【京都・八瀬】トレンド旅ライターイチオシ! 「鈍考/喫茶 芳」で静けさを楽しむ大人旅へ
オーバーツーリズムが問題となっている京都。京都が大好きな私も、最近はすっかりご無沙汰でした。そんな私が久しぶりに心惹かれたのが、八瀬(やせ)エリアにある私設図書館「鈍考(どんこう)/喫茶 芳(ふぁん)」です。八瀬は比叡山の麓に位置し、高瀬川が流れる自然豊かな場所。市街地に比べ観光客も少なく、ゆったりとした時間が流れています。オーバーツーリズムとは無縁の、大人の京都旅を旅色LIKESライター・おんりが紹介します。
目次
「鈍考/喫茶 芳」とは
ブックディレクターの幅允孝(はばよしたか)さんが手掛けた私設図書館です。同じ空間に、「喫茶 芳(ふぁん)」が併設されており、2階は居住スペースになっています。約3,000冊ある蔵書は、アート、文学、漫画、料理本と多岐にわたり、本棚そのものがアートのよう。「本は電子媒体ではなく、紙で読みたい」という本好きにはたまらない空間です。
定員6名の予約制(約90分・1日3回の入れ替え制)で、畳、椅子、縁側と、どこでも好きな場所で寛ぐことができます。外気浴が気持ちいい5月に訪れたので、私は縁側を選びました。最初に荷物や携帯をロッカーに預けるため、携帯の電子音はもちろん、バックをガサゴソする雑音もなく、室内はとにかく静か。鳥の声や本に落ちる木漏れ日、頁をめくる風など、普段は気に留めることのない自然の動きにはっとさせられます。気が付くと、時間を忘れ、本の世界に没入していました。
「喫茶 芳」でこだわりの珈琲を
静かな図書室に溶け込む妖精のような芳さん。
施設使用料2,200円には、ドリンク1杯分が含まれています。おすすめは、自家焙煎した豆をネルドリップで淹れるこだわりの珈琲。私が訪れた日は、パプアニューギニアとイエメンの豆をブレンドしたものでした。本を読みながら飲むことを想定し、冷めても酸味を強く感じない工夫をしているそう。高級洋食器メーカー・大倉陶園のコーヒーカップでいただく珈琲は、深い苦みとまろやかなコクがあり、数量限定のクラシカルな味のプリン(660円)ともよく合います。ノイズレスな空間でゆっくりと珈琲を飲みながら、好きな本を読む。これぞまさに、私が思い描く理想の大人旅です。
♦鈍考/喫茶 芳
住所:京都府京都市左京区上高野掃部林町4-9
営業日:水曜日〜土曜日(1日3回入れ替え制・要WEB予約)
使用料:2,200円(ドリンク1杯を含む)
始まりは無人駅から
「鈍考/喫茶 芳」までは出町柳駅から、叡山電車で行くのがおすすめです。1両編成の可愛らしい電車が、旅の気分を高めてくれます。三宅八幡駅で降りると、そこはひっそりとした無人駅。アニメのワンシーンにでてきそうなノスタルジックな雰囲気が、物語の始まりを予感させます。
人通りのない迷路のような住宅街を、Googleマップ片手に10分ほど歩きます。住宅街でありながら、田んぼがあったり、小さな川が流れていたり。景色が次々と変わるので、飽きることがありません。子供の頃に近所を探検したようなワクワク感が味わえます。
周辺のおすすめスポット
時間があれば、周辺エリアも散策してみてください。私が訪れた5月は、高瀬川沿いの新緑が清々しく、歩いているだけでリフレッシュできました。
<蓮華寺>
三宅八幡駅から徒歩約10分の場所にある天台宗の寺院です。「鈍考/喫茶 芳」に行く前に心を穏やかにするもよし、後に立ち寄って余韻に浸るもよし。高野川の水を引き込んだ池泉鑑賞式庭園が美しく、ゆったりとした時間を過ごせます。
♦蓮華寺
住所:京都府京都市左京区上高野八幡町1
拝観時間:9:00~17:00
拝観料:500円
<瑠璃光院>
八瀬駅から徒歩約10分の場所にあり、書院2階の黒机に映りこむもみじが人気の寺院です。拝観料の中には写経セットも含まれ、外の景色を眺めながら写経をすることができます。瑠璃光院特製の砂糖菓子「八瀬氷室」と抹茶のセット(1,000円)をいただくのもおすすめです。春季・夏季・秋季の特別拝観期間しか参拝できませんのでご注意ください。
♦瑠璃光院
住所:京都府京都市左京区上高野東山55
電話:075-781-4001
拝観時間:9:00~17:00
拝観料:大人2,000円、学生証提示にて1,000円、小学生以下無料
おわりに
久しぶりに京都を訪れましたが、観光地をめぐる「動」の旅ではなく、移動が少ない「静」の旅は、今の私の気分にぴったりでした。慌ただしい日常に戻っても、あの空間を思い出すだけで心が穏やかになる気がします。今回訪れた場所は、緑や苔が美しく、梅雨明け後の蒸し暑い時期にもおすすめです。叡山電車に乗って、本と静けさを楽しむ大人の非日常旅に出かけてみませんか。











