「世界湿地の日」。東京にほど近い埋め立て地にある「谷津干潟」は、世界的にも貴重な湿地としてラムサール条約の登録地。世界を旅する渡り鳥たちの休憩スポットにもなっています。今回は「世界湿地の日」にちなんで、渡り鳥たちと共に休日に羽を伸ばしてのんびりと過ごすのにぴったりなスポットを、干潟はもちろんハルキスト必見の喫茶店、有名パティスリーまで、千葉に生まれ育った旅色LIKESライターの私がぴったりな場所をご紹介します。
目次
谷津干潟とは?
ラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)が1972年2月2日に採択されたことを記念し定められました。谷津干潟があるのは、東京湾奥部の習志野市。干潟南側の谷津川と高瀬川で東京湾と繋がっています。周囲はマンションや高速道路、鉄道線路にぐるりと囲まれた都市部にある約40ヘクタールの干潟。東京ドームで表すと約9個分だそうで大きく聞こえますが、国内のラムサール条約登録湿地と比べると1、2を争う小ささです。南半球からシベリアまで旅をする渡り鳥たちの憩いの場「バードサンクチュアリ(野鳥の聖域)」になっていて、年間に訪れる鳥の種類は110種以上。ほかにも、潮の満ち引きで海にも陸にもなる豊かな自然環境に育まれていることから、多くの生きものたちが暮らしています。
レンジャーと一緒に野鳥観察
谷津干潟周囲には観察広場やデッキがあり、毎週のように野鳥観察をしに訪れる人もいます。また、「谷津干潟自然観察センター」もあり、温かい室内は全面ガラス張りで、寒い時期でも安心。私のようなバードウォッチング初心者は、ミニ観察会への参加がおすすめです。土日祝日の13:30~14:30に、センターのスタッフであるレンジャーが野鳥の生態や特徴を丁寧に解説してくれます(予約不要)。肉眼で確認することもありますが、双眼鏡の貸し出しがあるので、手ぶらで参加可能です。また、自分では気づかない鳥の姿もレンジャーはさっと見つけ、即座に望遠鏡を用意して見せてくれました。
●ミニ観察会
開催日:土日祝日 ※日時変更の場合もあり
時間:13:30~14:30
料金:無料
冬はタカやサギ、シギ、カモ等一年で一番多くの種類の野鳥を見ることができるそうです。私が参加した2025年最初の観察会では、運よくオオタカを見ることができました。空気が澄んだ午前中には富士山を見ることもできるそうで、初夢の縁起物「一富士二鷹」を谷津干潟で見ることができるかもしれません。また、セイタカシギが姿を見せてくれました。国内で見られる場所も少なく、谷津干潟でも年に一回程度しか見ることができないのだとか。幸先のよい観察会となりました。ダイゼンやシギ、チドリは夏と冬とで羽毛の色が変わったり、訪れる時々で出会える生き物も変わったり、季節ごとに来る楽しみを味わえます。
瀕死の谷津干潟を救ったヒーロー
現在は海底が見える程きれいですが、かつてはゴミが溢れ、ヘドロが悪臭を放ち、埋め立ててしまう予定でした。そんな状態に立ち上がったのが、幼少期を谷津干潟で遊んで育った森田三郎さん。谷津干潟に生息する生きものたちを救いたい一心で、たった一人でゴミ拾いをはじめ、生活のほとんどの時間を費やしました。役所や近隣住民との対立も多々あり、厳しい言葉で罵られることも。その後も活動を続ける森田さんの情熱に突き動かされ、5年が経つ頃には、近隣住民や埋め立て工事を進める建設会社も清掃活動を手伝うようになりました。1984年には、市が埋め立て計画を撤回。1988年「国設鳥獣保護区特別区」に指定され、1993年には国内の干潟として初めてラムサール条約の登録地になりました。人々と生き物たちの憩いの場である穏やかな谷津干潟は、多くの方たちが苦労して残してくれたものなのです。この干潟や生き物たちが安心して戻ってこられる場であり続けられるよう、私も自分にできることをしていきたいと思いました。
◆習志野市谷津干潟自然観察センター
住所:千葉県習志野市秋津5-1-1
TEL:047-454-8416
開館時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
休館日:月曜日 ※祝休日の場合は翌平日、年末年始
入館料:大人380円、65歳以上190円、中学生以下は無料
その他:駐輪場、駐車場あり(無料)
バラの海を眺めて休息を
谷津干潟に隣接している「谷津バラ園」もおすすめです。谷津バラ園は世界各国のバラ約800種類 7,500株ほどが植えられています。オフシーズンは、入場料が100円とお手頃です。私が訪れた12月末は開花率約30%でしたが、丁寧な展示説明を読みながら、日本のバラ育成の歴史を学んだり、バラの香りを嗅ぎ比べたりできる香りの庭もあり大満足。混雑を避け、落ち着いた時間を過ごすのにもちょうどいい場所でした。春の見頃の時期(例年5月中旬~6月中旬)には、園内の高台にあるバラのアーチからバラの花びらが舞うそうです。
◆習志野市 谷津バラ園
住所:千葉県習志野市谷津3丁目1番14号
電話:047-453-3772
営業時間:9:00~17:00、5~6月 8:00~18:00、10~11月 8:00~17:00
入園料:高校生以上 5~6月、10~11月 550円、7~8月は250円、それ以外の時期は100円、65歳以上は半額、中学生以下は無料
巨人ファン必見!? 読売巨人軍発祥の地碑
長嶋さん、王さん等歴代の巨人軍監督のサインと手形が勢ぞろい。
谷津バラ園の入り口傍には、読売巨人軍発祥の地碑があります。1934年に日本野球界の発展・健全娯楽の育成のため、アメリカからベーブ・ルースらスター選手を招いて日米親善野球試合が行われました。その際、日本代表選手の練習場は当時この地にあった谷津球場でした。その後、全日本チームの選手を母体とする日本最初のプロ野球球団・読売巨人軍が誕生。谷津球場はその後も読売巨人軍の練習場として使われていたそうです。
◆読売巨人軍発祥の地碑
住所:千葉県習志野市谷津3-1-14 谷津公園内
村上春樹も愛するレトロ喫茶
谷津駅と谷津バラ園をつなぐ谷津遊路商店街。音楽が流れる商店街は、個性豊かなお店が立ち並び、食事や買い物をする地元の人たちで賑わっています。休憩には、作家・村上春樹も通っていたクラシカルな喫茶店はいかがでしょうか。シャンソンが流れる店内はランプの明かりに照らされ、アンティーク家具に囲まれる落ち着いた空間です。丁寧にドリップされたフレンチスタイルのコーヒーは重厚な味わいで、あんずのタルトの爽やかな酸味が濃厚なコーヒーにマッチ。キッシュやサンドイッチの軽食もあるのでランチ利用にもよさそうです。
◆ 螢明舎 谷津店
住所:千葉県習志野市谷津4-6-34
電話:047-451-1669
営業時間:10:00~22:00
定休日:年中無休
地元民ご用達 TVチャンピオン王者が作るスイーツ「ル・パティシエヨコヤマ」
ル・パティシエヨコヤマは、『TVチャンピオン』(テレビ東京)のケーキ選手権で初の3連覇を達成した、シェフパティシエ・横山さんのお店です。食べログ百名店にも選出されています。固めの生地が特徴のシュークリーム「岩シュー」は、お昼には売り切れてしまうほど人気。私のおすすめは、「谷津干潟のたまご」です。地元契約養鶏園から届く新鮮卵と発酵バターを使ったマドレーヌ。アーモンドの風味が感じられるしっとりした食感。可愛いらしい見た目とサイズ感がお土産にもよさそうです。
◆ル・パティシエ ヨコヤマ 谷津店
住所:千葉県習志野市谷津4-8-45
電話:047-453-3888
営業時間:10:00~18:00
定休日:火・水曜日
アクセス:谷津駅から徒歩5分
駐車場:ひまわりタイムズ(谷津駅とお店の14号沿いの中間地点)を利用
おわりに
谷津干潟は、地球の北から南へと約1万キロメートルを旅する旅鳥たちが羽を休め、次の目的地へ向かうために栄養をつける大切な休憩地です。鳥たちと同じく、一息つきたいときには、谷津干潟を訪れてみてはいかがでしょうか。野鳥たちの姿に癒されながら、のんびりと過ごす時間は心の栄養を満たし、また明日へと羽ばたいていける力になるはず。













